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踏切前での「窓開け」しないと違反? 教習所で指導されるもやる人皆無… なぜ「窓開け」が推奨されるのか

くるまのニュース / 2023年5月17日 9時10分

自動車教習所では、踏切の前で窓を開けて安全確認をするように指導されますが、実際の公道で実演している人は皆無です。道路交通法違反にならないのでしょうか。

■公道で、踏切の前で窓を開けないと交通違反になる?

 自動車教習所では踏切の前で一時停止、そしてクルマの窓を開けて安全確認をするように指導されますが、実際の道路では窓を開けているドライバーをあまり見かけません。
 
 では、踏切の前で窓を開けないと交通違反になるのでしょうか。

 クルマのドライバーの多くは自動車教習所に通ってから運転免許を取得します。

 教習に関してはさまざまなカリキュラムがあり、「踏切の通過」についてはどこの教習所でも運転訓練をおこなっています。

 その際、教官から踏切の前で一時停止するだけでなくクルマの窓を開けて電車の音を聞き、安全確認をするよう指導された人も多いと思いますが、実際にはあまり見かけることがありません。

 では踏切の前で窓を開けて安全確認をしなかった場合、交通違反に該当するのでしょうか。

 そもそも踏切の通過方法に関しては道路交通法第33条第1項と第2項において以下のように規定されています。

—-
「車両等は、踏切を通過しようとするときは、踏切の直前(道路標識等による停止線が設けられているときは、その停止線の直前。以下この項において同じ。)で停止し、かつ、安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし、信号機の表示する信号に従うときは、踏切の直前で停止しないで進行することができる。(第1項)」

「車両等は、踏切を通過しようとする場合において、踏切の遮断機が閉じようとし、若しくは閉じている間又は踏切の警報機が警報している間は、当該踏切に入つてはならない。(第2項)」
—-

 つまり踏切を通過する際には基本的に踏切の前で一時停止をすること、電車が近づいてきていないか、また線路上でクルマが立ち往生することがないよう、踏切の向こう側に自分のクルマが入れるスペースがあるのかなどの安全確認をすることがポイントです。

 そして遮断機が下りてきている、警報が鳴り出しているといった状況で踏切を通過することが禁止されています。

 踏切前での一時停止を怠った場合は「踏切不停止等違反」として違反点数2点、普通車で反則金9000円が科されます。

 また遮断機が閉じようとしているのに踏切に入るなどした場合は「遮断踏切立入り違反」として違反点数2点、普通車で反則金1万2000円が科される可能性があります。

■なぜ教習所で「窓開け」が指導されるのか

 前述のように、実は道路交通法に「窓を開けて安全確認をしなければいけない」とは明記されていないため、踏切を通過する際に窓を開けなかったからといって交通違反には当たりません。

 ただし、国家公安委員会がドライバーの守るべき交通ルールやマナーについて定めた「交通の方法に関する教則」第6章第1節の「踏切」という項目では、安全確認について以下のように述べられています。

「踏切を通過しようとするときは、その直前で一時停止をし、窓を開けるなどして自分の目と耳で左右の安全を確かめなければなりません。(文章を一部抜粋)」

 自動車教習所では道路交通法のほか、この教則を手本として指導をおこなっているため、踏切では目視の安全確認だけでなくクルマの窓を開けて音を聞くように指導されるのです。

踏切を横断時は十分に注意すること! 万が一立ち入っているクルマや人などを見かけたらすぐに「非常ボタン」を押すこと踏切を横断時は十分に注意すること! 万が一立ち入っているクルマや人などを見かけたらすぐに「非常ボタン」を押すこと

 内閣府の統計によると2020年中における踏切事故は173件発生しており、そのうち列車がクルマと衝突したり、クルマ同士が接触するなど自動車が関連する事故は72件、全体の約41.6%を占めています。

 踏切があるたびに窓を開けて周囲を確認するのが面倒というドライバーもいるかもしれませんが、車内でラジオや音楽などを聞いていると外の音が聞こえにくいケースがあるため注意が必要です。

 列車はもちろんですが、踏切を渡ろうとしている他のクルマや自転車、歩行者などと接触するおそれもあり、目視だけでなく耳を使っての安全確認も非常に大切といえるでしょう。

※ ※ ※

 教習所で指導される、踏切前でのクルマの窓開けに関しては道路交通法に明記されておらず、極端な話でいえば義務というわけではありません。

 しかし踏切事故は少なからず発生しているため、周りの音が聞き取りにくい状況であれば目と耳の両方で安全確認を心がけると良いでしょう。

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