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オートマ「Nレンジ」いつ使う? 渋滞での利用はむしろ「危険」!? 「ニュートラル」を使ってはいけない「理由」とは

くるまのニュース / 2023年5月18日 16時40分

クルマには「N(ニュートラル)」のシフトポジションがありますが、使う機会はほとんどなく、むやみに使うことも危険だといいます。その理由について紹介します。

■「N」にシフトチェンジすると燃費が良くなるという「誤解」!?

 オートマチックトランスミッション(AT)のクルマを運転しているとき、「N」レンジを使うことはあまりありません。
 
 むしろ使うことで、リスクが生じる可能性もあるといいます。どういった理由なのでしょうか。

 タクシードライバーのなかには、信号待ちでしばしばシフトをNに入れる人がいます。

 また一般のドライバーでも、長い信号待ちではNレンジに入れて待機する人がいるようです。

 なぜわざわざNレンジに切り替える必要があるのでしょうか。

 その理由はいくつか考えられますが、ひとつは「燃費向上のため」だと思われます。

 Dレンジのままアイドリングしながら停車した状態は、スムーズに再発進できるよう、トランスミッションのトルクコンバーター(以下トルコン)に負荷をかけているため、燃料を少なからず消費しています。

 しかしNレンジだとトルコンにかかる負荷が軽減されるので、燃料消費が少なくて済むといわれていました。

 しかしそれは20年ほど前までの古いクルマでのことです。

 昨今のクルマには、「ニュートラルアイドル制御」という、燃費悪化を軽減する技術があります。

 そのため、Dレンジのままブレーキを踏んで信号待ちをしていても、クルマがアイドリング中であることを検知してAT内部のクラッチを切っていますので、トルクコンバーター側で発生していた負荷はなくなっています。

 必ずしも、Nレンジにしたほうが燃費も良くなる、ということではないのです。

 ただし、かつてタクシー専用車として販売されていた車種のなかには、シフトレバーをNもしくはPレンジに入れるとアイドリングストップ(エンジン停止)する機能を備え、待機時の燃費を向上させていたケースもありました。

 加えてタクシーの場合、エンジンが駆動伝達系から切り離されることで、アイドリングで発生するエンジンの「ブルブル」とした振動が遮断されます。

 長きに渡り酷使されたタクシー車両のなかには、新車時よりもエンジンやシフト、駆動系などからの振動が多く発生するものもあります。

 Nに入れるとこうした振動が軽減され、車内が快適になったような気がして、緊張感から解放される、という理由もあるようです。

 後席の乗客に対し、より快適に乗ってもらう気配りともいえますが、あまり前向きな理由とはいえません。

■「足が疲れる」から「N」に入れるのが「超危険!」といえる理由とは

 わざわざNレンジに切り替えるもうひとつのケースは、「ブレーキを踏み続けると足が疲れる」という理由です。

 Nレンジに入れたあとパーキングブレーキをかけ、ブレーキペダルから足を外して待つ人は、特に年配の方に多く見られるようです。

渋滞停止時にシフトをNに入れ替えたことを忘れ、発進しようとアクセルを空ぶかしし、慌ててシフトをDに入れ不慮の事故を起こしてしまうケースも!?[画像:Adobe Stock]渋滞停止時にシフトをNに入れ替えたことを忘れ、発進しようとアクセルを空ぶかしし、慌ててシフトをDに入れ不慮の事故を起こしてしまうケースも!?[画像:Adobe Stock]

 しかし運転中に足を外すことで緊張感が抜けるため、リラックスしすぎていると、Nレンジに入れていたのを忘れてしまうことも想定されます。

 そして発進しようとして「クルマが動かない?」とよりアクセルをべた踏みし、エンジンを思い切りぶん回しても動かず、その際にようやく気付いてシフトを「D」レンジへ入れてしまい、クルマが「急発進」してしまう……

 こうした不慮の事故が発生してしまうリスクも少なくありません。

 通称「プリウスミサイル」と揶揄される、電制シフト車で起こる事故のなかには、この手のミスが理由のひとつとも考えられており、Nレンジでの信号待ちはやはりオススメできません。

 また昨今は、クルマが完全に停止したあとに自動でブレーキ保持の状態が続く「オートブレーキホールド」機構が普及してきています。

 オートブレーキホールドが装備されているクルマならば、この点についても、わざわざNレンジへ入れるメリットはありません。

 また停止時にフットブレーキを踏み続けることは、「今はブレーキを踏んでいる」ということを自らに意識づける効果もあります。

もし激しい渋滞に巻き込まれ、しばらく車列が動く気配がない場合には、Nレンジではなく、Pレンジを使うほうが誤操作も減ります。

※ ※ ※

 いずれにせよ、信号待ちでのNレンジはさまざまなアクシデントが考えられるため、避けたほうが良いでしょう。

 Nレンジは原則、車両故障などの際、レッカー車によるけん引といった緊急時にのみ使うものと考えるべき、というのが筆者(くるまのニュースライター 河馬兎)の見解です。

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