ホントに「軽」!? 日産「サクラ」の質感スゴすぎ! 航続距離が短めでも“めちゃ売れ”する訳とは
くるまのニュース / 2023年5月23日 19時10分
日産の軽EV「サクラ」の販売が好調です。航続距離は180kmと、ほかのEVに比べると短めながら、なぜ売れるのでしょうか。
■軽EVで180km走れれば十分!?
日産が2022年6月に発売した「サクラ」は、同社が長年培ってきたEV技術をフル投入した、軽自動車のバッテリーEVです。
発売から約1年が経過し、サクラを街で見かけることも増えていますが、どのようなところが魅力なのでしょうか。
サクラは、日産では「リーフ」「アリア」に続く量産EVとして3番目のモデルで、企画・開発マネジメントは日産と三菱の合弁会社であるNMKVが担当しました。
2022年6月の発売から翌年3月末までの2022年度累計販売台数は3万3097台を記録。一時的に注文を停止していた時期もあったにもかかわらず、半年でこの台数を売り上げており、サクラは一気にヒットモデルになったといえるでしょう。
日産によると、サクラのユーザーの特徴として、クルマを複数台所有している人が多いといいます。
もともと軽は、日常使いのセカンドカーとして使用されることも多いジャンルです。1回の充電当たりの航続距離が最大180kmであっても十分足りるというわけです。
加えて、自宅で充電が可能ということもあり、ガソリンスタンドがあまりない地域や離島などでも重宝されているようです。
また、サクラはEV車共通の特徴であるリニアな加速や静粛性を、軽自動車のセグメントで実現している点もまた魅力です。
小回りの効く軽は日本の狭い道でも扱いやすく、維持費が安いこともメリットですが、加速性能に不満があったり、エンジン音がうるさくて長時間の運転は疲れる、デザインが安っぽいといったデメリットがあるのも事実です。
そんなデメリットをEVというパワートレインが払拭。また、デザインもとくにインテリアの質感が高く、ソファのような座り心地の良いシートを備えるなど、上質な内装を実現しました。
外観は上品で落ち着いた雰囲気としながら、先進的なデザインを採用。日本の伝統美である「水引」をモチーフにしたパーツが取り入れられるなど、これまでの軽の常識を超えた高級感あふれるスタイリングとしています。
また、高速道路の単一車線での運転支援技術「プロパイロット」や、駐車時にステアリング、アクセル、ブレーキ、シフトチェンジ、パーキングブレーキのすべてを自動で制御する「プロパイロット パーキング」などを搭載。
これらの充実した先進技術が、年配のユーザーだけでなく若い世代まで幅広い層のユーザーに支持されているといいます。
サクラの価格(消費税込)は、材料費や物流費高騰のため2021年12月に値上げされ、254万8700円から304万400円です。
軽としてはかなり高額な部類に入りますが、国からの補助金(上限55万円)が受けられれば、一般的な軽とあまり変わらない価格で購入することができます。
また、自治体によってはさらに補助金が受けられることもあるほか、税金優遇の対象にもなっています。
※ ※ ※
その年のクルマに贈られる「日本カー・オブ・ザ・イヤー」では、2022年のイヤーカーとしてサクラと姉妹車の三菱「eKクロスEV」が選出されました。
サクラとeKクロスEVは、軽のボディタイプを採用し、現実的な価格でEVを所有するハードルを下げ、普及に貢献したことが評価されました。なお、軽がイヤーカーに選ばれるのはこれが初めだといいます。
サクラの登場で軽EVが当たり前の存在になりつつあるなか、トヨタ、スズキ、ダイハツの3社は軽商用EVを共同開発し、2023年度内に発売する予定です。
そして、ホンダも軽商用EVを開発中とのことを明かしていることから今後、さまざまな軽EVが発売されることになりそうです。
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