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日産が「4人乗り超高級セダン」披露してた!? 豪華バブリー内装採用された謎のクルマとは何だったのか?

くるまのニュース / 2023年5月25日 18時10分

さまざまなクルマが出展されてきた「東京モーターショー」は今年から「ジャパンモビリティショー」へと名称が変更となります。そんな東京モーターショーでも、バブル景気に湧いていた1989年に出展された日産「NEO-X」を紹介します。

■市販化はならずともハイテク技術は現代に活きている?

 国内最大の自動車展示会「東京モーターショー」ではさまざまな新型車やコンセプトカーが発表されてきました。次回の開催は2023年10月ですが、名称が変更されて新たに「ジャパンモビリティショー」として開催されます。
 
 そんな東京モーターショーのなかでも、1989年の第28回で日産が出展した「NEO-X(ネオ・エックス)」を紹介します。

 平成最初の年、1989年10月26日から11月6日まで幕張メッセ(千葉市美浜区)で第28回東京モーターショーが開催されました。

 日産では、5台のコンセプトカーを含む計24台の参考出品車および17台の市販車を展示。そのなかの1台に大型4ドアセダン。NEO-Xを公開しました。

 NEO-Xのコンセプトは「人に優しい知的高性能セダン」。単なる機能主義を超えた日本人の美意識と優しさを表現したデザインや、人の判断領域にまで踏み込んで人をサポートする統合制御システムなどにより、人とクルマの新しい関係を追求したと言います。

 デザインは、「世界で通用する普遍性や新しい共感の創造を目指した」といい、エクステリアは長い全長に低く抑えた全高により伸びやかさを感じさせ、曲線を多用したデザインであり近未来感を主張しつつも柔らかい印象を受けます。

 一方で、リアは比較的エッジが立っており、真一文字のテールランプや縦型のウインカーレンズを組み合わせた独特のものを採用。

 パワートレインには、当時日産が北米で展開を開始したばかりの高級車ブランド「インフィニティ」の最高級モデル「Q45」(日本ではモーターショー前日に「インフィニティQ45」の名で発表)と同じ4.5リッターV型8気筒「VH45DE」型エンジンを搭載し、電子制御トルクスプリット4WDとシフトバイワイヤー方式の電子制御5速ATを組み合わせます。

 また、パワートレインに加えて、油圧式アクティブサスペンションや前後輪のアクティブステアリング(四輪操舵)などのハイテク技術との相乗効果を図るため、「総合制御システム」を採用したことで、運転のしやすさや快適性などの性能を車両トータルで向上させていると言います。

 インテリアはベージュの革がふんだんに用いられ、インパネやコンソールもフルレザー仕様。シフトバイワイヤー方式のためコンソールにシフトノブの姿はなく、ステアリング左側に設けられたレバーで操作します。

 後席は左右が独立した2座で、左右席を区切る大型コンソールにはシートを調整するスイッチが設けられていることが電動シートを採用していることがうかがえます。

 ルーフは全面液晶ガラスとなっており、スイッチ操作で遮光・採光を切り替えることが可能。

 そのほかに、側方警戒レーダーや電動パーキングブレーキ、ヘッドアップディスプレイといった運転支援機能や、インパネ中央のタッチディスプレイではナビゲーションだけでなく空気圧センサーなどの車両状態や車両設定ができるなど、現代のクルマにも通ずるハイテク装備が多く採用されている点もNEO-Xの特徴です。

 バブル景気真っ只中に発表され、当時日本が得意としたハイテクをふんだんに盛り込みながら、日本らしい美を意識したというNEO-Xそのものの市販化は叶わなかったものの、クオーター部からテールにかけてなど、デザインの一部分は、前年の1988年に発売され大ヒットとなった初代「シーマ」との共通性も感じさせ、次期型シーマや次期「セドリック/グロリア」など、国内向け高級車向けデザイン検討のベースとなった可能性はあります。

 また、側方警戒レーダーや電動パーキングブレーキ、ヘッドアップディスプレイなどは現代の日産車に数多く採用されており、当時の発想や技術は20年以上経過した現代に合わせてブラッシュアップされ続けています。

※ ※ ※

 このNEO-Xのように市販化が叶わなかったものの、後に登場する市販車に一部の機能やデザインが活かされているケースも数多く存在します。

 59年ぶりに名称が変更されるジャパンモビリティショーではどのようなコンセプトカーが出展されるか期待が高まります。

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