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ディーラーから案内来る「12ヶ月点検」受けなきゃダメ? 「法定点検」と「車検」何が違う?

くるまのニュース / 2023年5月25日 11時10分

クルマには「車検」のほかに、「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」といった「法定点検」を受けることになっています。これらは安全にクルマを走らせるうえで必要なメンテナンス作業なのですが、車検と法定点検の違いは何なのでしょうか。

■法定点検と車検とは何が違う?

 クルマには、決められた期間ごとに「車検」を受ける必要がありますが、これとは別に「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」と呼ばれる「点検制度」があります。
 
 12ヶ月点検と24ヶ月点検は、クルマを安全に走らせるうえで必要な検査義務なのですが、車検とは違ってその必要性がわかりにくいものです。

 しかし、この12ヶ月点検と24ヶ月点検は「法定点検(定期点検)」と呼ばれ、その名の通り「道路運送車両法」の第48条(自動車点検基準第2条)によって義務付けられたものなのです。

 法定点検と車検とは一体何が違うのでしょうか。

 埼玉県で現役整備士として勤務するF氏に、法定点検と車検の違いについて教えてもらいました。

「かんたんに言えば、車検は公道を走行するうえで国が定める保安基準を満たしているかを検査するものです。

 一方で法定点検は、クルマの故障を減らし性能維持を目的とした検査と整備を含みます。つまり、問題なく走れるように、定期的に点検や整備をおこなってくださいと言うことです」

 車検は単に国が定める基準をクリアすればOKなのですが、法定点検はより細かい項目を点検し、クルマのコンディションを管理するということです。

 とはいえ、新車の場合、購入したディーラーから「法定点検のお知らせ」といった連絡がありますが、中古車ではあまり聞いたことがありません。法律(道路運送車両法)で定められているとはいえ、法定点検は必ず受けないといけないものなのでしょうか。

「ここが少し難しいところでして、いわゆる法定点検は義務と明記されているものの、実際は点検を受けなくても罰則規定はありません。切れていると罰則や罰金が科せられる車検との違いはここにあります。

 ただし、結果的には保安基準を満たすためには、日々のコンディション維持が必要であり、プロでしかチェックできない項目も多いことから、最低でも24ヶ月点検を車検時に受けてもらうようにしています」(F整備士)

 車検では、灯火類(ヘッドライトやウインカーなど)が適正な光軸(照らし方)になっているかや、適正な明るさで作動するか、ブレーキはちゃんと作動しているかなど、主な8つの項目で基準を満たしてさえいれば合格できます。

 それに対し、法定点検のひとつである24ヶ月点検では、これらに加えてベルト類のたわみや劣化の確認、ブレーキパッドの消耗具合や劣化具合の確認、排気ガス規定の基準内かの確認などの項目も加わり、必要であれば消耗部品の交換(部品代は別途)まで行うなど、より詳細にクルマの状態をチェックしているのです。

 ちなみに、ディーラーから「6ヶ月点検」の案内も来るかと思いますが、6ヶ月点検は走行距離が伸びる傾向にある商用車などでは法定点検となりますが、一般ユーザーが普段使う乗用車では法的な義務はありません。

 受けなくても罰則はありませんが、ディーラーやショップによっては「6ヶ月点検」が無料で受けられたり、保証期間中に初期不良の早期発見できるなど、受けるメリットは大きいと言えます。

 精密な機械の集合体であるクルマはメンテナンスフリーということはなく、人間の身体と同様にコンディションを維持するためには、新車でも中古車でも定期的な健康診断で不具合を早期発見し、初期治療することが大切というわけです。

■「12ヶ月点検」と「24ヶ月点検」似てるけど違う!

 それでは12ヶ月点検と24ヶ月点検に違いはあるのでしょうか。同じならなおさら受けなくてもいいのではないでしょうか。

「似ているようですが、12ヶ月点検は全27項目の検査に対し、24ヶ月点検はより細かく、12ヶ月点検の27項目を含む全57項目の検査がおこなわれ、より細かくチェックされます。

 その検査内容は『記録簿』に記載され、どれくらいの頻度で検査やメンテナンスを受けてきたかが分かるようになっています。

 中古車を購入するとき、この記録簿の内容がコンディションや歴代オーナーの使い方を推量するうえで重要になってくるのです」(F整備士)

定期的に点検を受けてクルマの状態をチェック定期的に点検を受けてクルマの状態をチェック

 F整備士いわく、やはり24ヶ月点検の重要性は理解しやすいものの、12ヶ月点検はおろそかにしている人が多いそうです。しかし、クルマの性能を引き出すためには、年に1回のクルマの健康診断も非常に重要なのだそうです。

「12ヶ月点検の検査項目は、ベルトの緩みや損傷具合の確認や、ブレーキの効き具合だけでなくペダルの遊びの量の測定やブレーキホースなどの液漏れチェック、ディスクやパッドの損傷具合なども検査します。つまり走行に直接関連する重要なパーツの損傷具合をチェックしています。

 クルマが壊れるのは突然の場合もありますが、たいていは不具合や損傷が蓄積されて故障につながります。壊れてから直すより、事前にチェックしていたほうがはるかに安全ですし、経済的な負担も少なくて済みます」(F整備士)

 それでは、気になる12ヶ月点検の費用はどれくらいなのでしょうか。

「ディーラーに頼むか整備工場に頼むかで多少の差はありますが、おおむね1万円から2万円程度でしょう。ただし、エンジンオイルなど消耗品の交換が必要な場合は別途費用が必要になります。

 それでも自分ではなかなかチェックできない部分まで診断してもらえるので、クルマのコンディションを維持するうえではやっておいたほうが良いでしょう」(F整備士)

 所要時間は、大きな修理などがなければ1時間程度で済むといいます。

 もともと半年に1回のオイル交換が推奨されていますし(ターボエンジンはさらにサイクルが短く3ヶ月程度)、遅くとも1年に1回はオイル交換すべきですから、12ヶ月点検の時にエンジンオイルの交換も依頼するのが良いのではないでしょうか。

※ ※ ※

 クルマは徐々に経年劣化していくので、クルマの健康診断とも言える12ヶ月点検はもちろん、車検時には24ヶ月点検も受けておいたほうが、故障を未然に防ぐことになり、維持費を抑えることにつながります。

 そういったことから、12ヶ月点検と24ヶ月点検は受けておくべきだといえるでしょう。

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