真っ赤な嘘だった…! ウワサの「59分以内無料」は違反に当たる! 道路脇の「パーキングメーター」の正しい利用方法とは
くるまのニュース / 2023年5月30日 7時10分
パーキングメーターは、「59分以内なら無料で利用できる」というウワサも聞かれます。果たしてこのウワサは本当なのでしょうか。
■「59分以内無料」のウワサが広まったワケとは
東京都をはじめ、都市部の道路上ではパーキング・メーターを使って駐車することが出来る場所があります。
これは手数料を払えば60分に限って駐車可能な場所ですが「59分以内なら無料で利用できる」というウワサも聞かれます。果たしてこのウワサは本当なのでしょうか。
東京都や大阪府、愛知県などの都市部では買い物など短時間駐車の需要が高いものの、駐車場が少ない状況にあります。
そのため道路上に「時間制限駐車区間」と呼ばれる区間が設けられており、その区間の駐車枠では、手数料を支払うことによって一定時間に限り駐車が可能です。
時間制限駐車区間には「パーキング・メーター」か「パーキング・チケット発給設備」と呼ばれる機械が設置されています。
さらに、その区間であることを示す道路標識や道路標示があり、仮に標識に「9-19 P60分」と書かれていれば「9時から19時までの間、60分に限り駐車可能」を意味します。
パーキング・メーターのある区間に駐車をする場合は、メーターの表示が「0分」になっていることを確認してから駐車枠にクルマを停め、手数料を機械に支払って利用しなければいけません。
パーキング・メーターはセンサーによってクルマの駐車時間を感知する仕組みであり、60分まで駐車可能な場所では、メーターの表示が「60分」を過ぎると駐車違反に当たるため、制限時間内で利用する必要があります。
その一方、パーキング・チケット発給設備がある区間では、クルマを駐車枠に駐車してから歩道にあるチケット発給設備で手数料を支払い、チケットを受け取ります。
このチケットには発給日時や駐車終了時刻などが印字されているほか、シール状になるため、クルマの前方の見やすい位置、フロントガラスなどにチケットを掲示しなければいけません。
パーキング・チケットの場合はチケットに印字された駐車終了時刻を過ぎると駐車違反に該当するため、時刻をよく確認しておくことが大切です。
どちらの場合も60分までの使用が一般的であり、手数料も先払いですが、巷では「59分以内の利用なら手数料を払わなくて良い」といった声や「機械に手数料を入れずに駐車していても駐車違反ではない」といったウワサが聞かれることもあります。
では、これらのウワサは本当なのでしょうか。
■「59分以内なら無料」のウワサ…本当? 広まった要因は?
時間制限駐車区間での駐車方法について規定した道路交通法第49条の3第4項では、以下のように定められています。
「車両の運転者は、時間制限駐車区間において車両を駐車したときは、パーキング・メーターを直ちに作動させ、又はパーキング・チケット発給設備によりパーキング・チケットの発給を直ちに受けて、これを当該車両が駐車している間、当該車両の前面の見やすい箇所に掲示しなければならない(条文を一部抜粋)」
つまりクルマを駐車したらすぐに手数料を支払ってパーキング・メーターを適正に作動させるか、すぐにチケットを発給してクルマに取り付けなければ駐車違反に当たるということであり、パーキング・メーター本体にも「手数料を入れないと駐車違反となります」と明記されています。
そのため、「59分以内の利用なら無料」や「手数料を入れなくても駐車違反ではない」という話は事実ではなく、れっきとした違反行為なのです。
パーキングチケットも基本の利用方法はパーキングメーターと同じ
このようなウワサが広まったのは、警察による駐車違反の取り締まり方法や機械の仕組みに起因すると考えられています。
実はパーキング・メーターの手数料の支払いは100円硬貨に限られており、駐車してから両替などでその場を離れるドライバーもいるため、警察では、そのような事情に配慮して制限時間内であれば積極的な取り締まりをおこなっていない現状があります。
またパーキング・メーターなどの機械には手数料を強制的に支払わせるような仕組みはなく、パーキング・メーターに手数料を入れなくても料金未納の赤いランプが点灯するのみで、警察への通報や警告音が鳴るといった機能はありません。
パーキング・チケットにいたっては、そもそもチケットを発給せずに駐車できてしまう仕組みです。
そしてどちらの機械も、コインパーキングの駐車場のように物理的にクルマをロックできる装置はなく、実行しようと思えば悪質なドライバーが手数料を踏み倒すこともできてしまうのです。
これらのような状況もあり、「59分以内なら無料で駐車できる・駐車違反にはならない」といった誤った認識が広まったものとみられます。
※ ※ ※
パーキング・メーターやパーキング・チケット発給設備を利用する際は、駐車後すぐに手数料を支払わなければ駐車違反に該当します。
また、59分以内の取り締まりが厳しくおこなわれていない現状があるとはいえ、絶対に検挙されないというわけではありません。
機械に掲載された使用方法をよく確認して利用することが重要といえるでしょう。
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