トヨタの高級SUV「ハリアーザガート」が凄かった! ド派手エアロの斬新カスタム仕様! どんなモデルだったのか
くるまのニュース / 2023年6月3日 6時10分
トヨタは初代「ハリアー」のデビューからわずか半年後の1998年5月、カスタムコンプリートカー「ハリアーザガート」を限定発売していました。斬新すぎる迫力フォルムが誕生した背景について紹介します。
■イタリアの名門「ザガート」社とコラボしたカスタムコンプリートカー
トヨタ「ハリアー」は、その後世界的に人気を集めるカテゴリーへと発展する「高級SUV」の先駆けとして、1997年12月に初代が誕生しました。
そのデビューからわずか半年後の1998年5月、イタリアの有名カロッツェリア(デザイン工房)とコラボしたカスタムコンプリートカー「ハリアーザガート」が限定発売されています。どのようなクルマだったのでしょうか。
SUVといえばトヨタ「ランドクルーザー」に代表されるクロスカントリー型四輪駆動車(クロカン四駆)が主流だった1990年代の終わりに、初代ハリアーは颯爽と登場しました。
ラダーフレームを採用し重厚な造りのクロカン四駆に対し、ハリアーはFF乗用車のプラットフォームをベースに設計され、軽快かつ上質な走りを特徴としていました。
モノコックボディ化で室内や荷室空間も広く確保され、実用性も向上するなど、主に都市で使うユーザーにとって多くのメリットを有していたことから、デビュー早々にヒット作となっています。
そんな意欲作のハリアーが、デビュー早々にカスタムコンプリートカー「ハリアーザガート」を登場させたことで、再び話題を呼びました。
トヨタのカスタマイズモデルを手掛けるトヨタ モデリスタインターナショナル(現トヨタカスタマイジング&ディベロップメント、以下モデリスタと表記)と共同開発を行ったのは、イタリア「ZAGATO(ザガート)」社です。
同社はフェラーリやアルファ ロメオなど、世界の数々の名車デザインを手がけたイタリアの有力なカロッツェリアとして知られます。
トヨタではハリアーのデビュー前からカスタムモデルの設定を構想しており、3社の共同コンペの結果、ザガートが選ばれたといいます。
デザインのコンセプトは「イタリアン・ロケット」。
プロトタイプモデルは、ハリアーデビュー直後の1998年1月に開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン」で世界初公開されました。
■オーバーフェンダーとローダウンの組み合わせが「鮮烈」!
専用デザインのエアロパーツやオーバーフェンダー、ローダウンサスペンションなどを組み合わせ、インパクトあるワイド&ローなフォルムを生み出しています。
ブリヂストン製のタイヤは、215/70R16サイズ。ゴールドの専用アルミホイールとともに、足元にも独特の凄味がプラスされているのもまた印象的です。
トヨタ初代「ハリアー」のカスタムコンプリートカー「ハリアーザガート」[ボディカラー:ホワイトパールマイカ]
こうした細部にわたるカスタマイズにより、スマートなベース車とは大きくイメージを変えることに成功しました。
なおハリアーザガートのボディサイズは、全長4635mm×全幅1900mm×全高1640mm。ベース車に対し全長で55mm、車幅で80mmほど拡大した一方で、全高は30mmダウンしています。
搭載されるパワートレインは3リッターV型6気筒DOHCと4速ATの組み合わせで、FFのみの設定でした。
ハリアーザガートの車両本体価格は、363万5000円(1998年5月当時)で、200台限定が発売されています。
ボディカラーは、メインカラーの「スーパークロマレッド」に加え、「ホワイトパールマイカ」「ブラック」の3色が用意されていました。
当時、ベースのハリアー・3リッターモデル(FF)の価格は、269.5万円から294.5万円。ここまでのスペシャルモデルだったことを考えると、363万5000円はかなり破格な設定といえます。
当時の設定についてモデリスタでは、ハリアーの生産ラインがあったトヨタ九州工場内で効率的に架装することで、価格を抑えることが実現したと説明しています。
※ ※ ※
いま見ても非常に斬新な印象のハリアーザガート。
2020年に誕生した現行型(4代目)には、今のところこうしたカスタムコンプリートカーは販売されていません。
現代の発想をもとにした新世代のカスタムハリアーの発売にも、改めて期待がかかるところです。
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