トヨタの都会派SUV「ハリアー」に鮮烈レッド! ド派手スタイルが「攻めすぎ」!? 2世代続いた斬新限定車「ハリアーザガート」とは
くるまのニュース / 2023年6月11日 11時10分
トヨタの都会派SUV「ハリアー」は、初代から一貫して洗練されたスマートなスタイリングが特徴ですが、初代と2代目には、こうしたイメージを変えるような「攻めたデザイン」のカスタムカーが限定車としてラインナップされていました。
■初代に続き2代目にもあった「イタリアコラボ」のハリアーとは
1997年12月に誕生した高級SUV「ハリアー」は、現行4代目に至るまで洗練された都会派のスタイリングが特徴です。
そんなハリアーのイメージを変えるほどのワイルドなスタイルで攻めた純正カスタムカーが、初代、2代目でそれぞれ限定販売されていました。
洗練されたスタイリングとセダン車譲りの上質な走りで、SUVの新たな路線を開拓したハリアー。
その後各メーカーから同様のコンセプトのモデルが後追いするほど、世界に大きなインパクトを与えた意欲作でした。
そしてこうした新型車を盛り上げるべく、前例にない取り組みとして正式発売前より企画されたのが、ハリアーをベースにしたカスタムコンプリートカー(メーカー完成車)でした。
デザインは、車体デザインなどを手掛けるカロッツェリア(デザイン工房)3社でコンペを行った結果、イタリア「ZAGATO(ザガート)」社が選ばれています。
フェラーリやアルファ ロメオなど、世界の数々の名車デザインを手がけたイタリアの有力なカロッツェリアとして知られるザガートが提案したデザインコンセプトは「イタリアン・ロケット」。
インパクトあるワイド&ローなフォルムは、専用デザインのエアロパーツやオーバーフェンダー、ローダウンサスペンションなどでトータルコーディネイトされました。
ハリアーデビュー直後の1998年1月に開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン」で世界初公開されると大きな反響を集め、1998年5月に3リッターV6モデル(FF)のみの設定で、200台の限定発売が行われています。
製造にたずさわったのは、ハリアーがデビューした1997年にトヨタのカスタムモデル部門として立ち上がったばかりの、トヨタ モデリスタインターナショナル(現トヨタカスタマイジング&ディベロップメント、以下モデリスタと表記)でした。
このハリアーザガートは、2003年にフルモデルチェンジした2代目ハリアーでも同様に企画されています。
当時ハリアーを専売していた販売店「トヨペット店」の誕生50周年を記念する特別限定車として、2006年9月から2007年3月までの期間に、250台が限定発売されました。
■2代目ハリアーザガートは選択の幅も拡大
2代目ハリアーザガートの開発コンセプトは「魂を揺さぶる造形の輝き ~ART OF DESIRE~」。
当時のモデリスタの発表資料では「品格と力強さを合わせもち、躍動美に包まれた官能的フォルムへと昇華させた」と、その狙いについて説明します。
2代目「ハリアーザガート」は、エンジンや駆動方式など選択の幅が拡がりました
全長で20mm、全幅で45mm拡大する専用スタイリングキットを組み込み、ワイルドなイメージに仕立て上げられました。
さらに約20mmのローダウンとなる専用スプリングや、専用18インチアルミホイールで足元を引き締めます。
そんな2代目ハリアーザガートは、匠の手による高度な金型技術を手造りで再現するのではなく、通常の量産ハリアーの生産ライン上で実現させていたのも大きな特徴でした。
そのため2代目ハリアーザガートはラインナップも拡大し、2.4リッター直列4気筒エンジン車と3.5リッター V型6気筒エンジン車を設定しそれぞれFFと4WDが用意されるなど、初代に比べ選択の幅が大きく広がっています。
ボディカラーは、専用色の鮮烈な「レッドマイカメタリック」のほか「ホワイトパールクリスタルシャイン」「ブラック」の3色をラインナップし、当時の車両本体価格(消費税抜き)は、493万5000円から571万2000円までとなっていました。
※ ※ ※
2023年に改めて振り返っても、極めて強いインパクトが感じられる初代・2代目のハリアーザガート。
2020年登場の現行ハリアーにも、こうした攻めたデザインを与えたカスタムコンプリートカーの復活が期待されるところです。
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