ダメ絶対! 「一目でわかる“車”の不正改造」って何? わかり易すぎる“一発アウト”なカスタム5選
くるまのニュース / 2023年6月18日 18時10分
愛車を自分好みに仕立てるカスタマイズですが、「保安基準」に適合していないと、不正改造となり公道を走行できません。不正改造には、様々な種類がありますが、今回は“ひと目でわかる”不正改造を5つ紹介します。
■“一目でわかる”不正改造とは?
愛車を自分好みに仕立てるカスタマイズ。その手法は多種多様ですが、「保安基準」に適合していないと、不正改造となり公道を走行できません。
不正改造には、様々な種類がありますが、今回はそんな不正改造の中でも“ひと目でわかる”不正改造を5つ紹介します。
保安基準は、走行上の安全確保と環境保全を図ることを目的に、車両の寸法・重量、エンジン、ブレーキ、タイヤ、照明、マフラーなどに関する諸要件を定めたものです。このルールに基づいた検査が自動車検査登録制度、いわゆる「車検」です。
かつてカスタマイズのハードルは高く、何をするにも「構造変更」と呼ばれる面倒な手続きが必要でした。それが1995年に規制が緩和され、「軽微な変更」については諸手続きが簡素化されました。
軽微な変更とは、エアロパーツなどの指定部品を装着したときの車両寸法・重量が一定範囲(長さ±3cm、幅±2cm、高さ±4cm、車重±100kg、軽自動車と小型自動車は±50kg)にあることです。そのほかにも細かな規定はありますが、構造変更が原則不要になったことで、カスタマイズの市場が活性化しました。
オーバーフェンダーを装着したり、エンジンを別のタイプに載せ替えるようなカスタマイズについては、構造変更を通して、車検で保安基準に適合していると認められたら、合法改造となります。したがって「ド派手なカスタマイズ=不正改造」と決めつけるのは早計でしょう。
しかし、絶対に保安基準に適合することのない改造行為ももちろん存在します。今回はそんな改造行為の中でも、“ひと目みただけですぐわかる”改造例を5つ紹介します。
■タイヤのハミ出し
車体側面(フェンダーなど)からタイヤがはみ出ている状態、いわゆる“ハミタイ”です。車体側面の造形が下方向に絞り込んでいるクルマの場合、純正のままでもタイヤの一部がはみ出ていることがありますが、保安基準で示しているのは、タイヤ中心から上方向に引いた垂直線を基準に前方30度、後方50度の範囲部分。
その最外側からタイヤが10mm以上はみ出ていると不正改造になります。ホイールやセンターキャップ、ナットについては1mmたりともはみ出しは認められていません。
■最低地上高9cm未満のローダウン
サスペンションを交換して車高を下げるローダウンはカスタマイズの定番です。
ただ下げ過ぎは考えもの。車体底部と地面の距離は9cm以上と定められており、それを割ると不正改造になります。
■大きすぎる凶器になりそうなリアウイング
エアロパーツのひとつ、リアウイング。その効果はさておき、後ろ姿をよりレーシーに演出するうえでも目をひくアイテムです。
ほかのエアロパーツよりも周囲に与える危険性が高いとあって規定は多め。
例えば「ウイング側端が車体端から165mm以上内側」「ウイング側端と車体のすき間が20mm以下」「ウイングが歩行者等に接触した場合に衝撃を緩衝できる構造」のいずれにも該当していないと不正改造です。
■ライトの色変更
ヘッドライトやブレーキランプ、ウインカーなどの「灯火類」にもルールが細かく定められています。例えばヘッドライトの光は白色です(2005年以前に生産されたクルマは淡黄色も可)。
白色とひと口に言っても、黄みがかっているものから、青みがかっているものまで“幅”があります。光の色を表す指標として絶対温度(色温度、単位はケルビン)がありますが、保安基準ではケルビンを用いていません。
車検は、検査員の目視に委ねられます。黄みが強いあるいは青みが強いと不正改造になる可能性が高いので、電球など光源を変える場合は注意が必要です。
■前席窓ガラスの着色
プライバシーガラスと呼ばれる着色ガラスは、自動車メーカーが後席窓ガラスやリアガラスに設定するほどポピュラーです。ただ、前席(運転席・助手席)窓ガラスとフロントガラスには、可視光線透過率70%以上という規定があるので、フィルムやスプレーで着色するのは現実的ではありません。
可視光線透過率70%以上といわれてもピンとこない人もいると思いますが、前席窓ガラスは純正状態で70%台が一般的です。貼ろうとしているフィルムが限りなく無色透明であれば70%の基準をクリアできそうですが、見るからに暗いものは不正改造になると思っていいでしょう。
最近よく見かけるようになってきたオーロラフィルムについても注意が必要です。オーロラフィルムは、外から見る角度によって色調や濃さが変化するのが特徴。外からは車内が見にくくても可視光線透過率70%以上であれば法律上問題ないように思われますが、今年に入って実質禁止になるような動きが出てきました。
※ ※ ※
カスタマイズに関するルールはたびたび見直されるので、以前はOKでも今はNGというケースがあります。
不正改造車で公道を走ることは犯罪です。使用者には整備命令の発令、実施者には6か月以下の懲役または30万円の罰金が科されます。絶対に行なわないようにしましょう。
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