トヨタが1700万円超えの新型「クラウンヴェルファイア」初公開! 「クラウンミニバン」を全面刷新! 競合ひしめく中国で発表
くるまのニュース / 2023年6月22日 17時10分
2023年6月21日、トヨタは新型「ヴェルファイア」の中国仕様車「クラウンヴェルファイア」を発表しました。
■王冠を配した新型「クラウンヴェルファイア」初公開!
トヨタは2023年6月21日、「クラウンクロスオーバー」の中国仕様車「クラウンスポーツクロス」と、新型「ヴェルファイア」の中国仕様車「クラウンヴェルファイア」投入を発表しました。
中国におけるアルファード/ヴェルファイア事情は一体どのようなものなのでしょうか。
アルファードは2002年にトヨタの最上級ミニバンとして登場、そして2008年には2代目へ移行すると同時に兄弟車「ヴェルファイア」も投入されました。
2015年に登場した3代目モデルを置き換えるのが、この度発表された4代目モデルとなります。
中国では2010年より正規輸入が始まりましたが、それ以前より並行輸入車として少数ながら市場に出回っていました。
香港や台湾の映画スターなどがアルファードを愛用していることで注目を浴び、また当時はライバルとなる車種が少なかったために人気は徐々に上昇、それを受けてトヨタが正式に販売する形となりました。
一方、ヴェルファイアは兄弟車に遅れること9年、2019年にようやく中国に上陸しました。
アルファードは広汽トヨタが販売するのに対し、ヴェルファイアを担当するのは一汽トヨタと、それぞれ別々の合弁会社から販売する形式をとっています。
ただ、アルファードのネームバリューがあまりにも大きすぎるがゆえにヴェルファイアは注目されず、販売も伸び悩んでいました。
そうした状況の中、2021年にはヴェルファイアを「クラウンヴェルファイア」へと改称してマイナーチェンジを行います。
それでも同じ価格帯のアルファード、そしてより上級のポジションに君臨する2019年登場のレクサス「LM(先代モデル)」に板挟みされていることには変わりなく、高級ミニバン市場におけるプレゼンスを発揮できずにいました。
このような事情もあり、中国では新型アルファードよりも先に新型ヴェルファイアが発表されたのではないかとの声も見受けられます。
中国における高級ミニバン市場はここ2、3年で多くの新モデルが中国メーカーよりリリースされており、競争は加熱の一途をたどっています。
登場当初よりもライバル車種の数が何倍にも増えた現状を鑑みると、トヨタがアルファードとヴェルファイアの二刀流でライバルを迎え撃ちたいと思うことは当然でしょう。
新型「アルファード」(左)と新型「ヴェルファイア」(右)
新しくなったヴェルファイアは専用サスペンションや装備でアルファードとの差別化が明確に図られており、これによって中国において今まで立ち位置が曖昧だった状況も解消されることとなるでしょう。
また、新型アルファード/ヴェルファイアのパワートレインは現時点でガソリン車(前者が2AR-FE型2.5リッター直列4気筒、後者がT24A-FTS型2.4リッター直列4気筒ターボ)と、ハイブリッド車(両者ともにA25A-FXS型2.5リッター直列4気筒)のみですが、今後はプラグインハイブリッド(PHEV)モデルも投入予定としています。
これは電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車の高級ミニバンが中国で台頭していることへのトヨタのアンサーと解釈できます。
■中国では2000万円超えか? 1年残価率「122.96%」ってどういうこと?
中国向け新型クラウンヴェルファイアは現時点でハイブリッドのみ、グレードは89万9000元(邦貨換算:約1773万7000円)の「至尊版」と90万9000元(約1793万4000円)の「至尊行政版」を基本としています。
先代モデルが83万9000元(約1655万4000円)から販売されていたことを考慮すると少しの値上げとなっていますが、先代と比べてコンセプトが明確になったことで、中国でもより売りやすくなることでしょう。
ただ、これはあくまでメーカー希望小売価格の話で、実際に購入者が支払う額はこれよりも大幅に高くなります。
優先的に納車を希望する人はさらに多くの金額を払い、その額は100万元(約2000万円)を超えることも珍しくはありません。
また、リセールバリューも非常に優れており、アルファードの5年後残価率は87.84%、ヴェルファイアでも71.83%と中国の中古車掲載サイト「二手車之家」で紹介されています。
ちなみにアルファードの1年後残価率は122.96%という脅威的な数字になっていますが、これは未登録新古車が150万元(約3000万円)近い値段で販売されていることに起因します。
アルファード/ヴェルファイアは輸入車であることに加えて超人気モデルでもあるので、すぐに手に入れたいという人にとって未登録新古車が最良な選択肢となるわけなのです。
中国市場では「アルファード/クラウンヴェルファイア」のライバルとなる紅旗「HQ9」
中国では紅旗「HQ9」やジーカー「009」、トランプチ「M8」などに代表される中国メーカーの大型ミニバンがここ2、3年で急増しました。
これらの車種はアルファード/ヴェルファイアの2/3から半分ほどの価格設定で競争力を高めており、もはやアルファード/ヴェルファイア一強の時代は過去のものとなっています。
それでもアルファード/ヴェルファイアを求める声は依然として根強く、そういった「指名買い層」とそれ以外の層へどのようにアピールしていくかが肝心となります。
また、中国向けの新型アルファードは現時点で発表されていませんが、クラウンヴェルファイアと同様に投入されることは確実でしょう。
個人的には、アルファードの販売を担当する「広汽トヨタ」のお膝元で2023年11月に開催される広州モーターショー2023でなんらかの発表があるのではないかと予想します。
「高級ミニバン戦国時代」とも言える中国市場で、新世代のアルファード/ヴェルファイアがどのように受け入れられるか、注目です。
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