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えっ…! 車のライト「消せなくなった」!? オートライト「義務化」でヘッドライトは何が変わったのか

くるまのニュース / 2023年7月4日 11時10分

2020年4月以降に発表された新型車には、基準に合致したオートライト機能の設置が義務付けられました。以前のオートライトよりも厳密な基準が設けられています。どういった仕様なのでしょうか。

■あ、あぶない! 暗いのに「無灯火」で走るクルマを撲滅せよ!

 トンネル走行時や、夕方に周囲が暗くなるとクルマのライトが自動的に点灯する「オートライト機能」はこれまでもありましたが、2016年10月に発表された保安基準の改正にともない、2020年4月以降の新型車には搭載が「義務化」されました。

 そしてオートライト機能の搭載が義務化にあわせ、機能自体も進化したといいます。何が変わったのでしょうか。

 オートライト機能とは、走行中の車載センサーが周囲の明るさに反応し、自動的にヘッドライトを点灯もしくは消灯する機能のことです。

 オートライト機能が備わっていないクルマの場合は、ドライバーが判断してヘッドライトを点灯します。

 ただ、ドライバーが「なんとなく暗い」と判断する基準が様々なこともあって、夕方に辺りが暗くなっても無灯火に気づかず走るクルマもたびたび見かけます。

 オートライト機能の必要性が呼びかけられるようになったのは、日没が始まる17時台から19時台の夕暮れ時(薄暮の時間帯)に、走行中の死亡事故が多発していることからです。

 警察庁が発表した「時間帯別死亡事故件数」によると、2018年から2022年の4年間に発生した死亡事故1万4499件のうち、17時台から19時台が2750件で最も多く起きているといいます。

 月別では7月以降が増加傾向で、10月から12月にかけて最も多く発生するそうです。

 なかでも、ドライバーがヘッドライトをつけるかどうかの判断が委ねられている時間帯で、死亡事故を起こしたクルマが無灯火だったケースが多かったことも、義務化の理由として挙げられます。

 ところが、設置当初は決められたライト点灯の基準がなく、メーカーの判断がメインでした。

 例えば、2011年からすでにクルマのオートライトが義務化されているヨーロッパの輸入車や、一部の国産メーカーのクルマについては、夕方のライト点灯の必要性を特に意識した仕組みに設定されていました。

 例えば日産では、夕暮れ時に自動的に点灯する「薄暮れ感知機能」と、雨天でワイパーを使用した際に自動的にライトを点灯する「フロントワイパー連動機能」の技術を追加。

 これを「おもいやりライト機能」(インテリジェント オートライトシステム)と名付け、採用を進めていました。

 一方で、日没時にはスモールランプを点灯、その後、明らかに周囲が暗くなった段階で、ライト点灯機能が作動する設定の国産車もあり、同じオートライト機能でも設定に大きな違いがありました。

 また、あまりに明るい時間帯からヘッドライトを点灯することに抵抗があるドライバーが、オートライトの機能自体を自己判断でオフにするケースもあり、せっかくのオートライト機能がうまく使えていない事実も心配されていました。

■2020年4月に義務化された「オートライト機能」の違いとは

 2020年4月以降の新型車に義務化されたオートライト機能は、新しく設けられた保安基準により、以前の機能と大幅に異なるものになりました。

 大きなポイントは「手動でオートライト機能を解除することができない」点です。

 ドライバーが自己判断のもと手動でオートライトを解除できなくなったことで、クルマの設定が一様に適用されるようになりました。

オートライト義務化にともない「オフ機能」が無くなったヘッドライトスイッチの例オートライト義務化にともない「オフ機能」が無くなったヘッドライトスイッチの例

 ライト点灯時の周囲の明るさは「1000ルクス未満」と数字で定められています。

 これは、まわりのクルマのブレーキランプの点灯や、信号が周囲から目立ち始める明るさであることがわかっています。

 また、点灯時の応答時間は2秒以内と義務付けられており、センサーが「基準より暗い」と、判断した直後にはライトが点灯するレベルの素早さです。

 消灯は、周囲の明るさが7000ルクス以上になったとき、応答は5秒以上300秒(5分)以内に消灯と決められています。

 そのため、日中でも天候によって外が暗いときは、安全のためにライト点灯が継続されます。

 オートライト機能の一番のメリットは、薄暗くなり始めた夕方に自動的にライトが点灯することで、まわりのクルマだけでなく、バイク、自転車、歩行者に対してクルマの存在を知らせることができることで、同時に事故防止につながることです。

 また、ライトはエンジンを切ると自動的に解除されるため、消し忘れによるバッテリーあがりの心配がなくなります。

 暗所においてエンジンをかけた状態で駐停車する際に、ライトオフができない点はデメリットといえるかもしれません。

 新型車のヘッドライトスイッチには「OFF」ポジションが廃止されていますが、消灯は可能です。

 トヨタ「ヤリス」の取扱い説明書には「消灯のしかた」の項目があり、ポジションを「AUTO」から「スモールランプ」に回し、そのまま1秒以上保持すると、ヘッドランプ・スモールランプが消灯するとあります。

 ただし周囲が暗いときにはLEDデイライトのみそのまま保持されるので、完全消灯はしません。

 メーカーや車種によっても設定は異なるので、詳しくは各モデルの取扱い説明書などを確認しましょう。

※ ※ ※

 2020年4月以降に発表された新型車には、基準に合致したオートライト機能の設置が義務付けられましたが、それ以前クルマも引き続き多く走っています。

 そのため、夕方の早めのライト点灯を促進する「トワイライト・オン運動」「ライト・オン運動」「おもいやりライト運動」などの名称で、夕方のクルマの事故に備えた呼びかけが今も広く行われています。

 警視庁では、夕方のヘッドライト点灯時刻の目安について、日没より1時間前を推奨しています。

 例えば11月から1月は16時00分、2月は16時20分、3月は17時00分といった具合。

 一方、日が長い5月から7月は18時00分で、8月が17時30分、9月17時00分、10月が16時30分という目安です。

 もちろん大雨や雪といった悪天候時にはこの時刻に限らず、できるだけ早いヘッドライトの点灯が安心です。

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