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なぜ街中のパトカーは「トヨタ車」多い? 白黒クラウン率高し! 採用例が多い理由とは

くるまのニュース / 2023年7月7日 9時10分

様々な種類が存在する警察車両ですが、中でもトヨタ「クラウン」は最もよく見かける車種といえます。なぜトヨタ車が多く採用されているのでしょうか。

■なぜパトカーのトヨタ車率は高いのか?

 街にはさまざまな種類のパトカーが走っています。
 
 その中でも、トヨタ「クラウン」は最もよく見かける車種といえますが、なぜトヨタ車が多く採用されているのでしょうか。

 街の交通を見ていると、さまざまな車種のパトカーが走っていますが、実はパトカーはその業務内容・目的によって「無線警ら車」や「交通取締用四輪車」、「小型警ら車(ミニパトカー)」などの種類に分類されます。

 無線警ら車は主にパトロールや事件・事故の対応に当たるもので、交通取締用四輪車はその名称のとおり、交通取り締まりをメインで行います。

 これらのパトカーは事件の犯人や交通違反者の追跡などに使用することもあるため、機動力の高いトヨタ「クラウン」やスバル「レガシィ」などが採用されています。

 その一方、交番や駐在所などに配置されているパトカーは小型警ら車であり、トヨタ「パッソ」、日産「マーチ」、スズキ「ソリオ」や「スイフト」といった小回りのきくコンパクトカーを使用することが一般的です。

 そもそもパトカーの調達方法については、警察庁が国費で購入するケースと各都道府県が必要に応じて購入するケース、そして一般の人から寄贈されるケースの3つに分けられます。

 以前、栃木県警にレクサス「LC500」や日産「GT-R」といった高級車が寄贈されて話題になりましたが、パトカーの寄贈はレアケースであり、ほとんどは警察庁や都道府県が調達した車両です。

 警察庁はパトカーを一括購入して全国の警察に必要に応じて振り分けるのに対し、各都道府県ではそれぞれが独自でパトカーを購入するため、車種にバラつきが生じる場合があるほか、購入台数は警察庁より少なくなります。

 警察庁が警察車両の購入や点検費用などを掲載した「令和4年度行政事業レビューシート」という資料によると、かかった費用の支出先の上位3位をトヨタが占めています。

2020年9月に栃木県警に警察車両として寄贈されたレクサス「LC500」(写真:栃木県警)2020年9月に栃木県警に警察車両として寄贈されたレクサス「LC500」(写真:栃木県警)

 街中でもクラウンパトカーをよく見かけますが、なぜトヨタ車が多いのでしょうか。

 前述の資料によると、支出先1位の内容は「交通取締用四輪車の購入」、2位は「無線警ら車の購入」、3位が「交通取締用四輪車(反転警光灯)等の購入」という結果でした。

 つまり、トヨタが交通取締用四輪車や無線警ら車のほか、パトカーに取り付ける赤色ランプなどの設備の製造を請け負ったことになります。

 このようにトヨタがパトカーの製造を担当しているのは、多数ある自動車企業の中でも、「パトカーづくりのノウハウが高いため」といえるでしょう。

■パトカーに求められる条件は? 「なぜトヨタが多い?」公式回答はいかに

 たとえば、無線警ら車に関しては、4ドアのセダンタイプであること、排気量が2500cc級以上であること、座席にビニールレザーなど耐水性、耐久性の高い素材を使用することなどの条件を満たさなければいけません。

 色々な条件が設けられているのは、パトカーのルーフに30kg程度の昇降機能が付いた警光灯を設置することに加え、複数の警察官や防弾盾などの資機材を積んだまま緊急走行する場面も多くあり、排気量や最高出力、耐久性などの面で高いスペックが求められるためです。

 さらに、あらゆる装備を搭載した状態でクルマにどのような影響があるかを検証する必要もあります。

俗に「覆面パトカー」と呼ばれるモデルでもトヨタ「クラウン」が採用されているケースが多い俗に「覆面パトカー」と呼ばれるモデルでもトヨタ「クラウン」が採用されているケースが多い

 実際に過去の「第6回 警察庁会計業務検討会議 議事概要」にて、他社に比べてトヨタの採用が多い理由について触れており、以下の内容が述べられていました。

「各自動車メーカーの考え方もあると思うが、対応できる車種があっても、モデルチェンジのタイミング、架装メーカーの空き具合、台数の不足等で対応ができないことがあるのではないか。

また、パトカー等の場合は非常に架装が多く、それを積載することにより車にどのような影響を与えるかなどの検証も必要となる。

 さらに、モデルチェンジをすると、警察用車両の過酷な運用に支障がないようにするための研究も必要となる。

 それらのタイミングで仕様に沿った車を製造できるかどうかは、各自動車メーカーの判断であり、対応できる車種があるからといって、必ずしも応札してもらえるものではないと思われる」(議事概要 一部引用)

※ ※ ※

 このようにトヨタには前述の条件を満たすことができるという理由から、パトカーに多く採用されているものとみられます。

 そのほか交番や駐在所などで使用されるミニパトカーについては、交通取締用四輪車や無線警ら車ほど高い条件を求められないこともあり、他の自動車企業のパトカーが多く採用されています。

 パトカーには交通取締用四輪車や無線警ら車などの種類があり、現在これらの多くはトヨタが製造しています。

 2022年7月には、パトカーの代表格ともいえるクラウンのフルモデルチェンジが発表されましたが、今後パトカーとして導入されるのか否かが注目されます。

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