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車の「オーバーヒート」なぜ起こる? 「経年車」では“他人事”じゃない! トラブル発生時の対処法は?

くるまのニュース / 2023年7月4日 14時10分

クルマにとっても過酷な夏は、エンジンの冷却が機能しなくなるオーバーヒートも増加します。どのように対策すれば良いのでしょうか。

■夏場は「オーバーヒート」しやすい? 原因は?

 真夏は、人だけでなくクルマにとっても過酷な状況で、メンテナンスを怠ると走行不能状態のオーバーヒートにつながります。オーバーヒートを起こすと、最悪の場合クルマの制御が困難になり大事故につながりかねません。

 クルマのパーツで一番高温になるのが、燃料を燃焼・爆発させているエンジンです。

 オーバーヒートは、エンジン内部が適正状態よりも高温になる現象のことで、各パーツが限界温度を超えて歪んでしまうことなどから、様々なトラブルが引き起こされることをいいます。

 新車はあまりオーバーヒートについて心配する必要はないのですが、年式がある程度経過したクルマなどはこまめなメンテナンスを怠っているとオーバーヒートする可能性は十分に考えられます。

 夏場は道路も熱いうえに、クルマ自体も熱を放出するとともにエンジンの負荷となるエアコンを作動させることから高温になりやすく、オーバーヒートを引き起こすリスクが高いといえます。

 特に、渋滞時などはラジエーターが走行風を受けず、エンジンが熱を持ちやすい状態になっているため、より一層注意が必要です。

 オーバーヒートの症状としては、アクセルを踏んでもいつものようにスピードが上昇しないなどの違和感や焦げたような異臭、エンジン内部パーツがダメージを受けている場合は普段聞いたことのない異音が聞こえるなどの症状があります。

 そのような危険なトラブルとなるオーバーヒートですが、どのような原因で発生するのでしょうか。自動車整備工場の整備士は次のように話します。

「オーバーヒートが起きる場合、エンジン単体が直接高温になることはあまりありません。

 よくある原因としては、エンジンを冷却する水回り系統に故障が起き、正しく作動しない場合や、冷却のためのファンが故障しているなどがあります。

 このように、オーバーヒートはエンジン周辺の補機と呼ばれる付随パーツの異常から発生することが多いため、様々な箇所を点検する必要があり、注意が必要です」

 補機のなかでもエンジンを冷却しているパーツは主にラジエーターやラジエーターファン、ウォーターポンプなどがあります。

 ラジエーターはエンジンとホースで接続されており、冷却水が満たされた回路になっています。冷却水をウォーターポンプによって循環させ、ラジエーターの細かい金属フィンに走行風が当たることで熱交換がなされる仕組みになっています。

 一方で、経年劣化によってラジエーターホースが裂けてしまったり、ウォーターポンプが動作しない、ラジエーターに亀裂が入って冷却水の漏れが生じるなどのトラブルがあればエンジンを十分冷やすことができず、結果としてオーバーヒートにつながります。

 そのほか、エンジンオイルが規定量入っていないことでもオーバーヒートを発生させるリスクが高まります。

 最悪の場合、エンジン内部の金属パーツが変形して大きな損傷が発生したり、高温によってエンジンオイルの油膜が切れてしまうことによる焼き付きなどが発生し、エンジン自体を交換しなければならないこともあるので、十分注意したいトラブルのひとつといえます。

■オーバーヒートしたらどうする?

 では、クルマの運転時にオーバーヒートを起こした場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。前出の整備士は次のように話します。

「エンジンがオーバーヒートしたら、もし温度が下がってもエンジンをかけないようにしてください。

 一度オーバーヒートを起こすと、エンジンに何かしらの異常が発生している可能性があります。そのため、クルマを動かさずにレッカーを手配することを推奨します」

経年車ではこまめな点検を経年車ではこまめな点検を

 もし、異音や異臭を感じた場合はオーバーヒートだけでなく様々なトラブルの可能性があります。これらの症状に加え、エンジン水温計が振り切っていたり、水温警告灯が点灯したりする場合はオーバーヒートの可能性が高いです。

 こうした状況の場合、まずはハザードを点灯させて路肩に寄せるなど、交通状況に応じて焦らずに安全な場所にクルマを停止させましょう。

 エンジン停止後はボンネットを開け、風を取り入れて冷却するとともに、ファンが回っているか、冷却水が漏れていたり吹き出していたりしないかを点検します。

 ファンが停止していたり、冷却水が吹き出していたりする場合はただちにエンジンを止めますが、このような症状がない場合はエンジンをかけたままにし、冷却水の循環を促します。

 なお、AC(エアコン)スイッチをオフにして暖房を最高温度・最大風量に設定することで、水温を素早く下げられることがあります。

 一方で、停止後に水温が下がってきても、そもそも冷却系統が異常をきたしていたり、エンジンに熱のダメージが加わったことには変わりないので、整備工場での点検は必須です。

 ではオーバーヒートを予防するためには、どのようなメンテナンスをすれば良いのでしょうか。

 まずは、冷却系統の要である冷却水やエンジンオイルが規定量入っているか確認しましょう。

 冷却水やエンジンオイルが減っている場合は補充しますが、通常であればこれらが大幅に減ることはないので、極端に減っている場合はどこかで漏れている可能性が高いです。

 冷却水などの漏れは、クルマの下回りや駐車場の地面を見るとわかりやすいのですが、近年では燃費対策などにより下部にアンダーカバーが装着されていることもあり確認が難しくなっています。

 チェックをして、冷却水やオイルが極端に減っているようであれば、できるだけ早く近くの整備工場で点検してもらいましょう。

 また、普段からメーター内にある水温計に注意を払っておけば、最悪の事態を避けられる可能性が高いです。

 ただし、事前に点検してもラジエーターの電動ファンが突発的に作動しなくなるなど、急な冷却系統の不具合でオーバーヒートになることは十分に考えられます。

 トラブル時に慌てないように、各種警告灯の種類や日常点検、対処の仕方を確認しておくとよいでしょう。

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