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「免許不要」で乗れる? 新「特定原付モデル」初公開! 道交法改正で生まれた“新たなモビリティ”とは

くるまのニュース / 2023年7月3日 16時40分

ホンダ発のベンチャー企業「ストリーモ」が、特定原付モデル「S01JT」を初公開しました。新たに登場した特定原付とはどのような場所で乗れる乗り物なのでしょうか。

■“特定原付”の「S01JT」が初公開

 ホンダの新事業創出プロジェクト「IGNITION」発のベンチャー企業「ストリーモ」が、特定原付モデル「S01JT」を都内で初公開しました。

 ストリーモは、S01JTについて「A NEW Mobility Sandard」(自分のペースで移動できる立ち乗り三輪モビリティ)という表現を使っています。

 サイズは、全長1090mm×全幅500mm×全高1180mm。最低地上高は90mm、ステップの高さが150mm、ハンドルの高さがハンドルの中心までで1170mmで重量は24kgです。

 駆動方式は前輪駆動で、モーターの定格出力が430W、システム電圧は36Vを使用します。

 バッテリーはリチウムイオン電池でハンドルの前部に搭載し、脱着が可能。容量は468Wh(36V/13Ah)で、満充電まで約3.5時間かかります。航続距離は加減速を伴う実用の状態で約30kmというスペックです。

 そして、「S01JT」は特定原付に対応します。

 特定原付とは、特定小型原動機付自転車のことで、警察庁がこうした略称を用いています。2023年7月1日の「道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)」の施行に伴って新しく生まれた車両区分です。

 車体の長さが190cm以下、幅が60cm以下で、車体の構造が定格出力0.6kW以下の電動機を用い、最高速度は20km/h以下としています。

 道路交通法では、特定原付は16歳以上であれば運転免許は不要で、ヘルメット着用が努力義務となります。

 だだし、特定原付専用のナンバープレートの取得と、自賠責保険の加入は義務です。

 また、「特定原付」は電動キックボードのような形状だけではなく、自転車のような形状の二輪車や、ストリーモのような三輪車など、様々な選択肢が想定されています。

 その上で、ユーザーにとって注意すべきは、今回の法改正によってすべての「原付」が規制緩和によって「特定原付」になったのではない、という点です。

 これまでの原付は2023年7月1日以降も、「一般原付」としてこれまでのルール通りに継続します。

 そのため、ストリーモでは、「特定原付」に対応した「S01JT」(税込30万円)と、「一般原付(第一種)」対応の「S01JG」(税込30万5000円)を併売します。

 ストリーモ購入希望者は、これら2つの利用方法について十分な理解をする必要があると思います。

 例えば、「一般原付」が走行できる場所は公道だと車道のみですが、「特定原付」は車道に加えて自転車道、普通自転車専用通行帯、そして走行可能な標識のある一方通行路などを走ることができます。

 そのほか、罰則規定など詳しいことは警察庁のウェブサイトで確認するようにしてください。

■特例特定原付なら一部の歩道も走れる?

 さらに、「特定原付」では、道路運送車両の保安基準としての対応装備を持つ場合、一部の歩道でも走行できるのが特徴です。

 これを「特例特定原付」と、警察庁は呼んでいます。

仮設ギャップも安定して乗り越えられた仮設ギャップも安定して乗り越えられた

 最高時速を6km/h以下に抑え、走行中に緑色のランプが点滅し続けるといった装備が必要です。

 そうした「特例特定原付」としての性能も含めて今回、ストリーモ「S01JT」に試乗してみました。

 まず驚いたのは、車体が完全に止まっている状態での安定性です。駆動輪であるフロントが一輪で、リアが二輪の三輪車という基本構造なので、見た目からも電動キックボードに比べれば倒れにくいというイメージを持つのは当然です。

 ところが「S01JT」は、独自の直立安定システムを採用しているため、停止状態で両足を車体に載せてハンドルを左右に大きく切ったり、または身体全体を大きく左右に振ったりしても、ころんと倒れてしまいそうな気配がありません。

 これは、クルマ、バイク、自転車など一般的な乗り物でいうところの直進安定性とか、コーナーリング中の安定感といった感覚とはまったく違うものといえるでしょう。

 そのため、「特例特定原付」としての最高速度6km/hに制御する「モードP」でも、まったくふらつくことがなく、実に安心して走行できます。

 また、バック走行も可能なので、停止状態からの急転回も苦になりませんでした。

 速度設定は最高速度12km/hの「モード1」と最高速度20km/hの「モード2」がありますが、いずれのモードもアクセル操作に対する最初の加速がとても滑らかなセッティングとなっています。

 それでも、速度の伸び感が十分にあり、坂道で試乗してもスイスイ走ります。ストリートが公開したデータによると、登坂能力は75kg乗車時で、最大発進可能勾配が17.5%、また最大登坂可能勾配が21%としています。加えて坂道発進機能が標準装備です。

 スラローム走行でも車体の安定性がすこぶる良く、路面の仮設ギャップもサスペンション効果によって路面からの衝撃を十分に抑えてくれます。視線もぶれず、乗車の姿勢の崩れも少なく、安心感が高いと感じました。

 ストリーモは2023年7月上旬から、二次抽選予約を同社サイト内で行います。対象台数は、特定原付モデルの「S01JT」が250台、また一般原付モデルの「S01JG」が50台と控えめな数字です。

 一次抽選予約は、予約開始48時間で1200件を超える応募があったといいますから、二次抽選も多数の応募があることが予想されます。

 ストリーモは今後、ベンチャーキャピタルを主体とする追加出資の状況を十分に考慮しながら、より多くの数を生産する事業計画へと発展さえていく方針です。

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