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なぜ日産には「小型ミニバン」存在しない? トヨタ・ホンダでは爆売れなのに… 販売店からは切望も、登場しない理由とは

くるまのニュース / 2023年7月11日 7時10分

トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」といったコンパクトミニバンが安定した支持を集めるなか、日産には対抗モデルが存在していません。日産の動向について紹介します。

■実は過去に検討されていた説も!? 日産の「コンパクトミニバン」計画とは

 2023年7月6日、日本自動車販売協会連合会(自販連)が今年上半期の新車販売台数を発表し、3位にコンパクトミニバンのトヨタ「シエンタ」がランクインしました。
 
 デビュー7年が経過したライバルのホンダ「フリード」も11位に位置するなど、安定した人気を集め続けるカテゴリーですが、一方で競合の日産には、なぜか同クラスのモデルは存在していないのが現状です。

 クロスオーバーSUVの人気が高い現在ですが、実際の新車販売台数ランキングを見てみると、まだまだ実用性の高いクルマが上位を占めています。

 特に、全長4.3m弱のコンパクトミニバンは根強い人気を誇り、前出の通りシエンタやフリードが上位ランクの常連です。

 シエンタは2022年8月にフルモデルチェンジを果たした新型車ですが、フリードに至っては2016年9月デビューというロングセラーモデルとその根強い人気を示す一方で、大手メーカーのひとつである日産からは、現在このクラスの車両はリリースされていません。

 5ナンバーサイズのミニバンとしては、日産には「セレナ」が存在しますが、これは現在3ナンバーボディとなったトヨタ「ノア/ヴォクシー」やホンダ「ステップワゴン」と同等のミディアムクラスに属する全長4.7m級ミニバンです。

 それよりもコンパクトなクラスとなると、全長4.4m級で1.6リッターエンジンを搭載した背の高い「NV200バネット」に、3列ワゴンモデルが設定されているものの、簡素な商用車ベースということもあって、シエンタやフリードと同じ土俵に立っているかと問われると「微妙」と言わざるを得ません。

 日産でも過去には、ミニバンカテゴリーの元祖のひとつとされる1982年登場の「プレーリー」から続く血統を持つ、2004年登場のロールーフミニバン「ラフェスタ」という3列シート車も存在しました。

 ただラフェスタはセレナとプラットフォームを共有する関係もあり、全長は4.5m級とそこまでコンパクトというワケではありませんでした。

 強いて挙げるのであれば、コンパクトハイトワゴンの2代目「キューブ」をベースとして、ホイールベースを延長して3列シート化した、全長わずか4m弱という超コンパクトな「キューブキュービック」(2003年登場)が、シエンタやフリードに近い存在となっていました。

 しかし2008年、キューブが3代目にフルモデルチェンジを果たしたタイミングで、3列シート仕様のキューブキュービックは消滅し、後継車種も登場しませんでした。

 一説には当時、初代ラフェスタがフルモデルチェンジをするタイミングで、シエンタ/フリード対抗モデルを検討していたとも噂されていました。

 ただ、とある関係者の話によると、2008年頃に発生した世界的な金融危機、いわゆる「リーマンショック」の影響などもあって、計画が頓挫したといいます。

 それが事実だったかどうかは今となっては確認のしようもありませんが、結局マツダから「プレマシー」のOEM供給を受けて、2011年に2代目「ラフェスタハイウェイスター」が誕生。

 その後2018年には、後継車もないまま静かに姿を消しています。

■販売現場も悲痛な叫び! 常に「噂」が飛び交う日産の動向に期待

 日産からコンパクトなミニバンがリリースされるのを待望しているのは、なにもユーザーだけではありません。

 むしろ販売店側からも、待望する声が大きいようです。

日産がアセアン諸国などで展開するコンパクトミニバン「リヴィナ」は三菱からのOEMモデル日産がアセアン諸国などで展開するコンパクトミニバン「リヴィナ」は三菱からのOEMモデル

 首都圏にある日産販売店のスタッフは、「コンパクトな3列シート車を求められてしまうと、現状のラインナップではセレナのガソリンモデルをオススメするしかありません。

 しかし5ナンバーサイズに収まっているとはいえ、シエンタやフリードと比較すると大きいと言われてしまいます。

 2リッターまでの大きな排気量は要らないと言われてしまうと、太刀打ちできないのが現状です……」

 このように、苦しい胸の内を吐露していました。

 打開策はないのでしょうか。

 噂レベルで言えば、日産の主力コンパクトカー「ノート」の現行型(3代目)が登場した2021年頃、これをベースに3列スライドドアミニバンの派生モデルが出るという説が、しきりに聞かれていました。

 ただ、その3代目ノート登場から2年半ほどが経過した現在でも、噂の範疇を出ていません。

 日本国外に目を向けてみると、日産はアジア地域を中心に販売しているモデルとして、1.5リッターエンジンを搭載し、7人乗りの3列シートを備えた「リヴィナ」というモデルが存在しています。

 現行型は全長4.5m級で、ラフェスタ/ラフェスタハイウェイスターと同等のサイズ感です。

 初代は日産のオリジナルモデルでしたが、2019年から販売されている現行の2代目では、アライアンスを組んでいる三菱が東南アジアで製造・販売をしている「エクスパンダー」というモデルのOEM車となっています。

 このエクスパンダー/リヴィナは、リアドアがミニバンで定番のスライド式ではなく、ヒンジドアとなっているのが特徴です。

 日本国内で販売するのであればリアのスライドドアは必須アイテムとも言われており、仮にもしそのまま導入しても、どうなるかは不透明なところです。

 一方、真偽は不明ながら、エクスパンダー/リヴィナの次期型ではスライドドアの採用も検討しているという噂もあることから、国内導入に期待する声もあります。

 しかしメイン市場のアジア地域では、信頼性の高いヒンジドアの需要が高いともいい、実際どうなるかはまだまだ不透明といったところ。

 そもそもアジア地域などの日本国外に向けた企画で誕生し、製造も国外なため、それをわざわざ日本へ導入するというのも、あまり現実的ではないのかもしれません。

※ ※ ※

 このように様々な待望論はあるものの、現実的な話は今のところ全く出ていない日産のコンパクトミニバン。

 しかしシエンタやフリードの安定した販売状況などから見ても、需要は確実にあると思われます。

 新規モデルにせよ派生車種となるにせよ、登場を期待したいところです。

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