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“神出鬼没”の「移動式オービス」って何? どこにある? “ネズミ捕り”との違いとは

くるまのニュース / 2023年7月22日 10時10分

高速道路や道幅の広い国道などを走っていると目にするのが、速度超過を自動的に取り締まる装置、通称「オービス」です。そんなオービスには、大きく分けて「固定式」「半固定式」「移動式」の3種類があります。中でも近年登場した移動式オービスとは、どのような存在なのでしょうか。直近遭遇した珍しい方式も含め解説します。

■移動式オービスって何?

 車を運転する上で、交通違反で検挙されることは誰しも避けたいものです。一時停止、信号無視、追越しなどの違反は、少し気をつけるだけで簡単に無くすことができますが、難易度が高いのが速度超過の違反です。

■移動オービスのこれまで

 単に制限速度を守ればよいという人もいますが、運転を多くする人ほどそれがどれだけ難しいかを知っています。制限速度は道路によって異なるのはもちろん、制限速度が低すぎると感じる場所もあります。

 その結果、多くの車が制限速度をオーバーして走行する場所があったり、制限速度が形骸化してしまったりしている面も否定できません。とは言うものの速度超過は重大な事故に直結することも確かです。そこで、警察は様々な方法で速度違反を取り締まっています。

 運用開始から4ヶ月が経った8月には、愛知県内の23号バイパスにも設置され、この時初めて、予告標識(看板)を設置せずにおこなわれました。

 これ以降、全国的に幹線道路での運用も当たり前になり、2018年10月には都市高速道路初の運用が実施。現在では、毎週のように首都高速に設置されますし、新東名をはじめ全国の高速道路でも運用されています。

■ネズミ捕りとオービスの違い

 定置型で行われる速度超過の取締りは、大きく分けて通称“ネズミ捕り”と呼ばれる方式と、オービスでの取締りに分かれます。

 ネズミ捕りは、光電管やステルスレーダーなどの機器により計測担当の警察官が速度をチェックし、その先で待機している警察官が違反車を停止させ切符処理を行います。

 ネズミ捕りは切符処理を行うスペースと通常5人以上の警察官で行うことが多い取締り方法です。

 オービスは、速度違反自動取締装置とも呼ばれる機器で、速度計測と撮影と発光の機能をあわせ持っています。

 そのオービスの中で、街中でも運用されるのが移動式オービスです。移動式オービスは比較的新しい取締り方法で、まだ実機を目にしたことがないドライバーも多くいると思います。

 特徴としては、2名程度の警察官で運用でき、切符処理を行うスペースも不要です。

■移動式オービスとは

 現在、移動式オービスは3社4種類の機器が存在し、都道府県警ごとに導入機種が分かれています。

 どれもコンパクトで三脚に載せて使いますが、色や形が様々です。国内で一番多く運用されているのは、東京航空計器(株)社製のLSM-300と後継機のLSM-310です。形状は縦長の直方体で白色です。

 次に多いのがスウェーデンはセンシス社のMSSSです。形状は大福を半分に切ったような形で黒っぽい色をしています。ストロボと本体を別々の三脚にセットするセパレートタイプです。

 そして今年登場したのが、日本無線(株)社製のモデルです。形状は横長の直方体で白色です。

 これらの移動式オービスは、通学路や生活道路などの狭い場所から、幹線道路や高速道路まで様々な場所で運用されています。

 違反した運転手の元には、後日警察からの呼出状が郵送されてくる仕組みです。

■移動式オービスでネズミ捕りも?

 最初に移動式オービスとネズミ捕りは別なものと記載しましたが、「オービスガイド」を運営する筆者(大須賀克巳)が先日珍しい取締りに遭遇しました。

移動式オービスで行われたネズミ捕り(画像:オービスガイド)移動式オービスで行われたネズミ捕り(画像:オービスガイド)

 それはなんと、移動式オービスを利用したネズミ捕りです。移動式オービスで速度を計測し、その先の警察官が違反車を止めて処理を行っていました。

 念のため取締りの邪魔にならないようにオービス付近の警察官に確認しましたが、間違いありませんでした。さらに停止係の警察官に「この場で切符処理をするのですか?」と確認したところ、「する場合としない場合があります」と教えていただきました。

 それ以上は公務の邪魔になるので、このような方式をとる理由などは聞けませんでしたが、下記のような理由が予想されます。

・朝日がまぶしい時間帯で写真が上手く撮れない
・逆光でストロボ発光がわからない状況だった
・ナンバーが後方にしかないオートバイに対応する
・マスクをしているドライバーに対応する
・光電管よりも移動式オービスの方が、設置が簡単
・レーダー式機器を扱える無線免許を持った警察官が不在だった
・移動式オービスを使って成果を出す必要がある

 例えば、ストロボ発光がわからないと違反したことに気がつきません。後日呼出状が届いても運転手はいつのことかわからず認否確認でもめる可能性があります。また、マスクで顔が隠れていたり、写真がきちんと撮れなかったりした場合も同じくもめる可能性があります。

 そこで、違反車をその場で止めて切符処理をするか、違反したことを通告しているのかもしれません。また今度、走行車両が少ない場所で話を聞く機会があったら理由を確認したいと思います。

 交通事故を防ぎたいのはドライバーも警察官も同じ思いです。運転する時は、安全な速度で周囲に注意を払っていれば、事故も違反も減らせる上に珍しい取締りも発見できるかもしれません。

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