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日産の「コンパクトミニバン」が凄かった! 全長4m以下でも3列設定「狭くない?」 ド四角ボディモデルは意外と「買い」なのか

くるまのニュース / 2023年7月29日 10時10分

扱いやすいボディサイズと、3列目シートを備えた“コンパクトミニバン”は、ファミリー層を中心に人気で、トヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」が凌ぎを削っているジャンルです。現在日産には、3列シートのコンパクトモデルが有りませんが、2003年9月には2代目キューブをベースとした3列シート車、「キューブキュービック」をリリースしていました。

■日産の超カワイイコンパクトミニバン! 「キューブキュービック」とは

 扱いやすいボディサイズと、いざという時もう2名を乗せることができる3列目シートを備えた“コンパクトミニバン”は、ヤングファミリー層を中心に人気となっており、現在でもトヨタ「シエンタ」とホンダ「フリード」がガチンコのライバル関係で凌ぎを削っています。
 
 そんな中、現在は3列シートのコンパクトモデルを持たない日産は、新型「ノート」をベースとした3列シート車を追加するというウワサも出ており、三つ巴の様相を呈しています。
 
 しかし、日産にもコンパクトな3列シート車が全く存在しなかったワケではなく、2003年9月には2代目キューブをベースとした3列シート車、「キューブキュービック」をリリースしていたのです。

 英語で“立方体”を示す車名の通り、初代から一貫して四角いフォルムのボディを採用してきたキューブ。残念ながら2020年に3代目が終売し、現在は直接的な後継車種も存在しない状態となっていますが、その四角さを活かした3列シートモデルがキューブキュービックと言えるでしょう。

 一見すると通常のキューブとの違いはフロントグリルの形状のみにも見えるキューブキュービックですが、実は全長が170mmも延長されており、その延長分はすべてホイールベースの拡大に充てられています。

 これは言うまでもなく3列シートを備えるための室内空間拡大に寄与しており、それに合わせて延長されたリアドアは、3列目シートへのアクセスのしやすさにも寄与。また3列目シートは、ヘッドレストを外した後はストラップを引っ張るだけのワンアクションで出すことが可能なので、急に+2名を乗せることになっても安心という点も魅力でした。

 たださすがにライバル車のようにスライドドアは備えておらず、3列目シートもエマージェンシー用と言えるレベルのミニマムさとなってはいましたが、ベース車のキューブよりも長くなったホイールベースや増えた車重の影響もあって、走り味はドッシリと落ち着いたものになっているという嬉しい副産物もあったのです。

 搭載されるパワートレインはキューブと共通となり、当初は1.4リッターの直列4気筒エンジンに4速AT、もしくはCVTの組み合わせ。2005年5月のマイナーチェンジでは、キューブと同じく新たに1.5リッターモデルの追加と、キューブに設定されていた4WDモデル(e-4WD)がキューブキュービックにも追加されました。

 そんなキューブキュービックはキューブの派生車種ということもあって、キューブで人気となっていたオーテックジャパン(当時)が手掛けるカスタマイズカーがキューブキュービックにも設定されており、定番モデルの「ライダー」のほか、今考えると時代を大きく先取りした感もあるSUVテイストをプラスした「トラビス」なども設定されていました。

 これらのオーテック謹製のカスタマイズカーはキューブとキューブキュービック、どちらも同じ形状のフロントマスクを採用していたため、ただでさえ違いが区別しにくい2車種が、より判別しづらくなっていたのも面白いところでした。

 このように、キューブと同じ感覚で日常的に使うことできつつも、いざという時に7人乗車が可能というキューブキュービックは、比較的堅調なセールスを記録していましたが、ベースのキューブが3代目へフルモデルチェンジを果たした2008年11月のタイミングで消滅。

 3代目キューブは約12年という長いモデルライフを過ごしていましたが、結局3列シート仕様は追加されることなく、現在に至っています。

 当時はキューブに比べて15万円ほど高額だったキューブキュービックですが、現在中古車として流通している車両についてはほぼ価格差もなくなってきているので、ちょっと個性的なコンパクト3列シート車を探している人は候補に入れてみてもいいかもしれませんね。

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