ビッグモーターは「保険金不正請求」だけじゃない!? 店前街路樹に除草剤で被害届も! 20年前から行われた狂気の「環境整備点検」とは
くるまのニュース / 2023年7月28日 9時10分
昨今、保険金の不正請求問題が話題となっているビッグモーターですが、実は国や自治体が整備している街路樹を意図的に伐採または枯らしていたという問題が出ています。群馬県太田市では被害届も出ている状況です。
■保険金不正請求だけじゃなかった…店舗前の街路樹を伐採&枯らしていた…その真祖は?
様々な不正疑惑が報じられているビッグモーター。1年くらい前からくるまのニュースでも度々取り上げてきました。
最近では謝罪会見や国土交通省による聴取が行われたことでも話題となっていますが、違う部分でも話題となっています。
それが店舗前の街路樹を「意図的に伐採または枯らしているのではないか」という問題です。一体何が行われているのでしょうか。
群馬県太田市をはじめ、全国各地のビッグモーター店舗前でありえない事象が起こっていることがわかりました。
それは、店舗前にある街路樹が伐採されたり、植え込みのお花が除草剤で枯らされたりしている事実です。
群馬県太田市では国道354号線沿いの歩道に植えられていた街路樹17本が枯れており、現場には一時期、情報提供を求める看板が立てられていました。
まさにビッグモーターの店舗前ですが、県の土木事務所の調査によると土壌から除草剤の成分が検出されており県警に被害届を提出したとのこと。
他に名古屋市内でのビッグモーターでも、店の前に植えられた街路樹が不自然に枯れた事例が認められており、こちらも土壌の調査を検討しているそうです。
TwitterをはじめとしたSNSでは、Googleストリートビューの過去の写真と現在の写真を比較して投稿する例が続出しており、全国のビッグモーターで起こっていることがわかっています。
どの写真もビッグモーターができる前までは青々としていた街路樹がビッグモーター開店後はすっかり枯れてしまっています。
中には除草剤と推測できるオレンジ色の容器をもってまさに、店のスタッフらしき人が除草剤を撒いているところがGoogleストリートビューに写っている例もありました。
根元から完全に伐採されて、切り株のみ残っているような写真も目立ちます。
都内の店前の樹木が枯れかかっているように見える。とくに低樹木は変色している(撮影:筆者)
何のために除草剤を撒いて、木を枯らすようなとんでもないことをやっているのでしょうか。
筆者が取材をしたところ、何人かの元社員、現社員から同様の言葉が語られました。
「それは、環境整備点検の為なんです。
環境整備点検とはほぼ毎月1回、副社長が他の本部の役員などを率いて各店舗を回る恒例行事です。
主に、『店の掃除が行き届いているか?』などをチェックするのですが、項目は年々増えて内容も厳しくなっています。
減点されると、社員の査定や人事にも影響を及ぼしますが、中には挨拶の仕方が悪いとか、歩き方がおかしいとか、そんなことで『翌日から来なくていい』と言われ、事実上のクビ宣言が出されます。冗談ではないんです。
その環境整備点検では『店の前の歩道がきれいに掃き清められているか?』という項目があります。
直前まで綺麗にされていても、例えば副社長が店に入るときに風で枯れ葉や雑草などが飛んできたりすると、そこで大幅減点です。
そんなことになってはせっかくの社員の努力が報われません。
今思うと狂っているという印象ですが、枯葉が飛んできて店の前に落ちないように。
環境整備点検で『減点されないためにはどうすればいいか?』となった時に、枯葉のもとになる樹木そのものを切ってしまえばいい、という結論に至ったわけです」
※ ※ ※
なお、ビッグモーターでは街路樹を除草剤で枯らしている件について25日の社長会見で次のようにコメントしていました。
「甘い認識で除草剤を撒いたことでそれが緑地帯の樹木や街路樹に影響を与えてしまったのではないかと思います。
ただ10年くらい前の話だと思うので現時点ではそのような指導でいません」
その一方で、各自治体では街路樹などの状況調査に乗り出しており、ここ数日で実際にビックモーターの店舗周辺で枯れている街路樹が確認されているようです。
では、このような行為はいつから行われていたのでしょうか。
■街路樹の伐採は20年前から行われていた!? 衝撃内容を元社員が語った!
店の前の樹木伐採に関して、筆者に元社員から驚きの情報が届きました。
「落ち葉が1枚でも落ちていたり、雑草が1本でも生えていたりすると1日頑張ってきれいにしても、それだけでマイナスになります。
落ち葉なんて、風が吹けば一瞬で1枚くらいは落ちてくるわけです。自然現象ですから。
でも、ビッグモーターの環境整備点検では、そんなことは許されません。
それで社員が伐採したのでしょうね。もう今から20年くらい前になりますが、私たちも枝だけにするように指示されておりました。(2003年ごろ西日本のビッグモーター店)」
2003年といえば環境整備点検がスタートした頃に重なります。
除草剤問題がいまになって問題視されていますが、すでに20年前から行われていたことがわかりました。
公費で植えられている街路樹に対して自分たちの都合で「枝だけにするように指示」とはなかなか衝撃的です。
筆者が入手した「環境整備点検」
さらに別のビッグモーター元社員は次のように話していました。
「罪の意識はありませんでした。
店長の指示には逆らえないし、昔からやっているからって。
それがいけないことだとか、法に触れることだとか、誰も考えません。
『やめた方がいいんじゃないか?それは器物損壊罪になるんじゃないか?』思っていた社員がいないとは限りませんが、言い出せないでしょう。
環境整備点検で減点されたら『お前の責任だ!』なんて言われかねません。
環境整備点検の前日は遅くまで残って社員総出で徹夜で掃除ですよ」
※ ※ ※
にわかには信じられない行為ですが、ビッグモーターでは他にも多数の「常識ではありえない」ことがたくさん起こっています。
「国の法律より会社のルール」ビッグモーターはそんな会社です。
しかし、このようなありえないことも、社長副社長が交代し、兼重親子体制が完全に撤廃されれば変わってくる可能性もあります。
中古車販売やクルマの買い取り、車検、修理などあらゆる場で不正行為が行われ、中には100万円以上の損失に泣き寝入りしている一般被害者も多数存在します。
保険金不正請求で損保に賠償金を払うことも結構ですが、被害を受けた一般オーナーへの救済措置も考えるべきでしょう。
十分なフォローをすることが新生ビッグモーターの信用回復の第一歩になるからです。
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