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ヤマハの「和製スーパーカー」!? めちゃ速い&楽しそうな「スポーツライドコンセプト」! 市販化の可能性はどうなった?

くるまのニュース / 2023年8月6日 18時10分

「東京モーターショー2015」に出品された「YAMAHA SPORTS RIDE CONCEPT(ヤマハ スポーツライドコンセプト)」。バイクメーカーのヤマハが作り上げた独創的な4輪スポーツカーでした。その特徴はどのようなところにあったのでしょうか。

■ボート、バイクなどの要素を巧みに組み合わせたデザイン

 来たる未来やメーカーの方向性を示唆するコンセプトカーは、モーターショーの華といえる存在です。2023年は、JAPAN MOBILITY SHOW 2023と名前を変え、2023年10月26日から11月5日まで開催される予定ですが、過去の東京モーターショーにも今見ても魅力的なクルマが沢山ありました。

「東京モーターショー2015」で、ヤマハ(ヤマハ発動機)が出品した「YAMAHA SPORTS RIDE CONCEPT(ヤマハ スポーツライドコンセプト)」もそのうちの1台。

 バイクや船舶を手がける同社らしいコンセプトの4輪スポーツカーとして、大きな注目を集めました。

 ヤマハといえば世界に冠たるバイクメーカーであるだけでなく、船舶・スノーモビル・自転車など、様々なモビリティを製品化していることでも知られます。

 そのヤマハが自ら「もしヤマハが、スポーツカーを創ったら」というテーマで制作したSPORTS RIDE CONCEPTには、ディティールの細部に「ヤマハらしさ」が込められていました。

 バイクの特徴は、個々のパーツが組み合わさって外観が構築されていること。そこでSPORTS RIDE CONCEPTでも、クルマのように全体の塊からデザインするのではなく、バイクのように各部品に完成された造形を与えつつ全体を調和させた、「エレメンタリズム・デザイン」を採用しています。

 さらに個々のデザインを掘り下げて見ていくと、力強いフレームの存在を感じさせる造形のキャビン、ヤマハのフラッグシップスポーツバイク「YZF-R1」を思わせるフロントのLEDヘッドライト、ボートの先端部のようなフロントマスク、バイク的なセンターアップのマフラー、細いステーで持ち上げられたドアミラーなど、それぞれの要素にバイク・船舶メーカーであるヤマハらしいモチーフが見て取れます。

 そのコンセプトはインテリアでも一貫しており、ルーフ、左右ドア、フロアに透過素材を用いることでバイクのような臨場感を与えているほか、ドライバーの視界に入るステアリングホイール周辺のデザインも、左右対称なバイクのメーター周りをイメージ。特に、アルミとサドルブラウンの皮革、カーボンという異素材を多用したインテリアは珠玉の仕上がりで、極めて凝ったデザインと高品質なフィニッシュで造形されています。

 さらにフロントシート後方に設えられたトップケースの素材は、ルーツを同一とする楽器を手がけるヤマハ株式会社(楽器)の製品から着想を得たというカーリーメイプルを使用。表面はギターに多用される「サンバースト塗装」が施されており、ヤマハのアイデンティティを強く感じさせます。

■鬼才ゴードン・マーレーの設計をルーツに持つ、正統派スポーツカー

 バイクのようなエキサイティングな走りを楽しめることも、SPORTS RIDE CONCEPTのテーマ。そのためには、小さくて軽いことが重要です。

スペックだけを見れば”走り”の方も相当なモノスペックだけを見れば”走り”の方も相当なモノ

 そのためSPORTS RIDE CONCEPTの全長は4mを切る3900mm、全高は1120mmしかなく、車両重量はマツダ「ロードスター」より約250kgも軽い750kgに抑えられています。

 近年のスポーツカーで失われつつある、本当の意味での「ライト=軽さ」によって生まれるバイクのような身軽さもまた、ヤマハのこだわりのひとつでした。

 それを実現した要素のひとつが、軽量・高剛性な車両構造「iStream(アイストリーム)」。

 かつてF1で数々の名車を生み出した、鬼才ゴードン・マーレー率いるゴードンマーレー社が提唱するコンセプトで、鋼管パイプフレームとコンポジットパネル接着の組み合わせにより基本骨格を構築。用途に応じてスポーツカー、コミューター、SUVなどに展開が可能なシステムとされています。

 なおヤマハは、このiStreamコンセプトを用いた小型4輪車「MOTIV」を2013年に発表しています。

 ミッドに搭載されるエンジンは不明のままですが、小型軽量な車体から想像されるドライビングプレジャーは相当なものだったはずで、当然のようにSPORTS RIDE CONCEPTも市販化が期待されました。

 ヤマハは前述の「MOTIV」も含めて本気で4輪車市場に進出する予定だったため、今でもSPORTS RIDE CONCEPTを紹介する同社のページには「市販化に向けて開発中。お楽しみに」と書かれています。

 さらに「東京モーターショー2017」では、ピックアップトラックのコンセプトカー「CROSS HUB CONCEPT」も登場。SPORTS RIDE CONCEPTの生産もいよいよか、と思った矢先、2018年には「4輪事業への参入を凍結する」との発表を行っており、2023年現在でも続報は届いていません。

 しかし、これは中止ではなく凍結。SPORTS RIDE CONCEPTをはじめとしたヤマハの4輪車が市販される可能性はまだあるかもしれず、期待して待ちたいと思います。

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