なぜ「スライドドアの速度」変わる? トヨタ「アルヴェル」の「開閉が速くなる」アップデートとは 「1秒」の差が凄かった…
くるまのニュース / 2023年8月6日 19時10分
KINTOでは先代「アルファード/ヴェルファイア」に搭載されるスライドドアが進化する商品を開発しましたが、どのようなものなのでしょうか。
■スライドドアを速くするアップデートって何?痒いところに手が届く後付け機能とは?
ミニバンなどに採用される電動スライドドアですが、人によってはその開閉速度に不満を持つことがあるかもしれません。
今回、KINTOでは先代「アルファード/ヴェルファイア」に搭載されるスライドドアが進化する商品を開発しましたが、どのようなものなのでしょうか。
クルマの機能といえば工場出荷状態が基本であり、自分色に染めたい場合は、純正オプションパーツやアフターパーツを使ってカスタムしていくのが常套手段です。
純正ECUでコントロールするようなものは、アフターパーツでも機能性をアップできないものもあります。
しかし純正ECUのプログラミングを変更することで機能性アップできるパーツがありました。
トヨタとKINTOが取り扱う商品の中に「KINTO FACTORY」という、トヨタ・レクサス既販車のソフトウェア・ハードウェアを最新の状態に進化させるサービスです。
KINTOというと、トヨタやレクサスの車両を月々定額で所有できるサブスクリプションサービスを頭に思い描くかもしれません。
しかしそれだけでなく、機能向上サービスを提供するKINTO FACTORYや中古車販売を行う「KINTO ONE」、「モビリティマーケット」、旧車をレストアしてレンタカーとして貸し出す「Vintage Club」など多くの事業を行っています。
KINTO FACTORYでは経年劣化したシートや外装パーツを交換する「リフォーム」、クルマの基本性能を向上させる「アップグレード」、ドライバーに合わせてクルマを進化させる「パーソナライズ」という3本柱があります。
そうした中で2023年7月12日にKINTO FACTORYで新たに「アルファード/ヴェルファイア」のスライドドアが進化するプログラムが発表されました。
これは、先代のいわゆる30型アルファード・ヴェルファイア用パワースライドドア速度UPというアップグレードパーツです。
先代のいわゆる30型アルファード・ヴェルファイアにはグレードにより、電動で開閉するパワースライドドアが装備されています。
トヨタが使い勝手を考えて導き出した、スライドドアの開くスピードは約4.7秒。閉まるスピードは約6.3秒です。
何気なくパワースライドドアを開閉していますが、老若男女・子供やお年寄りが使うことも考えた結果のスピードだと言います。
しかし大人では若干遅く感じられ、もう少し速く開閉しないかなと思うことも多いでしょう。
お年寄りや速く開閉してしまうことによる子供の飛び出しなどを考慮すれば、この速度は絶妙かもしれません。
しかし雨の中の送迎や、荷物を両手にいっぱい持っている時。
タクシーやハイヤーなど乗る人が限られ安全も考慮できる場合においては、もう少し速く開閉してほしい。
そんなユーザーの声に応える形で、KINTO FACTORYでは「パワースライドドア速度UP」という商品を開発しました。
ディーラーに持ち込んで、ソフトウェアのリプログラミングを行うとあっという間にパワースライドドアの開閉速度がUPします。
開く方は施工前約4.7秒だったものが施工後約3.7秒、閉まる方は施工前約6.3秒が施工後約4.7秒となります。
わずか1秒と1.6秒ですが、その速さは思った以上に速くなります。
今回試しに車両の右側スライドドアに速度UPを施し、左側スライドドアは標準のままという状態にしてもらいました。
運転席にある開閉スイッチを同時に押すと一緒に動き出しますが、明らかに施工されたスライドドアが速く開閉します。
一旦この速い開閉を見てしまうと純正が遅く感じるほどの違いがあります。
■開閉が速くなると危なくないの? そこは純正クオリティだった?
開閉スピードが速くなることで「危険性が増してしまうのでは?」という懸念に対しても配慮されています。
開き始めるときと、閉まりきる直前は純正の速度と変わらないそうです。
つまり途中のスライドしているときの速さが速くなることで時間短縮を行っています。
開き始めや閉まりきるときは純正と同じということで、挟み込みなどの安全性を確保しているそうです。
もちろん万が一の挟み込みがあった場合は純正と同じように開閉のストップなどがしっかり行われます。
アップグレードしたことを示すステッカーを、スライドドアの注意表記のところに追加で貼ることで、車両を手放した場合でもわかるようになっているようです
またこのパーツだけでなく他のアップグレードパーツを組み込んだ場合でも、アップグレードステッカーも貼られます。
安全にも配慮しながらパワースライドドアの開閉速度がUPするこの商品は、両側とも速くすると1万9800円(税込・工賃込み)、助手席側だけ速くすると1万4300円(税込・工賃込み)でアップグレード可能です。
運転席側のスライドドアは標準のままで、助手席側のスライドドアだけ速くするということができるのは、選択肢が広がって良いかもしれません。
なおKINTO FACTORYの対象は「KINTOのサブスクサービスの契約車両」と「通常の購入方法で購入した車両(既販車)」となってます。
ココに違いが! 左右で開閉差を付けたスライドドア。閉まる隙間に違いが分かる!
アルファード・ヴェルファイア用にはこの他に、運転席側が手動のスライドドアのグレードに、後付け右側パワースライドドアという商品。
さらには、後付けブラインドスポットモニターという安全装備を追加する商品もあります。
現在トヨタ・レクサスの多くの車両に対して商品展開をしている最中だと言います。
今後もユーザーの反応を見ながら追加できる商品を開発していくそうなので「こんな機能が欲しい」というリクエストをしてみても良いかもしれません。
純正パーツを使い純正クオリティで機能がアップするという、アフターパーツにはない純正パーツだからこそできるアップデートです。
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