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クルマの屋根に付いてる「謎の黒い部分」何に使う? 最近少なくなってきた? めちゃ“開放感”ある“天窓”いつから存在するのか

くるまのニュース / 2023年8月13日 16時10分

街中で見かけるクルマの中で、屋根の一部分が黒くなっているものがまれに存在します。これは屋根の塗装ではなく「サンルーフ」と呼ばれる装備ですが、どのようなもので、どのような歴史や進化があるのでしょうか。

■「謎の天窓」その歴史は意外と浅い?

 街中で見かけるクルマの中で、屋根が黒くなっているような車両をまれに見かけることがありますが、ツートンカラーの車両のように屋根全体ではなく、一部分だけが黒くなっているものが存在します。
 
 これは屋根の塗装ではなく「サンルーフ」と呼ばれる装備であり、黒い部分はガラスや樹脂となっていて、屋根の部分にガラスパネルをはめ込むことで開放感を得ることができる、いわゆる“天窓”のようなものなのです。

 このサンルーフ、日本で初めて登場したのは1968年。ホンダの軽自動車「N360」に追加設定された「N360 サンルーフ」でしたが、当時はまだガラスや樹脂ではなく、布製のルーフを手動で開閉するという、今でいうキャンバストップのようなものでした。

 そして現代でも存在するような電動式のサンルーフとなると、初めて純正採用されたのはこちらもホンダの「プレリュード」(初代)で、1987年のこと。初期モデルは鉄板のルーフ開口部が電動でスライドするものでしたが、マイナーチェンジのタイミングで鉄板からガラスに変更され、より開放感を味わえるように進化しています。

 このように、意外と普及するようになってから日の浅い装備のサンルーフではありますが、時代の流れとともに様々な形状のものが存在しています。

 最もスタンダードなものは、初代プレリュードにも採用された横長の長方形の開口部を持つタイプですが、開閉部分も鉄板のものとガラス(もしくは樹脂)のものが存在し、開き方もスライドして広く開くタイプからサンルーフ後方がチルトアップするもの、ガラス自体を脱着するものなど様々で、動作も電動のものもあれば手動のものも存在しています。

 なおスライド式のサンルーフの場合、当然ながらスライドした先に格納できるスペースが必要となりますが、ルーフ長の短いスポーツカー(マツダRX-7やホンダCR-Xなど)はそのスペースがないため、ルーフの外側へスライドする“アウタースライド式”が採用されるケースもありました。

 ステーションワゴンやミニバンなど、ルーフ長の長い車両では、前後に長方形のサンルーフが備わるツインサンルーフ仕様のものや、大型で長方形に近いものなども登場していました。

 そのほか1980年代~90年代のワンボックスカーなどには、ルーフのサイド部分にまで回り込んだパノラマ式のサンルーフも登場すると、この時期は軽自動車からコンパクトカー、商用ワンボックスカーにまでサンルーフの設定がなされるなど、一大ブームとなったのです。

 しかしサンルーフは、オプション設定で10万円前後はしてしまう高額な装備であるほか、故障や雨漏りのリスクが増えることなどのネガティブな要素もあり、徐々に需要が縮小。その代わりに登場してきたのが固定式のガラスルーフでした。

■ガラスが白く変色!? 最近のサンルーフの進化とは

 ミニバンやステーションワゴン、SUVなどに採用されている固定式ガラスルーフは、開閉こそできないもののサンルーフ同様に圧倒的な開放感を得ることができる上、格納スペースを考慮しなくてもよいため、後部座席の上まで広い範囲をカバーできるというメリットがあります。

 もちろん開閉機構がないためコストも抑えられ、故障や雨漏りのリスクも抑えられるというメリットがあるほか、便宜上ガラスルーフと呼んではいるものの、近年では軽量な樹脂素材を採用している車種も多く、運動性能や燃費性能が大きく犠牲になることも少なくなってきたのも採用例が増えている理由と言えそうです。

トヨタ「ハリアー」ではガラスの透過率を変化させられる「調光パノラマルーフ」を設定しているトヨタ「ハリアー」ではガラスの透過率を変化させられる「調光パノラマルーフ」を設定している

 また単にガラスルーフといっても日々進化が続いており、現行型の「ハリアー」やレクサス「RZ」に設定されている「調光パノラマルーフ」は、スイッチひとつで透明な状態から障子のような半透明状態に瞬時に切り替えができるもの。

 さらにスイッチだけでなく音声認識でも切り替えができるほか、一般的な電動サンシェードも備えているため、状況に合わせて使い分けることができるように進化しているのです。

 最近では上級車種や輸入車以外では設定車種が少なくなってきてしまったサンルーフではありますが、一度体感してしまうともうサンルーフなしのクルマには戻れないと言われることも多い装備だけに、機会があったら皆さんも体感してみてはいかがでしょうか。

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