夏でも「スタッドレスタイヤ」履いたままだと“交通違反”に該当する!? タイヤ交換を怠った人が招く「悲惨なリスク」とは
くるまのニュース / 2023年8月21日 16時10分
冬場の運転時には必須となるスタッドレスタイヤですが、交換が面倒だったり忙しいなどの事情によって、まだスタッドレスタイヤを装着している人がいるかもしれません。夏季でもスタッドレスタイヤを履き続けると、一体どのようなリスクが考えられるのでしょうか。
■夏に「スタッドレスタイヤ」を装着してたら違法?
冬場の運転時には必須となるスタッドレスタイヤですが、地域によってだいたい3月から5月頃にはノーマルタイヤへと交換するのが一般的です。
しかし、タイヤ交換が面倒だったり、忙しくて時間が取れなかったりなどの事情によって、まだスタッドレスタイヤを装着している人もいるかもしれません。
もしそのままスタッドレスタイヤを履き続けると、一体どのような問題が起きるのでしょうか。
冬の雪道や凍結した道路をノーマルタイヤで走る行為は、道路交通法第70条の「安全運転の義務」に違反することになり、検挙される可能性があります。
ではその逆に、冬以外の時期にスタッドレスタイヤを履いていると違反になるのでしょうか。
実は、タイヤが消耗して溝が無くなっているなど、著しく劣化したタイヤを装着していない限りは、たとえ夏にスタッドレスタイヤを履き続けても法的には問題ありません。
ただし、溝が1.6mm未満の場合は保安基準を満たしておらず、整備不良に該当するため、道交法違反です。もちろん車検にも通りません。
この規定はスタッドレスタイヤに限らず、ノーマルタイヤやオールシーズンタイヤも同様で、規定以上に溝のあるタイヤへと交換しない限り公道を走ることはできません。
このように、法的には問題ない夏季でのスタッドレスタイヤの使用ですが、実際に走行する上でのリスクはないのでしょうか。
自動車ディーラーに勤める整備士に話を聞いたところ、以下の回答がありました。
「冬季以外にスタッドレスタイヤを履くことには様々なリスクやデメリットが考えられるため、推奨できるものではありません。
まず走行面でのリスクがあります。スタッドレスタイヤは雪道や凍った道でもスリップせず走行できるような工夫が施されている一方で、通常の乾いた路面や雨で濡れた路面の走行では高いグリップ性能を発揮できないため、とても最適とはいえないのです。
その分かりやすい例として『制動距離』が挙げられます。
スタッドレスタイヤは乾いた路面ではノーマルタイヤと比較してブレーキが効きにくいため、制動距離が長くなります。
また、スタッドレスタイヤは排水能力がノーマルタイヤより劣るため、雨で濡れた路面ではより滑りやすくなってしまうのです。
その他にも、スタッドレスタイヤはノーマルタイヤよりも柔らかいゴムを素材に使っているため消耗しやすく、夏の炎天下で走り続けて著しく消耗した末に、バースト(タイヤの破裂)を起こしてしまう危険性もあります(自動車ディーラーの整備士)」
■危険なうえに「意外な」デメリットも
夏にスタッドレスタイヤを履き続けることには交通安全上のリスクがあるということですが、それ以外にも維持費が増すというデメリットもあるそうです。
冬が終わったら、早めに「ノーマルタイヤ」への交換を検討しましょう(画像はイメージ)
先述のようにスタッドレスタイヤはノーマルタイヤよりも柔らかいため、夏タイヤなどと比べると接地面積が広くなります。
そして接地面積が広くなると、クルマを動かすのに余分なエネルギーが必要になるので、結果として10%程度「燃費が悪化」してしまうのです。
また、接地面積が大きいことによって夏タイヤと比べると騒音も大きくなり、快適性能も低下すると言われています。
冬季以外にスタッドレスタイヤを履き続ける行為は法的に問題ありませんが、安全と経済性、快適性において多くのデメリットが発生します。
スタッドレスタイヤ自体があくまでも雪や凍結した路面での走行を念頭に開発されたタイヤですので、それ以外の環境ではノーマルタイヤよりも制動力や排水面で性能が劣るのは仕方ありませんが、上手に使い分けることはユーザーの責任です。
現在まだスタッドレスタイヤを装着している人は、安全にクルマを走らせるためにも、時間を作って早めにノーマルタイヤへと交換することを検討してはいかがでしょうか。
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