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あなたは知ってる? トンネル非常口「謎の内部」 滑り台あることも…日常じゃ使わない意外な光景とは

くるまのニュース / 2023年9月16日 18時10分

トンネル内部にある「非常口」ですが、日常的にはその先を知ることはほとんどありません。果たしてその先はどうなっているのでしょうか。

■トンネルの非常口は、いざという時の脱出口。長くて大きいトンネルには絶対ある

 クルマなどでトンネルを走行中に目に入ってくる「緑色の非常口サイン」。
 
 日常的にはその先を知ることはほとんどありませんが、非常口の先はどうなっているのでしょうか。

 高速道路などのトンネルを走っていると、たまに非常口の標識を見かけます。

 しかし、標識は知っていても、実際に出口の先がどうなっているかを知らない人は多いのではないでしょうか。

 こうした非常口は、交通事故や火災、地震などの非常時にトンネルから脱出するためのものです。

 つまり、避難通路として設置されています。そのため、非常口を通ると安全を確保しながら外部へ出られます。
 
 それでは、この避難通路とはどのようになっているのでしょうか。
 
 実は、そのかたちは、トンネルの形状や地形などによりさまざまなのです。
 
 例えば、長いトンネルの場合、避難通路が避難用に作られた別のトンネルに繋がっていたり、反対側のトンネルに繋がっていたりすることもあります。

 あるいは、非常口から階段で地上に出たり、長い通路を歩き続けたりする通路もあるようです。

 しかも、全てのトンネルに非常口があるわけではありません。

 トンネル内で上下線が中央分離帯で分かれているのか、それとも隣り合っているのか、また、トンネルの長さにより非常口を設置する基準が決められているのです。

 そのため、一般的に言うと、関越自動車道の群馬県と新潟県を繋ぐ「関越トンネル」などの長くて大きいトンネルには非常口がありますが、短いトンネルには設けられていません。

 では、避難通路の内部はどうなっているのでしょうか。

 まず、基本的には周りが見えるように照明が完備されている他、進行方向がわかるように、路面には矢印が描かれており、誘導看板も設置されています。

 このように、スムーズにトンネル外に出られる工夫がこらされているので、指示に従って経路をたどれば、たとえ時間がかかるとしても必ず安全な場所へ着けます。

 そのため、地震や火災などが起きた場合は、自身の判断で非常口を開けて避難することができます。

 なお、非常時にトンネル内で緊急放送が流れたり、トンネル用信号機やトンネル警報板に情報が表示されたりすることがあるので、その際はもちろん非常口を利用することが大切です。

■トンネル内での緊急時にはどうしたらいい?

 それでは、実際にクルマを置いて避難する際には、どのようなことに注意するといいのでしょうか。

 まず、クルマは非常口付近を避けて停車します。貴重品は持ち、ドアをロックせず、キーも車内に残したままでクルマを離れることが大切。さらに、その後のために、クルマに連絡先を置いておくと理想的です。

 避難通路はトンネルにより異なりますが、いくつかのパターンがあります。そこで、特徴的な例をみてみましょう。

  長さ10キロにわたる関越トンネルでは、上り線と下り線の間に、やや小さな避難用トンネルが設けられています。

 こちらは人だけでなくクルマも退避できるようになっていて、電灯なども設置されています。

関越トンネルでは、上り線と下り線の間に避難用トンネルが設けられている関越トンネルでは、上り線と下り線の間に避難用トンネルが設けられている

 ちなみにこの避難用トンネルは、関越トンネルを建設する際に地質調査のために掘ったトンネルを転用したものです。

 一方、都心を通る高架線の高速道路では、非常口の先が非常階段になっており、そのまま地上に降りられます。

 そして、都心の地下を通る山手トンネルも、同じように非常階段から外に出られます。

 ただ、あまりに地上までの距離が長いため、非常階段の途中にはベンチを完備し、緊急電話も設置されています。

※ ※ ※

 トンネルでの避難方法については、首都高速道路などがホームページで詳しく説明しています。万一に備えて、いちど確認しておくと良いかもしれません。

■実際に非常口が使用されたケースはある? アクアラインには滑り台がある?なぜ?

 地下トンネルといえば、東京湾を横断する海底トンネルであるアクアラインではどうでしょうか。

 こちらの非常口は、車道の下、つまり、さらに海の底に設置された避難通路につながっています。

 この避難通路は「避難坑」と呼ばれており、強制的に風を送りこみ、火災などの煙が流れ込まないように工夫されています。

 しかも、非常口から通路までは、階段ではなく滑り台で降りる仕組みになっています。

 こうすることで、人々が押し合うことがなくなり、お年寄りから子どもまで安全に降りられるようになっています。滑り台は約300m毎にあります。

アクアライン専用仕様の消防車が存在するアクアライン専用仕様の消防車が存在する

 また、避難通路のサイズに合わせた専用の消防車や救急車も配備。

 非常時には、こうした専用車も救急活動のために通路の中を走ります。

 なお、普段の避難通路では、設備点検のために管理車両が走行しています。

 そして、実際にトンネルの非常口が使用されたケースについて、NEXCO東日本の担当者は次のように話します。

「2021年7月23日にアクアラインの避難坑が使用されました。

 アクアライン内で車両火災が発生し、数十人が避難坑を通り、繋がっている海ほたるPAに避難しました。

 避難坑が使用されたのはこの事例が初めてで普段はほとんど使用されることがありません」

※ ※ ※

 高速道路の非常口は、様々なかたちで避難通路につながっています。

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