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実は“日本一売れてる”!? トヨタ「ノア/ヴォクシー」なぜ“最強コスパ”? ライバルを寄せ付けない“理由”とは

くるまのニュース / 2023年8月23日 18時10分

近年の新車登録台数トップ常連といえば、普通車ではトヨタ「ヤリス」シリーズ、軽自動車では「N-BOX」です。しかし、少し見方を変えると、実質的にそれらよりも売れているクルマがあります。それがトヨタ「ノア/ヴォクシー」です。今回はそんなノア/ヴォクシーの魅力は何なのか、解説します。

■実質的に“日本一売れてるクルマ”とは

突然ですが、この6月にもっとも売れた(受注ではなく登録されてユーザーの手に渡った)新車の車種をご存じでしょうか。
 
新車登録台数の集計をしている日本自動車販売協会連合会(自販連)のデータを見ると、2023年6月に登録台数でトップに輝いたのはトヨタ「ヤリス」。1万7710台が販売されました。
 
ちなみにヤリスは2022年12月にわずか10台の差で身内の「カローラ」に首位を奪われたことを除けば、2022年5月以降はトップが定位置となっています。ただしヤリスの販売台数には5ドアハッチバックの「ヤリス」のほか、3ドアの「GRヤリス」とSUVの「ヤリスクロス」も含まれたものです。
 
なかには「真のナンバーワンはホンダ『N-BOX』ではないか?」と考える人もいるでしょう。
同車は軽自動車販売トップの常連であり、タイミングによっては全乗用車販売のナンバーワンとなることもあります。
 
しかし2023年6月の届け出台数は1万6040台とヤリスには届きませんでした(ただし、もし「ヤリスハッチバック」と「ヤリスクロス」を分けてカウントしていたらN-BOXのほうが多いカウントとなります)。

さて、ここからが本題です。

実は、少し見方を変えると、実質的にそれらよりも売れているクルマがあることに気が付きます。

それはトヨタのミディアムサイズミニバン「ノア」と「ヴォクシー」。6月の登録台数はそれぞれ1万31台と8739台で、単独ではヤリスをはじめ「カローラ」「シエンタ」「プリウス」などに届いていません。

しかしその2車種は同じボディを使う兄弟車であり、実質的には仕様違いながら同一のモデル。「ひとつのボディ」としてカウントすると1万8770台となり、それはヤリスシリーズ(3のボディの合計)やN-BOXを上回るもの。事実上、国内で最も売れた「車体」なのです。

実はこの傾向は6月だけでなく5月から続くもので、また2023年1月から6月の累計でも2車種を合計すれば首位となりました。

ノア/ヴォクシーはたくさんの注文を受け、多くの納車待ちが発生していることで知られています。そんななか、半導体など部品不足で生産台数に制約を受けていたトヨタの生産体制の回復基調が鮮明になったことで、生産台数が急拡大していると考えられます。

では、そんな人気ナンバーワン“ボディ”となっているノアとヴォクシーの魅力はどこにあるのでしょう。

■ノア/ヴォクシーは最強コスパ?

 まず言えるのは、扱いやすい外寸に抑えつつ3列目まで実用的な、絶妙な車体サイズでしょう。

トヨタ「ノア/ヴォクシー」はめちゃお財布に優しい?トヨタ「ノア/ヴォクシー」はめちゃお財布に優しい?

 いま、ミニバンの主力はトヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」などのコンパクトクラス、ノアやヴォクシーのようなミディアムサイズ、そして「アルファード」や「ヴェルファイア」などのラージサイズと3タイプに分かれています。

 コンパクトミニバンは運転しやすいですが、3列目は大人が快適に乗るにはスペース不足であり、いっぽうラージモデルは3列目までゆったりですが、車体が大きくて扱いにくいと判断するドライバーも少なくないでしょう。

 対してノアやヴォクシーであれば、居住性(室内の広さ)と車体の大きさのバランスが多くのユーザーにとって最適なのです。これは日産「セレナ」やホンダ「ステップワゴン」などライバルにも同じことが言えます。

 そのうえで、ライバルに対するアドバンテージとして、独自の装備や仕様で快適性を高めていることがノア/ヴォクシー人気の理由としてあげられるでしょう。

 たとえば7人乗りモデルでは、3列目を畳んだ状態で2列目シートの後方へのスライド量がライバルよりも多く、足元は飛行機のファーストクラス並みにゆったり。3列目使用時ではなく2列目の快適性を重視するユーザーにとっては、ライバルよりも魅力的に感じるのではないでしょうか。

 もちろん、ライバルもそれぞれ創意工夫して独自の装備や機能を盛り込み、ノアやヴォクシーに勝る部分を持っているのは間違いありません。しかし、公式ウェブサイトやカタログでユーザーに伝わりやすい、わかりやすい便利装備充実度ではノアやヴォクシーがライバルを一歩リードしていると感じます。

 また、先進装備の充実度でもノアとヴォクシーはライバルを抜きんでています。

 たとえば、メーカーオプションとはなりますが、後方から車両や自転車が接近していると安全のため開かない電動スライドドア(安心降車アシスト〔ドアオープン制御付き〕)は不注意によるアクシデントを防いでくれる心強い機能です。

 運転アシストとしても、高速道路における渋滞時(時速40キロ未満)にはハンドルから手を離しての運転を実現する「アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)」、いわゆるハンズオフ機能は高速道路の渋滞時の疲労を大きく軽減してくれる仕掛け。ライバルではセレナの最上級グレードのみ、ノアやヴォクシーよりもさらに対応速度域が高いより高機能のハンズオフ機能を標準装備していますが、そのグレードは約480万円と高価で気軽といえるものではありません。

 しかしノアやヴォクシーでは、「安心降車アシスト〔ドアオープン制御付き〕」などとのセットで13万4200円のオプションなので身近といえるでしょう。

 それら先進機能の充実度は、総合的に見るとライバルをリードしています。

 さらに、ガソリン高騰の今だからこそより強く気になる燃費もライバルを凌駕。ハイブリッドはもちろん、ガソリン車でもライバルを引き離す燃費水準を身に着けているのです。これもライバルに対するアドバンテージとなっているでしょう。

 加えて、バイヤーズガイド視点で見ても強い魅力があります。それは実質的にナビを標準装備していること。

 ノアのベーシックグレードの「X」を除けば画面サイズ8インチのディスプレイオーディオが標準装備されており、スマホを接続すればGoogle mapなどのナビアプリをカーナビとして活用できます。そのうえで、オプションや追加プランなど必要なく「コネクテットナビ」と呼ぶ通信型のカーナビを新車登録から5年間は無料で使うことが可能。すなわち、新車購入から5年間だけはカーナビがタダでついてくるのです。

 ライバルでは(一部上級グレードを除き)、市販品でも取り付け費を含めれば10万円以上、メーカーオプション品では20万円以上のナビを追加する必要があるので、ノアやヴォクシーはサイフに優しいというわけです。これも大きなポイントでしょう。

 なぜ、ノアやヴォクシーはそこまで多くの機能を搭載できたのでしょうか。

■なぜ、ノアやヴォクシーはこんなにコスパが高い?

 現行型ノア/ヴォクシーがデビューした際に開発者にインタビューしたところ「遅れてフルモデルチェンジするライバルに勝てるように、トヨタとしても最新のものを積極的に搭載したから」という答えが返ってきました。

トヨタ「ノア/ヴォクシー」にはとにかく魅力的なクルマを造ろうというどん欲な姿勢が見られるトヨタ「ノア/ヴォクシー」にはとにかく魅力的なクルマを造ろうというどん欲な姿勢が見られる

 たとえばハンズオフ機能や、接近車両があると開かないスライドドアは、ノアやヴォクシーのように普及帯のモデルではなくアルファードやヴェルファイアなど高価な上位モデルから搭載するのが一般的です。

 しかし、ノア/ヴォクシーではそのセオリーを無視して、「トヨタ初」として採用。しかも「それらを組み込むために最新の電子プラットフォームを搭載できるタイミングに新車開発スケジュールを合わせたので、新型のデビュー時期は当初の計画よりも半年ほど遅れた」といいます。

 また、ハイブリッドシステムも通常であればトヨタにおいて最新版はハイブリッド先駆者に敬意を払って「プリウス」にまず搭載し、追ってほかの車種に展開というのが一般的と思われがちです。

 しかし、新型ノア/ヴォクシーはそういった配慮はなく、「第5世代」と呼ぶ大幅進化版をプリウスに先駆けて初採用しました。

 そういった、ヒエラルキーや社内事情を気にせず、とにかく魅力的なクルマを造ろうというどん欲な姿勢が、高い商品性につながったのは間違いないでしょう。それが高い人気となって表れているのです。

 ところで生産の制約を反映した現在の新車登録台数は、人気をそのまま反映しているというよりも「作れた車両の数」という側面が通常よりも強くなっています。

 実は、セレナやステップワゴンも受注は好調といいます。しかし、ノア/ヴォクシーの受注はさらにその上をいっていること、加えてトヨタの生産が抜きんでていることで、現在の「登録が好調な状態」になっていると考えられます。

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