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えっ! トヨタ vs 日産の象徴「BC戦争」ってナニ!? もはや覚えている人も少ない? 「コロナ」vs「ブルーバード」熾烈な戦いとは

くるまのニュース / 2023年8月26日 20時10分

クルマには、とかくライバルがつきもの。中でも日産とトヨタの間で起こった「BC戦争」の激しさは、今でも語り草になっています。いったい、どんな戦いだったのでしょうか。

■えっ…! 当初は「日産の圧勝」だった!?

 クルマの世界では、ライバルの存在は無視できません。乗用車・商用車にかかわらず、ほとんどのクルマにはライバルが存在する、と言っても良いくらいです。
 
 その中で特に熾烈かつ有名なのは、中型セダン市場の代表車種だった日産「ブルーバード」とトヨタ「コロナ」の販売台数1位を巡る戦いです。ブルーバードの「B」と、コロナの「C」を取って「BC戦争」と呼ばれました。

 日産とトヨタの“BC戦争”には、序章があります。

 1955年に発売された小型車「ダットサン110型」を追撃すべく、1957年に発表された初代「トヨペット コロナ(T10型)」との戦いがそれです。

 ちなみにダットサン、トヨペットともに、かつて日産とトヨタが使用していたブランド名で、それぞれ1970年代から80年代にかけて、日産・トヨタブランドに統一されています。

 ダットサン110型はタクシーとしても好評を博していました。そのためタクシー業界からの声を受けた販売店サイドは、タクシーにも使える小型車の開発をトヨタに要請。初代コロナはこうして発売されたため、急ごしらえ感は否めませんでした。

 一方の日産は1957年にダットサン1000(210型)を、さらに1959年には追い打ちをかけるように初代ブルーバード(310系)を発売して圧勝。トヨタも負けじと打倒ブルーバードを目指し、2代目コロナ(T20型)を1960年に発表。いよいよ本格的なBC戦争が開始スタートしました。

 2代目コロナは、スマートなデザインや乗り心地の良さで評判を呼びましたが、当時の道路は未舗装が多く、タクシーで酷使されたことで耐久性やボディ剛性の弱さが明らかに。改良を繰り返すもブルーバードに及ぶことなく、再びコロナが敗北しました。

 初代ブルーバードは対米輸出も堅調で、記録的な販売台数を記録。日産はその勢いをキープしようと、1963年に2代目ブルーバード(410型)を売り出しました。

 世界的なデザイナーであるピニンファリーナがデザインしたヨーロッパ志向のデザインが自慢でしたが、テールに向かって下がっていくスタイルは日本市場では好まれず、肝心のデザインが仇となって販売は低迷。

 マイナーチェンジでスタイルの大幅改良を行うも、大きな効果は得られませんでした。

 ここでトヨタは勝負に出ます。敗戦から得た教訓を生かして3代目コロナ(T40/T50型)を開発しました。

 水平基調のスタイルと「アローライン」と称したスラントノーズを特徴とし、車体の大型化で居住性を向上。耐久性もアップし、高速道路時代の幕開けに合わせて高い走行性能をアピールしました。

 その結果、3代目コロナは大ヒットを記録。1965年にはついにブルーバードを抜いて国内販売台数1位に輝くまでに。ようやくトヨタはBC戦争を制したのでした。

 しかし日産も黙っておらず、1967年には3代目ブルーバード(510系)を発売しました。

「スーパーソニックライン」と呼ばれるシャープなボディラインを誇った3代目ブルーバードは、スポーティモデル「SSS(スリーエス)」や、ラリーへの参戦も後押しして人気を獲得。

 北米市場でも好調で、1973年までに約155万台が生産され、再びコロナに勝つことができました。

■ブルーバードの歴史で屈指の名車、「910型」でBC戦争に再勝利

 コロナとブルーバードの戦いでは、次第に大型化・大排気量・高級化も進行。1968年になると、コロナから上位車種の「コロナ・マークII(T60/T70型)」が派生しました。

 対する日産は、1971年登場の4代目ブルーバード(610型)で抑揚の大きな車体にフルモデルチェンジ。2リッター直6エンジンも搭載してユーザーの上流志向に応じ、車名も「ブルーバードU」として差別化を図りました。

27か月連続でクラス1位を獲得する大ヒット作となった日産 6代目「ブルーバード」(910型/ブルーバード セダン ターボ SSS-S)27か月連続でクラス1位を獲得する大ヒット作となった日産 6代目「ブルーバード」(910型/ブルーバード セダン ターボ SSS-S)

 しかしこの路線変更は成功せず、手堅いスタイルと設計でベストセラーカーの地位を得た5代目コロナ(T100/T110/T120型)の前に、ブルーバードは敗北を喫します。

 なおややこしいことに、大型化した4代目ブルーバードに代わり、従来のブルーバードのサイズ感を継ぐモデルは、1973年デビューの初代「バイオレット(710型)」が担っていました。

 1976年に発売を開始した5代目ブルーバード(車名からUが取れてブルーバードに復帰)も、直6エンジン版を設定するなどコンセプトに迷いが見られ、成績は芳しくありませんでした。

 そこで1979年登場の6代目ブルーバード(910型)では、3代目の510型のようなスマートなデザインに回帰。直6エンジンもドロップして本来のファミリーカーらしさを取り戻しました。

 大人気だった歌手の沢田研二氏をCMに起用するなどの話題性もあり大ヒット作となり、新車登録台数で27か月連続クラス首位を記録。久しぶりにBC戦争で日産を勝利に導きました。

 トヨタもこれに対抗します。

 1982年に生まれた7代目コロナ(T140型)では、おとなしめなファミリーカーというイメージを脱却して、スポーティさを強調しました。

 しかし翌年には前輪駆動(FF)を採用したFF版コロナ(8代目。T150/T160型)も発売。FRとFFを併売していたのは、当時のトヨタがFF化に慎重だったためです。

 その後もコロナとブルーバードはモデルチェンジを繰り返して競い合いを続けましたが、その中でブルーバードが最後の輝きを見せたのは、シンプルなスタイルと高性能エンジン搭載などで人気を得た、1987年登場の8代目(U12型)でした。

 しかしコロナ、ブルーバードともにイメージが古くなったことから、前者は11代目(コロナプレミオ、T210型)、後者は10代目(U14型)が、奇しくも同じ2001年に販売を終了。

 それぞれ「プレミオ」「ブルーバードシルフィ」へとバトンをつなぎましたが、ミニバンやSUVの台頭、セダン市場の事実上の消滅によって販売は大きく低迷。両車ともに2021年で国内販売を終えることとなりました。

※ ※ ※

 最近では、ミニバンやSUVなどの売れ筋市場において、幾多のモデルが火花を散らして販売台数を競っています。

 クルマは競い合うからこそ発展・進化を遂げるもの。今後もライバル車たちの戦いから目が離せません。

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