日産「スカイライン」次期モデルはどうなる? 最強「NISMO」登場も「全面刷新」はまだ?登場すべき新型の姿とは
くるまのニュース / 2023年8月24日 7時10分
日産から「スカイラインの集大成」として「スカイライン NISMO」が登場しましたが、全面刷新はされないのでしょうか。予想してみました。
■「スカイライン」今後はどうなる?
2023年8月8日、日産「スカイライン」に「NISMO」が限定モデルとして追加されました。しかし現行スカイライン(V37型)もデビューから11年。いつまでもこのまま作り続けるとは思えません。
果たしてスカイラインは今後どうなるのでしょうか。現時点で明確な情報はありませんが、いろんな方向性が考えられます。プランを予測してみました。
先日、V37型スカイラインに「400R」の高性能バージョンともいえる「スカイラインNISMO」が限定モデルとして追加されました。
その取材で感じたのは、複数の日産開発者が「V37型スカイラインの集大成」というキーワードを発していたことです。
「集大成」とは一般的に、「まとめあげたもの」を意味する言葉。
つまり「V37型スカイラインの集大成」といえば、「V37型スカイラインの完成形」とか「V37型スカイラインの最終進化形」と言い換えてもいいでしょう。
もちろん、日産は公式にV37型スカイラインの終了を宣言したわけでもありません。
また、今回の「スカイラインNISMO」のうち手組エンジンとなる100台限定の「NISMO Limited」は2024年夏の発売となるため、少なくともそれまではV37スカイラインの生産が終了することはないでしょう。
しかしV37型スカイラインもデビューから11年。いつまでもこのまま作り続けるとは思えません。
果たしてスカイラインは今後どうなるのでしょうか。
フルモデルチェンジをするのか、それとも大規模なマイナーチェンジを行うのか。それとも…。現時点で明確な情報はありませんが、いろんな方向性が考えられます。
モデルチェンジを考えた場合、ネックとなるのはプラットフォームでしょう。なぜならば、日産にとって新規の後輪駆動プラットフォームを作るのは難しい状況だからです。
フラッグシップセダン「フーガ」が終了した現在、日産が乗用車系のエンジン縦置き後輪駆動プラットフォームを使うモデルは、グローバルかつ上級ブランドである「インフィニティ」まで含めても、スカイライン(とそのインフィニティ版である「Q50」)のほか、クーペのインフィニティ「Q60」(日本未発売)、そして「フェアレディZ」だけしかないのです。
どれも“たくさん売れているモデル”と言えるほどの規模ではないので、それらの車種のために莫大な投資をして新規プラットフォームを開発するのが厳しいのは、想像に難くありません。
そうなると、V35型からV36型、そしてV37型へのモデルチェンジと同様に、プラットフォームは改良を施して熟成させつつモデルチェンジするやり方も考えられます。
さらに、最新のフェアレディZのように、ビッグマイナーチェンジでデザインと走りをリファインする方法も考えられるでしょう。
こちらはプラットフォーム刷新に比べるとハードルが低いので、まだ現実味があります。
■「クラウン クロスオーバー」のようになる可能性も?
いっぽうで、全く違う方法もあり得ます。それは、トヨタ「クラウン クロスオーバー」のパターンです。
2022年にクラウンがフルモデルチェンジし、新型シリーズのうちの1台である「クロスオーバー」は、メカニズムにもそれまでの伝統を打ち破る変化がありました。
ずっとこだわっていた「エンジン縦置きの後輪駆動(とそれベースの4WD)」から、全車とも「エンジン横置きの4WD」となったのです。
しかも後輪はすべての駆動力をモーターが生み出すタイプで、いうなれば「エンジン横置きで前輪駆動ベースの電動4WD」。
それまでもクラウンのオーナーからすると違和感しかないのかもしれませんが、いっぽうで市場からは好評なのはご存じのとおりです。
そんなクラウンの転身と同じ手法が、スカイラインにも使えるのではないでしょうか。
今後どう進化していくのか
パワートレインは、エンジンを排気量2リッターの4気筒可変圧縮ターボ(「エクストレイル」の1.5リッター直列3気筒エンジンよりひと回り大きい海外向け専用のVCターボで最高出力は約272ps)をベースとしたe-POWERとし、前後モーターの4WDとしたうえで、リアに多くのトルクを送る前後駆動力配分とすれば、「クラウン クロスオーバー RS」がそうであるように、FRらしいハンドリングを作ることは難しくありません。
思い切って、リアモーターだけとした後輪駆動だって考えられます(電気自動車「アリア」の「B9(FFモデル)」のフロントモーターは242psなのでこれを活用する手も)。
このドライブトレインであれば、プラットフォームはFF車用(4WDとしてリアモーターを組み込める設計としたタイプ)を活用できそうです。
北米向けのセダン「アルティマ」などと共同開発とし、アルティマは前輪駆動、スカイラインは後輪により多くのパワーを送る4WD、もしくは後輪駆動とすればいいでしょう。
そのプラットフォームはセダンに使うだけであれば採算的に厳しいかもしれませんが、FFセダンにも使い、さらにクロスオーバーSUVにも活用できる設計とすればハードルが下がります。
いっぽうで「そんなのスカイラインじゃない」というファンもいるかもしれません。
しかし、伝統的なサルーンであるクラウンがそうだったように、セダンもこれまでの殻に籠ってばかりいると時代に取り残されてしまいます。それよりも、時代を見据えて「継続できること」を考えたほうがいいというのが筆者(工藤貴宏)の考えです。
筆者もスカイラインファンの1人として、スカイラインがいつまでも残って欲しいと思わずにいられません。
だからこそ、トラディショナルなスタイルにこだわって時代に取り残されるのではなく、型を変えて時代の先を進むようなセダンになるのも大歓迎したいと考えています。
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