インコに気を取られて事故!? 「クルマの窓から顔を出すペット…」 よく見る光景だけど違反になる条件とは
くるまのニュース / 2023年9月29日 9時10分
街の交通を見ていると、走行中のクルマの窓からたびたびペットが顔を出していることがあります。犬や猫などのペットが窓の外に夢中になっている様子は一見可愛らしく思えますが、場合によってはドライバーの交通違反になってしまうことがあります。では一体、何の違反に当たるのでしょうか。
■ペットを膝に乗せての運転はダメ!
クルマを運転していると、ときどき他のクルマの窓から顔を出しているペットを見かけます。
一見微笑ましい光景ですが、実は状況によってはドライバーが交通違反に問われる可能性があります。では、一体どのような違反になるのでしょうか。
街の交通を見ていると、走行中のクルマの窓からたびたびペットが顔を出していることがあります。
犬や猫などのペットが窓の外に夢中になっている様子は一見可愛らしく思えますが、場合によってはドライバーの交通違反になってしまうことがあります。では一体、何の違反に当たるのでしょうか。
想定される違反として、道路交通法第70条の「安全運転義務違反」が挙げられます。同条では次のように規定しています。
「車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」
一般的に安全運転義務違反は、脇見運転や周囲の安全を十分に確認していないケースなどが該当しますが、クルマの窓からペットが身を乗り出したり、外へ飛び出したりすれば交通事故につながるおそれがあるため、この違反に当たる可能性が考えられます。
安全運転義務違反で切符を切られると違反点数2点、普通車で9000円の反則金が科されます。
また、ペットをドライバーの膝に乗せて運転することも交通違反に該当する場合があります。道路交通法第55条第2項ではクルマの乗車と積載方法に関して次のように規定しています。
「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ、車両の安定を害し、又は外部から当該車両の方向指示器、車両の番号標、制動灯、尾灯若しくは後部反射器を確認することができないこととなるような乗車をさせ、又は積載をして車両を運転してはならない」
仮にペットを膝に乗せながら運転していると、前方が見えにくくなる、ハンドル操作がしにくいなど運転を妨げる危険性があるため、この法律に抵触する可能性があるのです。
同違反で切符を切られると「乗車積載方法違反」として違反点数1点、普通車で6000円の反則金が科されます。
■過去には犬や鳥を乗せていたことが原因で逮捕されたことも! どんなことがあった?
2020年5月には札幌市において、運転席に飼い犬のスコティッシュテリアを乗せて運転していた男性が乗車積載方法違反の疑いで逮捕されています。
この事案は、警察官が運転席側の窓から顔を出している犬を発見してクルマを停車させたものの、男性が走り去ろうとしたことから逮捕されたものです。
そのため、ドライバーの膝にペットを乗せて運転したからといって直ちに逮捕されるわけではありませんが、交通違反に当たるという認識は持っておきましょう。
さらに2022年1月には神奈川県川崎市において、助手席に乗せていたインコに気を取られてよそ見をした女性ドライバーが、自転車2台をはねて3人を死傷させる交通事故が発生しています。
警察の調べでは、飼っているインコの様子がおかしく、病院へ連れて行く途中の事故だったと報じられています。
自動車メーカーは純正のペット用品を備えている
ペットは飼い主にとって家族同然の存在ではありますが、クルマに乗せる際には運転の妨げにならないよう注意しなければいけません。
たとえばペットはキャリーケースやケージなどに入れて後部座席に置く、ペット用のシートベルトを設置する、同乗者に管理してもらうといった対策が必要といえるでしょう。
またSNS上では「急ブレーキでペットが頭をぶつけて眼球が飛び出た」、「大切な家族ならキャリーに入れた方が良い」といった意見も寄せられており、ペットの安全のためにも必要な措置をとることが重要です。
※ ※ ※
ペットのクルマの乗せ方によっては交通違反に該当する場合があります。
交通事故を起こさないため、また大切なペットが乗車中に怪我をしないためにも、十分な対策を講じておいたほうが良いでしょう。
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