1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

530馬力超え! 「“超豪華”爆速ミニバン」に驚愕! 約1000万円超えの“凄顔”大型モデル「ジーカー009」とは?

くるまのニュース / 2023年9月4日 22時10分

中国ジーリー(吉利)のミニバン「ジーカー 009」に中国車研究家の加藤ヒロト氏が試乗しました。どのような仕上がりなのでしょうか。

■中国の最上級ミニバン「ジーカー009」とは?

 ジーリーのプレミアムブランド「ジーカー」の純電動ミニバン「009」に試乗しました。
 
 ジーカーに聞きなじみのない方は多いかもしれません。このブランドはロータスやボルボを傘下に収める「ジーリー(吉利汽車)」が2021年に立ち上げた新しい純電動ブランドです。

 2016年にボルボと共同で立ち上げた若者向けブランド「リンク・アンド・コー」に対する純電動の姉妹ブランドという立ち位置で、両者ともに近い関係性を持ちます。

 ジーカー初の車種「001」は当初、リンク・アンド・コーのコンセプトカーとして発表されました。のちに新ブランド立ち上げとともに量産モデル「001」がお披露目された形になります。

 ジーカー 001は純電動シューティングブレークで、駆動モーターには日本電産が開発した「E-Axle」を採用。

 E-Axleは電動車におけるモーター、インバータ、ギアを一体化した小型ユニットとして搭載できるのが大きな特徴です。

 オーディオにはヤマハが専用で開発したサウンドシステムを採用するだけでなく、オプション装備では曙ブレーキ工業の4ポットフロントキャリパーが選択可能と、なにかと日本企業とも結びつきが強い車種なのです。

 そのジーカー 001に続いて2022年11月にリリースされたのが、今回試乗したジーカー 009になります。

 ボディサイズは全長5209mm×全幅2024mm×全高1856mmと、ダイナミックなボディが特徴的ですが、その奇抜なフロントマスクは特に目を惹きます。

 逆U字のヘッドライトにメッキ仕上げのグリルと、ジーカー 001とは大幅に異なるデザインセンスが唯一無二の存在感を演出します。

 グレードは「WE」と「ME」の2タイプで、前者は容量116kWh、後者は容量140kWhの三元系リチウムイオン電池を駆動用バッテリーとして搭載しています。

 どちらもパワートレインは出力268hp(200kW)のモーターを前後に配置した四輪駆動で、合計出力536hp(400kW)、最大トルクは686Nmを誇ります。

 航続距離は116kWhモデルが702km、140kWhモデルが822kmとなっていますが、中国独自のCLTC方式であることを考慮してもこの数値はとても大きく、長距離をストレスなく移動できる純電動ミニバンを欲しがる層には魅力的でしょう。

 ジーリーが新世代ブランドより送り出した自信作ということもあり、内装の装備は非常に充実しています。

 シートは3列で6人が乗れる構成となっており、2列目は左右独立型のキャプテンシートを採用しています。

 今や高級ミニバンでは必須装備のマッサージ機能を搭載していますが、操作はライバル車種に多いタッチパネル式ではなく、物理ボタンで操作するタイプとなっています。

 ボタン自体もシックな雰囲気を演出する黒クロムメッキ仕上げを採用しており、ここからも高級感を感じ取ることができます。

 これ以外にも、飛行機で見るような小さなテーブルがアームレストから展開可能ですが、筆者(加藤ヒロト)が触れてみたところ、この立て付けもしっかりとしており、グラグラとする不安定感は一切感じませんでした。

■500馬力超え! その実力はいかに

 また、スライドドアにはタッチパネルが搭載されていることには非常に驚かされました。

 両側のドアパネルでは左右ウィンドウに加え、ガラスルーフのシェードが操作できます。そのすぐ隣には時計やエアコン操作などがおこなえる簡易的な円形ディスプレイも装備されています。

 このような装備は同時に試乗した他の大型ミニバンだけでなく、高級ミニバンの代表格であるトヨタ「アルファード」・「ヴェルファイア」の最新モデルでも見たことがありません。

パイパワーなうえ内装のクオリティも高い(撮影:加藤ヒロト)パイパワーなうえ内装のクオリティも高い(撮影:加藤ヒロト)

 天井部には15.6インチのルーフディスプレイが備え付けられています。音楽や映画、ドラマなどのエンターテインメントだけでなく、ビジネス層を考慮したビデオ会議機能も搭載しています。

 また、意外と軽視されがちなGUI(グラフィックユーザインタフェース)もしっかりとデザインされている印象を受けました。メインメニューでは車速、リモコンの電池残量、車内・車外温度、時間が画面上部に表示されています。

 使用されているグラフィックやフォントはジーカー専用となっており、こういった点でもジーカー特有の「特別感」を演出するのがとても上手だと感じました。

 ルーフディスプレイではインフォテインメント以外に「ヒーリング機能」も搭載しています。

 これは「森林」「雨音」「焚火」「海岸」「渓流」「夏日」の6つのテーマに沿った環境音が収録されている機能で、一定時間再生することでリラックス効果を得られるものとしています。

 車内で過ごす時間をより一層演出するためにエンターテインメント機能を拡充するメーカーは多いですが、逆にこういったリラクゼーション方面にも注目する視点は新鮮であると思いました。

 また、車内オーディオはジーカー 001同様にヤマハが手がけたオーディオシステムを採用しており、20個のスピーカーで特別な音響空間を演出します。

 ジーカー 009はどちらかというとショーファードリブン(運転手付きのクルマ)を見据えた設計ですが、実はドライバーズカーとしても十分にスポーティーな実力を備えています。

 0-100km/hは4.5秒という驚異的な加速性能に加え、「エコ」「ノーマル」「スポーツ」「スノー」の4種類のドライブモードも選択可能です。

 実際に乗ってみた感想としては、スポーツモードではジーカー 009の持つキャラクターがより一層スポーティーになるのがはっきりと感じられ、加速感の向上や足回りの適度な硬さなど、「高級ミニバンにここまで求めるのか」と感じました。

 ですが、確かに全体的なシルエットは低めに抑えられていますし、その点を考慮すれば「高級スポーティーミニバン」と形容するのが正しいのかもと思いました。

 中国本国での価格は「WE」グレードが49万9000元(約1002万円)、上級「ME」グレードが58万8000元(約1180万円)となります。

 なお、中国では大型ミニバン市場が盛り上がりを見せており、各メーカーはこぞって大型ミニバン車種を続々とリリースしています。

 ジーリーもその流れに乗った形ですが、ジーカー 009はほかとは一線を画すクオリティ。もはや別格のミニバンを生み出したと感じました。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください