全長2m以下の「1人乗りマシン」がスゴい! ホンダ車と“相性抜群”な「車載専用バイク」に復活の兆し!? 今注目される「モトコンポ」の発想とは
くるまのニュース / 2023年9月6日 22時10分
今から40年以上も前に、ホンダはコンパクトカーの荷室に積み込める斬新な超小型バイク「モトコンポ」を市販化しています。電動化が進む今こそ復活を期待したい「クルマ+小型バイク」の可能性について探ります。
■40年以上も前に実現していた「自由な移動」の姿
1981年に登場したホンダのコンパクトカー「シティ」の小さなトランクスペースに収めることを前提に開発された、超小型スクーター「モトコンポ」。
発表から40年以上が経った今もなお、先見性あるアイディアとして高い支持を集めています。
全長は1185ミリほど、(装備)重量は45kgほどと、バイクとしては超軽量で、クルマのトランクへひょいと積み下ろしができるサイズだったモトコンポ。
折りたたんで格納できるハンドルやシート形状となっていたほか、ガソリンがあふれないように、完全密閉型燃料タンクや逆止弁を使うなど、使い勝手や安全性もしっかりと確保されたモデルでした。
49ccの空冷2ストロークエンジンは、公道を走るには辛いスペックでしたが、ホンダは、リゾート地の周辺探索に使ったり、テニスコートでドリンクの買い出し、シティでサーキットに乗り付けてピットウォークに使う、といったシーンを想定して開発したそうです。
何より、四角くて可愛らしいバイクが、初代シティのラゲッジスペースに収まる様子は、ホンダの発想力と実行力の高さに溢れた、ナイスなアイディアでした。
荷室の床下に収納するパッケージングとしていた点も、昔からMM思想(マン・マキシマム/メカ・ミニマム:人のためのスペースは最大に、メカニズムは最小にという意味)を貫く、ホンダらしい点だといえます。
そんな斬新な発想をEVに転換したコンセプトカーとバイクが、2011年の第42回「東京モーターショー」のホンダブースで発表されています。
全長2.5mと超小型サイズの未来都市型電動コミューター「MICRO COMMUTER CONCEPT(マイクロ コミューター コンセプト)」に搭載されていた「MOTOR COMPO(モーターコンポ)」は、まさにモトコンポの電動版です。
ハンドルなどが収納できる仕様で、当時の開発者もモトコンポが発想のベースだと説明しています。
搭載バッテリーは取り外し式で、これは現在ホンダが普及を進めている小型バッテリーのシェアリングサービスにつながる発想ですが、残念ながらMOTOR COMPO自体の市販化はまだ実現していません。
■電動バイクやキックボードなら旅先での楽しみ方がもっと広がる!
もっと手軽に、近年普及が進む電動キックボードを利用する手もあります。
しかもこれなら、複数の台数を積載することも可能です。
現代によみがえったホンダ「モトコンポ」!? ホンダが第42回東京モーターショーに出展したのはその名も「MOTOR COMPO(モーターコンポ)」!
旅先で、それぞれが自分の好きな場所へ行くこともできるうえ、クルマがバッテリーEVであれば、クルマから電動キックボードへ充電することも可能です。
クルマを充電している間に、電動キックボードで買い出しにいったり、周囲を散策したりというのは、バッテリーEVでの旅において、とても有益な時間の使い方になります。
いずれにしても、シティ+モトコンポのコンセプトのように、クルマで出かけた先でマイクロモビリティを使うというのは、環境負荷低減が求められるいまの時代にこそ適した組み合わせだと考えられます。
ちなみに現在、中古のモトコンポは50万円前後と、当時の新車価格(8万円)よりもはるかに高い相場で取引されているようです。
※ ※ ※
ホンダは初代シティとモトコンポ、そして携帯型発電機の「デンタ」を、2019年に4分の1スケールの模型で再現しています。
当時の2Dの手書きの図面を、現代の3Dの設計データとしてつくり直し、ライブラリー化するためだったそうですが、実物を隅々まで精密に測定し、残っていた手書きの設計図と照らし合わせながら、3Dモデリングをしていったそう。
ひょっとするとライブラリー化だけが目的ではなかったのではないか、クルマ+マイクロモビリティの新規開発のために必要だったのでは!? と勘ぐってしまうところ。
前出のMOTOR COMPO開発プロジェクトが、実はまだ密かに続行しているのかもしれません。
初代シティ+モトコンポのような、環境負荷低減と利便性をさらに追及したホンダらしい斬新な発想の乗り物が、新たに登場することを大いに期待したいです。
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