“青信号”なのに進まない前走車に「プーーッ!」はダメ!? “催促クラクション”は違反なのか? 「じゃあどうすればいいの!?」自動車ユーザーの反響とは
くるまのニュース / 2023年9月6日 11時10分
クルマのクラクションは、様々な合図として多くのユーザーに使用されている現状がありますが、その使い方は法律上正しくない可能性があるということから大きな話題となっています。
■多くの人が困っている「信号でのトラブル」とは
現代において、一般的なクルマのハンドル中央部分には、押すことで「プッ!」と音が鳴るクラクション(警音器)が搭載されています。
この音を鳴らす機能を利用し、クラクションは様々な合図として多くのユーザーに使用されている現状がありますが、その使い方は法律上正しくない可能性があるということから大きな話題となっています。一体どういうことなのでしょうか。
よく見られるクラクションの使い方としては、信号が青に変わったものの前のクルマがなかなか発進しない際、青信号に気づかせるために鳴らす「催促クラクション」や、道を譲ってもらったり合流で入れてもらった際などにお礼として鳴らす「サンキュークラクション」。さらに家族や友人などとの別れ際に鳴らす「バイバイクラクション」などがあり、これに加えて危険を感じた際に鳴らすといった使い方がなされているのが現状です。
しかし実はクラクションの使い方は、道路交通法第54条の2では次のように定められています。
「車両等の運転者は、法令の規定により警音器を鳴らさなければならないこととされている場合を除き、警音器を鳴らしてはならない。ただし、危険を防止するためやむを得ないときは、この限りでない」
つまり、催促クラクションやサンキュークラクション、さらにバイバイクラクションも、本来鳴らす必要のないシーンでの使用となるため、「警音器使用制限違反」に該当して反則金3000円が科せられる場合があるというのです(違反点数はなし)。
たしかに、お礼や別れの挨拶としてクラクションを使用する必然性は無さそうですし、大きな音で周囲を不用意に驚かすよりは他の方法で代用することも可能に思えます。
その一方で、信号が青だと気づかせるための催促クラクションに限っては代用する良い方法も無く、わざわざ自車から降りて前走車に教えに行くこともトラブルの可能性を考えると現実的ではないようです。
道路交通法第54条の2の後半にある「危険を防止するためやむを得ないとき」にはクラクションは鳴らして良いといいますが、これに“前走車が信号で発進しない”という状況が該当するのかは判断が難しいところ。
例えば並走車が自分のクルマに気付かず進路変更をしようとし、衝突のおそれがある場合などにクラクションを鳴らすのは「危険を知らせる行為」に該当するので違反にはなりません。
一方で、割り込んできたクルマに対する抗議や、走行の遅いクルマへの威嚇といった理由でクラクションを鳴らすのは「危険を防止するためやむを得ないとき」とは言えないため、違反行為にあたります。
このように、クラクションを鳴らすことで衝突や追突などの事故を防ぐことができるかどうかという点が、「危険を防止するためやむを得ないとき」の判断基準となり、催促クラクションは事故を防止するためのものではないため、道路交通法で定められている正しい使用方法とはいえないというわけです。
※ ※ ※
このクラクションの「法的に正しい使用方法」についてはSNSなどに多くの意見が投稿されており、とくに催促クラクションの是非について様々な議論が交わされています。
■必要? やめるべき? 自動車ユーザーは「催促クラクション」をどう感じているのか?
その中身は、やはり「クラクションで青信号を教えるのが違法だったらどうすればいいの?」「ただ待つしか対処方法がないのかな…」「催促クラクションがダメなら後続車から降りて声をかけに行くか、ひたすら待つ以外に方法が無いよね」「過去に、気づくのを待ってたらそのまま発進しないで赤信号になった事がある」と、クラクション以外の方法が無いために困ってしまうという人の声が多く見られました。
「催促クラクション」には多くの議論が寄せられている
さらに、「後続車が急いで交差点を抜けようと荒い運転になり事故を誘発するくらいなら、クラクションひとつで催促してスムーズに走った方が安全じゃないかな」「青信号の交差点で止まったままというのは居眠りの可能性があるし、それはそれで危険だよね」などの点から、催促クラクションは法的にも危険防止に該当すると判断されるべきだと提言する意見もありました。
また、「前の運転手がどんな人か分からないのだから降りて行くのも恐いし、クラクションも鳴らしません」「待つのが正解」「私は待つ派ですね」と、そもそも前走車に対してアクションを取ること自体が危険なので待つべきという声がある一方、「対向車が居なければ右から追い越すってのはどうかな?」「クラクションも鳴らさず、無言で右から追い越します」と、進まない前走車を追い抜くという人もいましたが、これは交差点の直前で車線を跨いだり後続車にとっても危険な動きとなるほか、明らかに交通違反となるためとても推奨できるものではありません。
そのほか、「この前パトカーが前の発進しないクルマに鳴らしてました」「動かないクルマの後ろに白バイがいた時は、白バイが話しかけに行ってたよ」と、警察車両においても異なる対応を取っていたというコメントも投稿されています。
※ ※ ※
多くのユーザーが本件に意見を投げかける理由としては、やはり催促クラクションの代案となる「正しい対処方法」が明文化されておらず、法律や交通ルールが現実の道路状況に則していないことに問題があるようです。
そのため「法律を現状にあわせて更新してほしいよね」と、クラクションで教えるべきか、徐行して進むことが出来るのか、先行車が動かない際の「解」を出して欲しいと考える声が非常に多いのです。
議論はさらに広がり、クラクションというクルマの装備だけではこの問題は解決しないということから、「クラクションとは異なる、相手を威嚇しない『ニャン』とか『ピコ』とかの音が鳴る装備をクルマに付けて欲しい」という提案も挙げられ、これには「凄く欲しい!」「クラクションって軽くプッと鳴らしたいのに予想以上にデカい音が出るから、その機能があるといいな」「変な合流しちゃった時に後ろの人に『ごめんね!』って表示するボタンもあったらいいのに」と多くの賛同を得ていました。
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