なぜ新車の「納車式」はやるのか? 「恥ずかしいから不要」の声も!? ディーラー側の本音は?
くるまのニュース / 2023年9月15日 9時10分
新車が納車されるとき、購入した販売店によってはノベルティなどが用意されることがあります。「納車式」と呼ばれるものですが、この儀式はどのように捉えられているのでしょうか。
■「納車式」やる・やらないは店舗の判断だった
クルマを購入し、新しい車両が手渡される「納車」では、自らディーラーに引き取りに行くという人が多いのではないでしょうか。
そんななか、販売店によってはノベルティを贈呈されたり、何人ものスタッフが立ち合う「納車式」がおこなわれることがあるようです。
納車式とはどのようなものなのでしょうか。また、なぜおこなわれることがあるのでしょうか。
通常、新車の納車(引き渡し時)の際は、クルマの操作の説明はもちろん、ナビやオーディオ、エアコンなど各種装備の操作方法や、ボンネットの開け方など、セールス担当がひと通り教えてくれます。近年はとくにADAS(先進運転支援機能)の説明に多くの時間を割いているといいます。
そのうえで、「大きなキー」を手にして愛車やセールス担当と記念撮影したり、粗品や花束が贈られたりすることもあるようです。なかには納車客専用に整備されたブースを用意するディーラーも見られます。
納車式をおこなってもらって「嬉しい」と感じる人もいれば、「気恥ずかしい」「早くクルマに乗りたい」から不要という意見もあるなど、人によってとらえ方はさまざま。なかには、車両価格が高額になるほどに、派手な納車式を行う傾向にあるという話も聞かれます。
しかし納車式の内容として、これという定義はないといいます。高級車メーカーのセールスとして勤務していた経験があるS氏に聞いてみました。
「自分の営業成績の結果となることから納車式を重視する人もいますが、本音を言えば(セールス担当だった時代でも)お客さまもディーラー側も本当に必要だと思っていないことはわかっていました。それでも行うのは、通例みたいなものでした。
また、私が扱っていた車種が高級だったこと、購入者も経済的に成功している人が多かったこともあり、今後継続してもディーラーを活用してもらうために、何かと理由をつけて付帯サービスで気を引きたいという狙いはありました」
最近では、軽自動車でも納車式をおこなうディーラーもあるそうですが、これも顧客囲い込み戦略のひとつ。「お客さまは神様です」といった気持ちが働いているケースも多いのだそうです。
「私が勤務していた時の話ですので、今は変わっているかもしれませんが、そもそもクルマを製造するメーカーと、実際に販売する販社では考え方も違います。
そして納車式は、販社の支店となる販売店ごとで対応できることが違います。同じサービスが提供できないのであれば、無理しなくても良いと考える店舗もあるでしょう」(高級車メーカーの元セールス担当 S氏)
■中古車の納車式でひと味ちがった体験も!?
新車の納車式は何となく、気恥ずかしくも嬉しいと感じる人が多いようですが、中古車の場合はどうでしょうか。
中古車の場合もやる店舗とやらない店舗があるようです。都内の中古車販売店オーナーのN氏に話を聞いてみました。
中古車も納車式的な儀式をおこなうことも
「新車のような納車式はおこないませんが、スタッフ全員でお見送りはします。あとはその中古車の車検の状態によって多少対応が変わります」
中古車には車検が継続中の場合と、一度車検が切れた状態で新たに車検を取り直す場合があります。どちらにせよ再登録して新たなナンバーが交付されるのですが、ときにはナンバー交付に数日かかる場合があります。
「店舗で納車前整備をしているクルマは、新ナンバーが交付されても、あえてリアのナンバーの取り付けをギリギリまで待って、お客さまが引き取りに来られたときにナンバーを装着し、最後にナンバーの封印をしてもらうケースがあるようです。
これもちょっとした納車式みたいだと意外に好評のようです」(中古車販売店オーナーN氏)
本来はナンバーの封印は本来運輸支局または封印受託者(国土交通大臣から封印の取り付け委託を受けた者)がおこないますが(道路運送車両法施行規則第8条)、販売店で装着&封印する場合には、最後の仕上げを新オーナーに託すケースもあるようです。
封印されたナンバーは、整備や修理などの正当な理由がなければ取り外しは不可。つまり封印した時点で、正式に登録者の車両となるという意味が含まれているといいます。
ただし納車式がなかったとしても、操作方法はひと通り教えてくれるのでご安心を。
そして、中古車の場合、納車前整備で見つかった不具合の有無や、車種特有のウィークポイントなどを聞いておくと、のちにメンテナンスするタイミングや箇所も把握できやすくなるでしょう。
※ ※ ※
新車の納車式は絶対に必要なものではありませんが、やってもらったユーザーからはおおむね好評なサービスと評価されているようです。
愛車を初めて引き渡されるのは嬉しさ半分、緊張半分です。それでもお店のスタッフから「おめでとうございます」と声がけされると、自分のクルマを手に入れた実感がわいてくるのではないでしょうか。
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