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なぜ「車中泊」の定義ばらつく? 相次ぐトラブルも、ルール化されず! 道の駅や国交省の見解は

くるまのニュース / 2023年9月16日 9時10分

昨今では手軽にできることもあり「車中泊」というジャンルが確率されつつあります。その一方で車中泊に関するトラブルも増加傾向です。とくに全国の道の駅では「車中泊禁止」を掲げる場所もある中で、なぜルール化されないのでしょうか。

■相変わらず無くならない「車中泊」トラブル

 車中泊ブームと共に増加しているのが道の駅やSA/PA、公共駐車場での「車中泊トラブル」です。
 
 全国にある道の駅では場所により対応が異なるようですが、なぜ統一したルール化がされないのでしょうか。

 昨今では、日本RV協会がインフラ改善のために『RVパーク』などの有料車中泊施設を展開していますが、キャンピングカーでの使用というイメージがユーザーにあるのか、一般のクルマでの使用はまだまだ定着していないようです。

 ちなみに、各施設でどんな迷惑行為が横行しているのでしょうか。

 1番の問題は長時間駐車です。道の駅や高速道路上のSA/PAなどは、不特定多数の人が24時間いつでも休憩したり、トイレを利用するために設置された施設です。

 場所によっては駐車スペースが少ないことがありますが、こうした施設で駐車スペースを長い間占有すると、利用できなくなる人が出てくるというわけです。

 さらに迷惑行為について調べていくと、駐車スペースでコンロを出してBBQをしたり、レジャーシャワーを使ったりというケースもあることが分かりました。

 なかには枠内にテントを張る猛者もいるようです。

 さらには、盗電、ゴミの不法投棄、トイレでの汚物大量廃棄、洗濯、花火、音楽の大音量で聴視など、一般常識の範疇を超えたものであることが分かりました。

 こうした迷惑行為をするのはキャンピングカーユーザーだけでなく、SUVやミニバンユーザーにも見られ、根本には宿泊料金を浮かせたいということがあるようです。

 迷惑行為は容認できるものではありませんが、道の駅などの利用者の声を聞いてみると、そもそも施設利用の規約の曖昧さが要因になっている部分もあるようです。

 全国に1209か所ある道の駅は、各地方自治体と道路管理者が設置し、国土交通省に登録されている施設です。

 施設内の建物は各地方自治体と道路管理者が管理し、駐車場の整備などは国土交通省が行っています。

 かつて一般道路上には気軽に休憩やトイレ利用ができる施設がなかったことから、1991年からドライバーが休憩できる施設として、システム運用が開始されました。道の駅には、交通事故を抑制するという大きな目的があります。

 そのため、道の駅の利用説明の中には、24時間いつでも休憩ができる旨が明記されています。
 
 しかし、「車中泊は禁止」という文言がすべての施設の規約に入っているわけではありません。

 ちなみに「仮眠」「車中泊」「キャンプ」の定義とは、どういったものなのでしょうか。

 国土交通省は、仮眠についての具体的な時間の定義は一切していないとのことで、SA/PAを管理するNEXCO各社も同様でした。

 ちなみに、無作為で道の駅を選び、その管理担当者に聞いたところ、「仮眠は1時間ほど寝ること」と考えている人がほとんどでした。

 では道の駅の利用規約に書かれているキャンプの定義はどうかというと、「道具を使って炊事や調理、宿泊をすること」ということを指していることが分かりました。

 前述したような、駐車スペースでテーブルや椅子、BBQコンロを使ったり、テント、タープを張ったりするのはキャンプというわけです。

 施設内でのキャンプ行為が迷惑になることは分かりますが、睡眠時間の違いというだけでNGでは非常に曖昧です。

 加えて利用客が少ない夜間であれば、車内での睡眠に限っては長時間でも迷惑にならない気がします。

 このことについて関東のとある道の駅の管理担当者に話を聞きました。

「ウチの施設は、トイレ以外は17時で閉まってしまうので、夜間は駐車場の利用も少なくなります。

 ですので、疲れているドライバーさんには朝までゆっくり休んでいただきたいという気持ちはあります。

 しかし、車中泊OKと言ってしまうと、駐車スペースを占有して火を使った調理をしたり、それ出たゴミを捨てていくことに繋がってしまうんです。

 この後始末には税金を使うことになるため、やはりそれを防ぐためには、車中泊はご遠慮頂くしかないのが実情です」

※ ※ ※

 こういった背景から、昨今では多くの道の駅が「車中泊はご遠慮ください」の看板を目立つように掲げています。

 ただし、これに関してはユーザーだけでなく、道路管理者からも否定的な見方があるのだとか。

■なぜ全国統一のルール作り出来ない? 国土交通省に聞いてみた

 北海道のある道の駅は、かつては同様の看板をトイレ前に看板を掲げていましたが、ある時からそれを外したと言います。

 道の駅を管理する村役場の担当は、その事情についてこう話します。

「以前からゴミの不法投棄につながることから、当施設での車中泊は禁止という看板を出しました。

 しかし、北海道開発局から『ここまで大々的に禁止看板を掲げるのはどういったものか』という意見が来ました。

 理由について尋ねましたが、明確が答えなく、こちらも困惑しています」

 このように、道の駅という看板を掲げていても、考え方は全国でまちまちのようです。

 なぜ全国統一のルール作りができないのでしょうか。

 国土交通省の担当者によれば「道の駅は地域性の特色と創意工夫を活かす施設となっており、全国統一のルールは作れない」と言います。

 なぜなら、道の駅によっては、積極的に車中泊ユーザーを誘致している施設もあるからです。

 最近では道の駅にRVパークを導入し、積極的に車中泊ユーザーにスペースを貸す道の駅も、わずかですが存在しています。

 利用客や地元観光推進という目駅だけでなく、有料で車中泊をさせることで迷惑行為を抑止するという目的のために導入した施設もあります。

国土交通省管轄の「道の駅」ながら車中泊に関するルールはバラバラ国土交通省管轄の「道の駅」ながら車中泊に関するルールはバラバラ

 車中泊推進派の施設の中には、こんな道の駅も。

 長崎県にある「道の駅・松浦海のふるさと館」は、毎日1台限定で車中泊をすることができます。

 無料な上に、電源まで貸してくれるサービスが特徴ですが、なぜこのような対応をしているのでしょうか。担当者は次のように話しています。

「ウチの近辺にはキャンプ場がないんです。ですから、1日1台限定ですが、車中泊をしたいお客さんに駐車スペースを使っていただいて、施設閉店後には電源も開放しています」

 こうした取り組みの中で、果たして迷惑行為などのトラブルはないのでしょうか。

「たまにゴミを捨てていく人もいらっしゃいますが、問題はないですね。ほとんどの皆さんに、マナー良く使っていただいておりますよ」

※ ※ ※

 道の駅やSA/PA以外にも、全国の公共駐車場で同様の事例が起きているようですが、結局はドライバーの良識に頼らざるを得ないというのが実情です。

 すべての利用者が快適に使えるように、節度ある使い方をしたいところです。

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