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マツダ新型「ロータリーモデル」の予約開始! 11年ぶりの復活で注目高まる! 発電専用ながらロータリーサウンドは聞こえるのか

くるまのニュース / 2023年9月14日 12時30分

マツダは、独自のロータリーエンジンを発電機として使用する「MAZDA MX-30 Rotary-EV」を、2023年9月14日から予約販売を開始します。実車はどのようなものなのでしょうか。

■MX-30 Rotary-EVで新開発ロータリー「8C」 音色は「13B RENESIS」とどう違う?

 2023年9月14日にマツダは、独自のロータリーエンジンを発電機として使用する「MAZDA MX-30 Rotary-EV」を、同日から予約販売を開始します。
 
 なお発売は、同年11月を予定していますが、ファン待望のロータリーエンジンを搭載するモデルにはどのような特徴があるのでしょうか。

 マツダの本拠地である広島でMX-30 Rotary-EVの実車に触れることができました。
 
 その名の通り、久しぶりに復活したロータリーエンジンを搭載したマツダの自信作です。

 ただし、残念ながら今回は予約販売開始前ということで、実際にMX-30 Rotary-EVを走らせることはできませんでした。

 実は、今回の広島入りを控えて、筆者(桃田健史)は横浜市神奈川区のマツダR&D横浜で事前に、マツダが所有する「RX-8スピリットR」を借り出し、3日間に渡って関東周辺を約300km走行していました。

 そうすることで、ドライバーがRX-8搭載の「13B RENESIS」と、MX-30 Rotary-EV搭載の新型「8C」との差をどのように感じるのかをレポートしようと思っていたのです。

 むろん、13B RENESISと8Cを単純に比較することが極めて難しいことは承知していました。

 なぜならば、前者は駆動用エンジンとして、また後者の駆動はモーターのみでありロータリーエンジンは発電機という役目だからです。

 それでも、実車のなかで13B RENESISと8Cがそれぞれ動いている状態で直接比較できないものかと考えた末、RX-8 スピリットRを久しぶりに堪能したのでした。

 MX-30 Rotary-EVのステアリングを自ら握って走行できなかった一方で、今回の広島滞在中には、13B RENESISと8Cの構成部品を見て、触って、そして開発や製造部門の関係者とかなり踏み込んだ意見交換ができました。

 さらに、8Cの組立ラインの最後にある、実際に8Cを動かす「コールドテスト」の様子を見ましたので、音や振動など8Cに対する実感は得ることができました。

8Cの組立ラインの最後には実際に8Cを動かす「コールドテスト」が存在する!8Cの組立ラインの最後には実際に8Cを動かす「コールドテスト」が存在する!

 2023年9月14日からMX-30 Rotary-EVの予約販売が始まっており、近い将来に筆者を含めてユーザーの皆さんもMX-30 Rotary-EVをじっくり試乗する機会は確実に巡ってくるはずです。

 こうした現状を踏まえて上で、13B RENESISと8Cが動いてる状態で、それぞれの特長を、マツダ関係者の声をまとめながら比較してみたいと思います。 
 
 では、8Cのコールドテストから話を始めます。

 コールドテストは、「組立最終工程でモータリングによる機能検査を全数実施」することです。これにより、8Cの機能や静粛性を定量保証すると、マツダは説明しています。

 具体的には、3つの回転数での運転を行います。

 最初は、2300rpmで動かします。これは、発電時の常用域となります。

 次に、13Bとの比較として1200rpmに回転数を落とします。

 これら2つの回転するでは、電子スロットル制御、インテークマニホールドの負圧、油圧、そして抵抗トルクを計測するほか、静粛性に係わる燃料室圧力と異音・振動についてもマイクが振動センサでデータを計測します。

 実際、2300rpmで動いている状態では、音はかなり静かだと感じました。

 また、想像していたよりも音色が低いという印象もありました。

 13B RENESISの場合、街中で2000rpmから3000rpmの間で走行していると、車内に伝わる音はかなり静かでエンジンからの振動はほとんど感じませんが、音色としてはいわゆるモーター音のようなイメージがあります。

 さらに回転数を上げると3000rpm以上でしっかりとしたトルク感がドライバーに伝わり、9000rpmに向かってガソリンエンジンとは別の世界観の中で音を心地良く感じます。

 ここで気になるのは、ローターの数による音や振動の違いです。

 エンジン開発担当者が図で説明したよると、「1ローターは2ローターに対し、回転に伴う振動成分が半分となり、低周波になります」とのこと。

 こうした音の違いを今回、8Cのコールドテストでも感じたのだと思います。

 また、一般的に1ローターはトルク変動が大きいため、2ローターを採用していると言われています。

 この点について「8Cでも当然、トルク変動への対策は重要」として、1ローターの特性があることが分かりました。

 さらに、排気量を13B RENESISの1ローターあたり654ccから8Cでは830ccへと拡大していることで、ローターが大型化し、創成半径も拡大しているため、トルク変動を低減させる様々な方策を打っています。

 マツダは「ローターの精度偏心があると、不快な車体低周波振動が発生するので、生産技術の工場でこれを抑制しました」と説明します。

 具体的には、鋳造で中子の寸法精度を上げ、また3Dスキャンによる3D曲面の寸法管理をするなどして、素材寸法公差を13B RENESISと比べて54%改善しています。

 その上で、機械加工工程では、多軸専用ラインでの切削50工程から高速1軸NC(数値制御)ラインでの切削9工程へと大幅に圧縮。

 またバランス取り工程も職人技から数値測定に基づく機械による調整加工に切り換え、バランス精度は13B RENESISと比べて75%改善されています。

■果たして8Cの音色はどうなる? ポイントは始動するタイミング

 では、8Cは、上はどこまでまわるのでしょうか。

 MX-30 Rotary-EVのスペック表を見ると、8Cの最高出力は53kW/4500rpm、最大トルクは112Nm/4500rpmとあります。

 8C開発担当者によりますと、これら最大値が示す4500rpmまで8Cはまわるとのこと。

 見方を変えると、MX-30 Rotary-EVの最高速度はMX-30 EVモデルと同等の140km/hとしており、それを実現するためのモーター出力・トルクから8Cは4500rpmまでまわるという表現を使いました。

長年マツダのロータリー車に搭載されてきた「13B」(左)と新たに開発された「8C」(右)長年マツダのロータリー車に搭載されてきた「13B」(左)と新たに開発された「8C」(右)

 また、エンジンがかかるタイミングについても聞いてみました。

 この点については、ドライバーが車内で設定できる「EVモード」、「Normalモード」、そして「Chargeモード」によって変わってくるとのこと。

 その中で、Normalモードでいえば、バッテリーのSOC(ステート・オブ・チャージ)に応じて8Cがかかるのですが、基本的に車速30km/h以下ではかからず、それ以上でタイヤ走行音など外からの音がある程度大きくなった状態で8Cによる発電が始まる設定です。

新たに登場する「MX-30 Rotary-EV」は走らせるとどうなるのか、期待が高まる!新たに登場する「MX-30 Rotary-EV」は走らせるとどうなるのか、期待が高まる!

 また、アクセルを思い切り踏み込んだ状態で加速する場合、バッテリーと8Cの双方からモーターに電気を送るため、8Cがかかり回転数も上がります。

 つまり、ドライバーはアクセル操作と8Cが連動する感覚が得られることになります。

 その際、1ローターの8Cの音色は、先に紹介したコールドテストの2300rpmでの音色から想像すると、13B RENESISが奏でる音色とは雰囲気が違うことが想像できます。

 果たして、実際にMX-30 Rotary-EVを走らせると、ドライバーは8Cをどう感じるのか。

 実車試乗の機会を楽しみに待ちたいと思います。

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