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スバルの「ボクサーサウンド」復活してた!? なぜ「ドコドコ音」が必要? 失くしたはずの排気音にこだわるワケ

くるまのニュース / 2023年9月16日 19時10分

かつてのスバル車には、「ドコドコ」という独自の排気音を奏でるモデルが存在していました。技術進化とともに一度は消滅したのですが、今になって復活したといいます。それはなぜなのでしょうか。

■スバルのあの「ドコドコ音」がまた聞こえる!

 スバルのクルマといえば、独自の排気音を奏でることをイメージするクルマ好きも多いでしょう。
 
 かつて、水平対向エンジンを積むスバル車は、脈を打つかのようにビートを刻み、鼓動を感じられる個性的な排気音が特徴でした。

 それは水平対向エンジンの愛称である「ボクサーエンジン」にちなんで「ボクサーサウンド」と呼ばれ、クルマ好きにとっては愛車への愛着が持てるスバルらしさのひとつだったのです。

 独特の排気音を発生する理由は、排気管(エキゾーストマニホールド)の長さがシリンダーごとに異なる(不等長)ことにあります。それぞれの排気が合流する部分でぶつかることで干渉(排気干渉)し、結果として脈を打つような音が発せられるというわけ。

 ちなみに、その排気干渉がトルクを太くするというメリットもありました。

 しかし、技術の進化もあってスバルは2003年発売の4代目「レガシィ(BP/BL型)」から、排気効率向上を目的とし「等長等爆エキゾースト」と呼ばれる排気系へとレイアウトを大きく変更。ボクサーサウンドは“過去のもの”となったはずでした。

 ところが昨今、ボクサーサウンドを奏でるスバル車が復活しているのです。

 2020年デビューの現行「レヴォーグ」や「レガシィ アウトバック」、現行「フォレスター」のターボエンジン車のほか、2023年9月7日から先行予約が始まった新型「レヴォーグ レイバック」といった、1.8リッター水平対向ターボエンジン(CB18型)を搭載するモデルで「ドコドコ」という躍動感のあるサウンドが聞こえるというのです。

 その理由は、レイアウト上、排気経路を短くする必要があったから。短くするために排気管が不等長となり、ボクサーサウンドが復活したというわけです。

 ただし、以前と異なるのはノーマル状態ではボクサーサウンドがほとんど聞こえないことでしょう。なぜなら、マフラーの消音性能を高めており、ボクサーサウンドを意図的に消しているからです。

 この消音には2つの側面があります。ひとつは「騒音規制」に対応するためで、公道を走るには騒音規制をクリアする必要があるのはいうまでもありません。

 もうひとつは「商品性」です。スバル車を選ぶ人が増えるにともない、かつてと違ってボクサーサウンドよりも静粛性を求めるユーザーも増えています。そんなユーザーへの対応といって良いでしょう。

 車両の開発においては、クルマの性格に合わせて音量と音質を作るということがおこなわれますが、スバルの開発エンジニアによると「どこまでボクサーサウンドを抑えるか、そのバランスに葛藤がある」といいます。

「ファンも多いボクサーサウンドをあえて消すことには寂しさも感じます。ただ、『ドコドコ鳴るのが良い』と言ってくださるお客さまがいるのも事実ですが、そうではないお客さまにも受け入れていただけるような排気音を作らなければなりません。

 幅広いお客さまに受け入れて頂くためにボクサーサウンドは控えつつ、意識して耳を傾けたら聞こえる、マフラー交換したら鳴る程度にギリギリの消し方としているのがこだわりです」(スバルの開発エンジニア)

 ボクサーサウンドを聞きたいという人もいればそうではない人もいて、さらに騒音規制もあります。

 そんな相反する状況のなか、開発側が「やりたいことと」と「やるべきこと」をどうバランスさせるか、単に静かにすれば良いのではなく、しっかりと排気音を作りこんでいく、開発エンジニアの言葉からはそんなことが伝わってきます。

 ボクサーサウンドは控えめだけど、耳をすませば聞こえますし、さらに楽しみたければマフラーを交換することにより(合法の範囲内で)しっかり鳴るという絶妙なバランスが、今どきのボクサーサウンドといえそうです。

 もちろん、かつてのようにボクサーサウンドを楽しみたい人は、STI製などのマフラーに交換すると良いでしょう。STIパフォーマンスのマフラーであれば、スバルディーラーで購入や装着が可能です。

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