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夏が終わらない「もてぎ」 灼熱の戦いはどうなった? GR86・BRZ対決! 悩みは共通も解決策は異なる面白さとは

くるまのニュース / 2023年9月14日 12時50分

スーパー耐久シリーズ第5戦「モビリティリゾートもてぎ」での#61Team SDA Engineering BRZ CNF Conceptと#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptの走りはどうだったのでしょうか。

■2023年のもてぎも暑い! 熱い! 2台の戦いはどうなった?

 スーパー耐久シリーズ第5戦はモビリティリゾートもてぎで行なわれる5時間耐久です。
 
 もてぎを含めて残り3戦となった中で28号車「ORC ROOKIE GR86 CNF concept」と61号車「Team SDA Engineering BRZ CNF Concept」の戦いはどうなっているのでしょうか

 前回のオートポリスから約1か月、ST-Qの規定でオートポリスをスキップしたBRZ CNFコンセプトは約2か月振りの参戦となります。
 
 この間、マシンはどのような進化を遂げたのでしょうか。

 進化の内容について、Team SDA Engineering監督の本井雅人氏に聞いてみました。

「第3戦(SUGO)でのクラッシュの修復でフロント周りは新品パーツに変更。

 それに加えて、これまでの知見・課題を元に、リアサスペンションのアップライトを量産車とは異なるモノを開発して採用。

 その目的は動きの線形性、クルマの唐突な挙動を抑えるのが目的で、アライメントも新しくなっています。

 もちろん、このアップデートはトヨタさんとも情報共有しています」

 このような進化について、ドライバーからはどのようなフィードバックがあったのでしょうか。

「リアの安定性が上がり、コントロールがしやすくなったと。
 なかでもこれまで厳しいコメントが多かった山内選手から『とっても良い!!』と聞き、ホッとしています」

 一方、GR86 CNFコンセプトはどのような進化を遂げたのでしょうか。

 開発責任者の藤原裕也氏に聞いてみました。

「車体のリア周りに手を入れています。

 ただ、後付けのブレースと言った対処療法ではなく、車体その物に手を加えているのがポイントです。

 このクルマには様々なセンサーを取り付けていますが、そのデータとシミュレーションを元にアップデートしています。

 車体側のアップデートに伴い、リアスタビライザーも新たな物をトライしています」

 この改良に関して、ドライバーからのフィードバックはどうでしょうか。

「従来は旋回からアクセルを踏んで立ち上がる所でちょっと裏切られる感じがあったのですが、その辺りはかなり改善されています。

 実はセットアップの煮詰めでリアスタビライザーは外していますが、クルマの仕上がりとしてはいい方向に向いています。

 もちろん、このアップデートはスバルさんとも情報共有しています」

#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptと#61Team SDA Engineering BRZ CNF Concept#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Conceptと#61Team SDA Engineering BRZ CNF Concept

 2人の話を聞いていると、悩みは共通ですが、その解決のためのアプローチ方法が違うのが興味深い所と言えるでしょう。

 土曜日の午後に行われた公式予選は、曇り空ながらドライコンディションで実施されました。

 予選タイムはA/Bドライバーの合算となりますが、結果は以下になります。

 ●ORC ROOKIE GR86 CNF Concept
 4分19秒922
 A:加藤恵三選手 2分10秒331
 B:山下健太選手 2分8秒098

 ●Team SDA Engineering BRZ CNF Concept
 4分20秒770
 A:廣田光一選手 2分11秒712
 B:選手 2分9秒497

 ちなみに2022年の予選タイムと比べると、BRZ CNFコンセプトは-0.815秒、GR86 CNFコンセプトは-0.719秒と2台の進化がタイムにシッカリと表れています。

 予選について本井監督は次のように語っています。

「着実に速くなっていますが、トヨタさんも更に速くなっています。

 でも、決勝はチーム力も試されるので勝負できると信じています」

 対して藤原氏は次のように話しています。

「もう少しイケると思っていましたが、この暑さでエンジンが本来の実力を発揮できておらず。

 32号車(GRヤリスDATコンセプト)も同様の問題を抱えており、その対策を共有して決勝に挑みます」

■灼熱の決勝! レースはトラブルが付きもの? 結果はどうなった?

 日曜日の決勝は予報では曇りとの事でしたが、朝から30度を超える暑さ。

 11時10分にフォーメーションラップがスタートし、決勝がスタートしました。

 BRZ CNFコンセプトはスタートから数周でGR86 CNFコンセプトを抜き先行しますが、スタート時のフライングオーバーテイクによりドライブスルーペナルティ。

 更にクラッチトラブル(フルード内の気泡発生)によりその差は拡大。

 しかし、GR86 CNFコンセプトも予想外のタイヤパンクでピットインを行なうなど、順位は時々刻々と入れ変わります。

 更に開幕戦から着実に速さを増しているマツダ3 Bioコンセプトもガチンコ勝負に加わり三つ巴の戦いに。

 最終的にはGR86 CNFコンセプトが先行し、BRZ CNFコンセプトに1周の差を付けGR86 CNFコンセプトがトップチェッカーとなりました。

 まさに勝負の行方がわからない白熱した戦いでしたが、どのようなことがレース中にあったのでしょうか。

 レース後に本井監督に聞いてみました。

「去年は悔しさに大泣きしました。

 今年も同じく悔しいものの『前向きな悔しさ』です。

 それはクルマの進化とドライバーのフィーリングにブレがなく、レースウィークの全体の流れと言う意味では、これまでのレースの中で最もよかったと思います。

 ちなみに事前に検討していたセットをレースウィークも変更することなく戦ったのは初めてかもしれませんね。

 その一方で、決勝中にいくつかトラブルがあり、改めてトラブルレスの重要性を感じました。

 次戦(岡山)はトヨタさんがスキップですが気を抜く暇はありません。

 マツダさんも確実に実力をつけていますし……」

#61Team SDA Engineering BRZ CNF Concept#61Team SDA Engineering BRZ CNF Concept

 続いて、GR86 CNFコンセプトの藤原氏です。

「ひと言で言えば5時間のレースですが長かったですね。

 このレースを落とすと今シーズン負け越しになってしまうので、勝負にこだわった所はありました。

 マシンのセットアップはレースウィークを通じていい流れでしたが、その一方でドライバーからは『スバル、ストレート滅茶苦茶速いよ』と無線がずっと飛んでいる状態でした。

 その上、彼らは燃費もいいので、改めてエンジンは課題として次に持ち越しかな…と思っています。

 岡山はスキップしますが、私自身は行きます。

 もうずっとピット張り付きで、チームビルドやお客さんの巻き込み方を含めて、色々と勉強させてもらいます」

#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Concept#28 ORC ROOKIE GR86 CNF Concept

※ ※ ※

 このように両チーム共にこれまでの成果と新たな課題が生まれましたが、今回の2台のシャシの進化を見ると、次期GR86/BRZに向けた準備が着実に進められている事が解りました。

 まだ、トヨタ/スバル共にトップの正式な開発Goは出ていませんが、先行開発としては確実に一歩前進したようです。

 次戦は10月21日-22日に岡山国際サーキット(岡山県美作市)で開催される3時間耐久になります。

 BRZ CNFコンセプトはGR86 CNFコンセプトがいない間にどのような進化・改善を進めるのか。

 そして、マツダとのガチンコ対決はどうなるのか。様々な面での期待が高まります。

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