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なぜ「後輪駆動」が好き? 乗用車では「前輪駆動」が普及する中、大型トラックやバスなど「商用車」が後輪駆動の理由とは

くるまのニュース / 2023年9月21日 20時10分

クルマには様々な駆動方式が存在し、ファミリーカーでは「FF」が広く普及している一方で、トラックやバスなどの商用車ではFRをはじめとした後輪駆動が根強く採用されています。一体なぜ、商用車では多くのファミリーカーとは異なる後輪駆動を採用しているのでしょうか。

■なぜ商用車は「後輪駆動」? ファミリーカーとの違いとは

 クルマの駆動方式(パワーユニットと駆動する車輪の位置)には、フロントエンジン+前輪駆動の「FF」や、フロントエンジン+後輪駆動の「FR」など様々な方式が存在します。

 乗用車では近年FFが一般的ですが、トラックやバスなどの商用車で広く普及しているのが、FRをはじめとした後輪駆動です。

 一体なぜトラックやバスの多くが後輪駆動を採用しているのでしょうか。

 FFやFR以外にも、四輪すべてが駆動する「4WD(AWD)」、そしてミッドエンジン+後輪駆動の「MR」と、リアエンジン+後輪駆動の「RR」があります。

 なかでもFFは比較的製造コストが抑えられたり室内空間を広く確保できるため、軽自動車やミニバンといったファミリーカーでの採用が多いのですが、一方でトラックやバスでは後輪駆動が一般的です。

 その理由として、商用車が持つファミリーカーとは異なる特性である「走行時に後輪に強い荷重が掛かる」ことによるものがあります。

 トラックもバスも、車体の後ろ寄りに荷物や乗客を乗せる構造を持つため、クルマの後方が重くなり、後ろのタイヤに強い荷重が加わります。

 そして荷重がかかった状態のタイヤを動かすには、より強いパワーが必要になるため、前輪駆動ではなく後輪に強い力を生み出す後輪駆動が採用されているのです。

 また、大型トラックは重い荷物を運ぶために強大なパワーが必要なのですが、フロントにエンジンを配置するFRならエンジンスペースを確保しやすく、大きなエンジンを搭載することが可能。よって、FRが採用される傾向にあります。

 一方で大型バスは、同じ後輪駆動でも後ろにエンジンを積んでいます。

 これはバスが乗客の居住性を重視しており、「広い車内空間を確保するため」です。

 FRだと、前方にあるエンジンからプロペラシャフトを通じて後輪に動力を伝えなくてはいけません。つまり、真ん中にプロペラシャフトを通すスペースが必要になります。

 しかし、RRであればエンジンが後部にあるためプロペラシャフトが不要となり、そのスペースの分も車内空間が広くできます。

 つまり、より多くの乗客を乗せることができ、さらに乗り込み易い低いフロア高を実現するなどの理由から、大型バスはRRを多く採用しているのです。

■しかし「FF」の商用車も存在する!正体は?

 先述したように、大型トラックやバスといった重い荷物や乗客を運ぶクルマは後輪駆動が基本です。

「軽バンの革命児」ともいえるホンダ「N-VAN」の駆動方式は?「軽バンの革命児」ともいえるホンダ「N-VAN」の駆動方式は?

 では、小さな商用車である「軽トラック」や「軽バン」はどうなのかというと、実はほとんどの車種において大型車と同じように後輪駆動を採用しています。

 これも大型車同様に「後輪に強い荷重が掛かる」のが理由で、たとえ軽商用車のボディ自体が小さくとも、後ろが重くなればフロントが浮き気味になり、前輪駆動だと走行できなくなる可能性があるためです。

 そのため、後輪に駆動力を伝えるためにFRやRR、MRあるいは前後輪すべてが駆動する4WDが多く採用されていました。

 しかし、軽バンなのに「FF」の駆動方式を採用したことで大きく話題になったモデルが近年に存在します。

 それが2018年に登場したホンダの「N-VAN」で、あえてFF方式を採用することで、貨物を積載するための荷室スペースを広く高くすることを実現しました。

 FFを採用することで気になるのが「駆動輪に荷重がかからなくなる問題」ですが、これについては最新の電子制御を用いたトラクションコントロールを採用することで対応。

 まさに「軽バンの革命児」ともいえるN-VANは、2022年度終了時点で約17万台を販売する大ヒットとなっています。

※ ※ ※

 このように、大型車をはじめとして重い荷物を積載したり乗員スペースに限りのある商用車では後輪駆動が普及していますが、N-VANのようにトラクションコントロール技術の向上によって、FFでもスムーズな走行を実現したモデルも近年では存在します。

 今後、電動化による構造の変化やメカニズムの進歩によって、N-VANと同じように前輪駆動のトラックやバスが珍しくない時代が来る可能性も夢ではないのかもしれません。

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