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駐車に便利な「360度モニター」どうやって上空から撮影してる? 「後付け」は可能なの? 先進サポート機能の“意外な構造”とは

くるまのニュース / 2023年9月22日 20時10分

近年のクルマには「360度モニター」という、自車を真上から撮影したような映像で駐車を支援してくれる便利な機能が搭載されたモデルが増えています。しかし、一体どのようにして「真上からの映像」をモニターに映しているのでしょうか。

■上空にカメラがある!? 「360度モニター」の撮影方法は

 近年登場している新型車の多くには、「360度モニター」という、自車を真上から撮影したような映像で駐車を支援してくれる便利な機能が標準搭載、またはオプションで設定されています。
 
 とくに死角が多かったり周囲が見にくい形状のクルマには効果的な機能のため、「もうこの機能無しではバック駐車できない」という人もいるかも知れません。
 
 そんな便利な360度モニターですが、一体どのようにして「真上からの映像」をモニターに映しているのでしょうか。

 360度モニターの仕組みはどのようになっているのかについて、ある国産新車販売店の店舗スタッフに質問したところ、以下の回答がありました。

「まるで真上にカメラがあるような360度モニターですが、実際に上空から映像を撮影しているわけではありません。

 実は、クルマの各位置に取り付けられているカメラからの映像を滑らかに合成処理することで、さも真上から見下ろしているように見えているのです」

 まず、世界で初めて「360度モニター」を実用化した日産(同社では「インテリジェント アラウンドビューモニター」という名称で展開)では、クルマの前後左右にある4つの広角カメラで周囲を撮影。

 その映像を映像処理ユニットで視点変換処理を行い、あらかじめ製作しておいた自車の上面の画像と合成して、まさに「真上から見た映像」を生成しています。

 他にも各社から様々な名称で360度モニターシステムが提供されていますが(トヨタは「パノラミックビューモニター」、ホンダは「マルチビューカメラシステム」、スズキは「全方位モニター」など)、いずれも4つのカメラと合成処理機能を用いて、真上からの映像をモニターに映し出しているということです。

■360度モニターは後付け可能?

 このように、車体に取り付けられた複数のカメラで撮影した画像を合成処理することで、さも上空から映しているようにクルマの周囲を見渡せる360度モニター。

 非常に便利である反面、高度な仕組みとなっているため、すでに購入済みのクルマや中古車に後から搭載することは出来るのでしょうか。

マツダでは「360°ビュー・モニター」の名称で採用されているマツダでは「360°ビュー・モニター」の名称で採用されている

 確認したところ、360度モニターを取り付けたいと思ってもメーカー純正品のものは基本的に「メーカーオプション」となっているため、あくまでも新車購入時に注文する必要があり、つまり後付けすることはできません。

 もし購入時に注文していない、または中古車を購入したという場合に360度モニターの装着を希望するのであれば、「社外品」の360度モニターで対応する必要があります。

 社外品の360度モニターの価格はピンキリで、2万円から3万円と比較的低価格帯のものもあれば10万円を超えるようなものもありますが、やはり高額な方が合成された映像も綺麗で、さらに映像と実際の位置の精度も高くなっています。

 もちろん本体価格に加えて取付工賃も必要で、さらにパーツ脱着が必要となる場合はそれなりの金額になりますので、希望の性能と価格のバランスを見て選択すると良いでしょう。

 このように、便利かつ人気のオプションとなっている360度モニターですが、ディーラーの販売員によると「位置によっては映像に映らない部分や物体もある」とのこと。

 まるで真上から見ているような映像ですが、それはあくまで合成によるもの。あくまでも補助機能と捉えて過信せず、しっかりと目視も併用して周囲を確認することも大切です。

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