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まさかのガルウイング採用! ポップなダイハツ「斬新軽バン」はめちゃ実用的!? 当時は“最先端すぎ”でも今登場が求められるクルマだった

くるまのニュース / 2023年10月2日 12時10分

ダイハツが2015年の東京モーターショーで世界初公開した斬新軽バン「テンポ」はどのような特徴があるのでしょうか。

■まさかのガルウイングドア採用! FFのメリットを最大化

 国内最大の自動車展示会「東京モーターショー」ではさまざまな新型車やコンセプトカーが発表されてきました。次回の開催は2023年10月ですが、名称が変更されて新たに「ジャパンモビリティショー」として開催されます。
 
 そんな東京モーターショーのなかでも、ダイハツは2015年に、新たな軽商用バンの形を追求した斬新なバンを世界初公開していました。

 2015年10月29日から11日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で第44回東京モーターショー2015が開催されました。

 2015年は、円安や国際航空路線の拡充、ビザ発給要件緩和などを背景に訪日外交人の数が急増した年で、「爆買い」が流行語に。一方で、世界各国でテロが発生し、ギリシャでの金融危機、安保法案の成立など、日本および世界においても大きな動きがあった年でした。

 東京モーターショー2015ではショーテーマ「きっと、あなたのココロが走り出す」のもと、記念イベント「東京モーターショー60周年記念パレード」の開催やFCA(フィアット クライスラー オートモービルズ・当時)グループの4ブランドの8年ぶり出展や、メルセデス・マイバッハの出展再開、フランスのDSが初出展するなど、海外ブランドの多くも東京モーターショーに復帰しました。

 ダイハツでは、4車種4台の参考出品車と10台の市販車などを出展。そのなかの1台が、「TEMPO(テンポ)」でした。

 テンポは新しい軽商用バンで、当時ダイハツは「軽商用車の新しいカタチとしてFFプラットフォームを最大限に活用した“新ジャンルスペース系商用車”を提案」すると説明していました。

 軽商用バンといえば、エンジンを運転席フロア下に積載し、後輪を駆動するFRプラットフォームを採用していることが一般的ですが、TEMPOではFF(前輪駆動)とすることで、室内空間の自由度が広がるといいます。

 ボディサイズは全長3395mm×全幅1475mm×全高1995mm、ホイールベースは2455mmで、パワートレインは直列3気筒ターボエンジンにATを組み合わせています。

 エクステリアは鮮烈なオレンジ色とブラックのルーフが特徴で、スーパー軽ハイトワゴン「タント」とも共通性を感じさせるデザインですが、左側には乗降用のドアはありません。

 その代わり、大型トラックのウイング車のように、側面中心付近からルーフ近くまで大きく開くガルウイングドアを採用。LED照明を備えることで、ショーウインドウのような姿に変身します。

 側面下部にはデジタルサイネージを装備し、お店の看板として活用できるといいます。

 ガルウイングドアを開けると、カウンターテーブルが出現し、移動カフェのような空間を設けることができます。

 東京モーターショー会場では、このカウンターテーブルにコーヒーマシンなどが置いてあり、ガルウイングドアに「OPEN」の札が掲げられるなど、カフェのように展示されていました。

 テールゲートは横開き式で、そのほとんどがガラスとなっており、中央に設けられた棚に商品を飾ることができるほか、リアからも店の様子が確認できるようになっています。

 インテリアは直線基調のインパネにホワイトとオレンジを基調としたポップなカラーでコーディネートし、助手席は移動販売時前方に折り畳める構造となっています。

 軽商用バンとしてはフロア高もかなり低く、新たな移動販売車として注目の存在でしたが、残念ながら直接的な市販モデルは登場していません。

 一方で、かつてダイハツは「ミラ」をベースにハイルーフ化し、移動販売車などに向けた「ミラ ウォークスルーバン」を用意していました。

 ほかにも、FFプラットフォームを採用したモデルとしてはホンダ「N-VAN」があり、広い室内空間や低いフロア、センターピラーを廃したことや、フロアとフラットになる助手席の格納機能などから商用ニーズのみならず、一般ユーザーにも人気を博しています。

 コロナウイルス感染拡大後、減少する飲食店を横目に、ランニングコストも低く店外で販売できる新たな手法として、キッチンカー(フードトラック)のニーズが拡大しました。

 災害時においても被災地に駆けつけ、被災者に食を届けられるという面でも注目を集めていますが、もしテンポが市販化されていれば、こうした利用方法で支持されていたかもしれません。

※ ※ ※

 このテンポのように市販化が叶わなかったものの、後に登場する市販車に一部の機能やデザインが活かされているケースも数多く存在するほか、最新技術の一部は現代と同じ発想でブラッシュアップされ続けています。

 59年ぶりに名称が変更されて新たに生まれ変わるジャパンモビリティショーでは、新時代のクルマへ大きな変化をもたらすコンセプトカーの登場に、ますます期待が膨らむばかりです。

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