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なぜクルマのウインカーは「オレンジ色」なの? ブレーキ「赤色」は見やすいから? 法規だけじゃ語れない採用のワケ

くるまのニュース / 2023年9月26日 9時10分

クルマのブレーキは「赤色」、ウインカーは「オレンジ色」と法規で決まってますが、そもそもなぜウインカーはオレンジ色なのでしょうか。

■なぜウインカーはオレンジ色?法律だけではないその理由

 ウインカーの色がオレンジ色であるというのは、クルマに乗るユーザーなら不思議に思うことすらないほど当たり前のことかもしれません。
 
 しかし、その理由を考えてみると意外にも奥が深いようです。

 ウインカーは、公道を円滑に走行するために必要不可欠な存在であると同時に、クルマのデザイン上のアクセントとしても重要な役割を果たしています。

 近年では、よりデザイン上の自由度の高いLEDランプが主流となっていることにくわえ、2014年にはいわゆる「流れるウインカー(シーケンシャル・ウインカー)」が解禁されたことで、エクステリアデザインにおけるウインカーの重要性はさらに高まっています。

 一方、ウインカーの色については、ほぼすべてがオレンジ色となっており、それ以外の色のウインカーを見ることは皆無です。

最近では特殊な形状のウインカーも増えている最近では特殊な形状のウインカーも増えている

 なぜ、ウインカーの色はオレンジ色なのでしょうか。

 この問いに対する最も簡便な回答は「法律によって規定されているため」というものです。

 ウインカーの色は、道路運送車両法によって「方向指示器(ウインカー)の灯光の色は、橙色(オレンジ色)であること」と定められており、それ以外の色は認められていません。

 正確に言えば、あくまでも灯光の色がオレンジ色であればよいため、クリアレンズを使用することは問題ありません。

 また、オレンジ色の濃さについて厳密なカラーコードの指定があるわけではなく、検査官の目から見てオレンジ色に見えればよいとされています。

 ただ、ヘッドライトのような白色やブレーキランプのような赤色をはじめ、ウインカーにオレンジ色以外の色を使用することは禁止されています。

 ウインカーの色に関する規定は、1973年に道路運送車両法が改正された際に追加。そのため、それ以前に登録されたクルマであれば、白色のウインカーであっても違法ではありません。

 このように、ウインカーの色は道路運送車両法によってオレンジ色であることが規定されているため、ほかの色のものを使用することができません。

 しかし、道路運送車両法では、なぜオレンジ色が採用されたのかについての具体的な説明はありません。この謎を解くためには、さらなる深掘りが必要なようです。

■大航海時代の船のルールがウインカーの色に影響?

 ウインカーの色がオレンジ色である理由を解き明かすためには、ブレーキランプの色がなぜ赤であるのかが深く関わっているようです。

 赤は信号の「止まれ」の色に代表されるように、危険を表す色として世界中で普遍的に用いられています。

 ただ、人間は太古の昔から赤を危険を表す色として認識していたわけではなく、その起源は大航海時代のヨーロッパにあったと言われています。

 多くの船が海を行き交うようになった当時、夜間に船同士が接触するのを避けるための信号が開発されました。

 信号の色には、できるだけ目立つように色の3原色である緑と青、そして赤を利用することが提案されました。

 しかし、当時の技術では青く発光させることが難しかったことや、青と緑の区別が言語や地域によってあいまいであることなどの理由から、最終的に緑と赤の2色が使用されることになったようです。

 そのなかで、赤は「止まれ」、緑は「進んでもよい」という現在の交通ルールの起源が成立したと言われています。

 ちなみに、当時は直感的に赤が「止まれ」を意味するようになったと考えられていますが、現代の研究によれば、赤は可視光線のなかでも最も低い周波数を持った色、つまり最も遠くから視認できる色であることが科学的に証明されています。

信号待ちで後方からみたホンダe。この後姿…可愛すぎる! なおウインカーは丸形に点灯信号待ちで後方からみたホンダe。この後姿…可愛すぎる! なおウインカーは丸形に点灯

 赤は「止まれ」、緑は「進んでもよい」という基本ルールは、その後鉄道や航空機にも用いられるようになったことから、さらにその後に登場した自動車でも適用されることはごく自然な流れだったと考えられます。

 このことから、ウインカーの色を考えるよりも先に、ブレーキランプが赤であることが決定していたことがわかります。

 そしてウインカーの色は、赤色のブレーキランプと混同せず、なおかつ後続車がしっかりと視認できる色である必要であることから、赤の近似色であるオレンジ色が採用されたと考えられます。

※ ※ ※

 現在ではほとんどの国や地域でウインカーの色はオレンジ色と規定されていますが、アメリカではウインカーの色に対する規制が少ないことから、ブレーキランプと同色の赤いウインカーのクルマを見ることができます。

 そのおもな理由は、複数の色を使わずにすむことによるコスト削減にあるとされています。

 一方、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)によるある調査では、オレンジ色のウインカーを使用しているクルマのほうが衝突事故の危険性が低いという結果も出ていることから、近年ではアメリカでもオレンジ色のウインカーを採用するクルマが増えているようです。

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