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なぜスバルはいま「都市型SUV」を発表した? 新型「レイバック」で企業イメージ変わるか 第4のSUV投入の狙いとは

くるまのニュース / 2023年9月27日 7時10分

スバルからまもなく発売される新型SUV「レイバック」は、「都市型SUV」であるという点で、スバルの既存のSUVとは大きく異なる性格を持っています。なぜ、スバルはこのタイミングで新たなSUVを投入してきたのでしょうか。

■「都市型SUV」のレイバックは誰がターゲット?

 2023年9月7日、スバルは新型SUV「レイバック」の先行予約を開始しました。
 
 なぜ、スバルはこのタイミングで新たなSUVを投入してきたのでしょうか。

 レイバックは、スバルのステーションワゴンである「レヴォーグ」をベースとしたSUVであり、「アウトバック」や「クロストレック」、そして「フォレスター」に加わる第4のSUVとなります。

 SUVが全盛の昨今では、ラインナップに多くのSUVを持ちたいとスバルが考えるのはごく自然なことです。

 さらに、そのベースとなるのが国内専用車のレヴォーグであるという点も、非常に合理的な判断と言えます。

 一方、スバルはレイバックを「都市型SUV」と表現しています。

 これまでのスバルのSUVは、アウトドア志向の「ラギッド(無骨)」なイメージが強く、むしろそうした点がユーザーから高く評価されてきました。

 にもかかわらず、なぜレイバックは「都市型SUV」としての性格が強調されているのでしょうか。

 この点については、スバルの持つ事業構造が大きく関わっているようです。

 スバルが日本の自動車メーカーであることは言うまでもありませんが、2023年度にグローバルで販売した85万2000台の新車のうち、日本市場で販売されたのはわずか10万台程度にすぎません。

 スバルは、全販売台数のおよそ70%にあたる59万2000台を米国で販売しており、日本の自動車メーカーのなかでも飛び抜けて米国依存率の高い事業構造となっています。

 そうした背景のなかでは、米国のユーザーのニーズを優先したクルマづくりをせざるを得ません。

 スバルのSUVが「ラギッド」なイメージが強いのも、米国のユーザーがそれを求めているためと言っても過言ではありません。

 そして、スバルの既存のSUVであるアウトバックやクロストレック、フォレスターはいずれも米国でも販売されているモデルです。

 そういった意味では「日本のユーザーのためだけのモデル」とは言えず、日本市場のニーズに合わせたモデルが求められていました。

 日本のユーザーがSUVに求めているものは、必ずしも「ラギッド」なイメージではありません。

 その証拠に、売れ筋のSUVであるトヨタ「ヤリスクロス」「カローラクロス」「ハリアー」やホンダ「ZR-V」「ヴェゼル」、マツダ「CX-5」などは、いずれも都市型SUVの印象の強いモデルです。

 つまり、これまで「ラギッド」なSUVしかラインナップしていなかったスバルにとって、都市型SUVは新たなユーザーを獲得するために必要不可欠な存在だったと言えます。

■レイバックが背負う「スバルの未来」とは

 一方、レイバックの投入には、都市型SUV需要に応えるという以上の意味があるようです。

 あるスバル販売店関係者は次のように話します。

「2023年8月、スバルは電動化に関する方針を発表し、2028年末までに計8モデルのBEVを投入することを明らかにしました。

 さらに、2030年には新車販売におけるBEV比率を50%にまで高めることも宣言しており、電動化に対する真剣さをアピールしています。

 ただ、現状のスバルにBEVのイメージを持つお客様はそれほど多くはありません。

 むしろ、無骨なイメージの強いスバルは、電動化とは無縁のブランドと感じていらっしゃるお客様も多いのではないかと思います。

 しかし、BEVを好むお客様はどちらかと言えば都会的な人が多い印象です。

 来るべき電動化の時代に向けて、そうしたお客様にもご興味を持っていただくためには、レイバックのような都市型SUVがどうしても必要でした」

スバル新型「レヴォーグ レイバック」スバル新型「レヴォーグ レイバック」

 これまでのスバルは「水平対向エンジン」や「シンメトリカルAWD」といった独自のパワートレインが高く評価され、いわゆる「スバリスト」と呼ばれる熱狂的なファンを多く集めてきました。

 ただ、BEVでは、スバルの培ってきたパワートレイン技術をそのまま活かすことができません。

 一方、近年のスバルは「アイサイト」をはじめとする先進安全運転支援システムによって、高い安全性を誇る自動車メーカーという認識も広まっています。

 言うまでもなく、安全性はBEVにおいても最も重要な要素のひとつです。それにくわえて、レイバックの特徴である快適性かつ洗練された空間もクルマにとって普遍的な要素です。

 つまり、レイバックはスバルにBEVの時代にも活きる新たな付加価値を与えるという重要な使命を背負っているとも言えます。

※ ※ ※

 都市型SUVのパイオニアとも言えるハリアーは、それまでアウトドア志向のユーザーに向けたモデルがほとんどであったクロスオーバーSUVというカテゴリーに対して、高級感や快適性といった新たな価値を与えたことで、一躍ヒットモデルとなりました。

 「くつろいだ」「ゆったりした」という意味を持つ「LAID BACK」に由来するレイバックも、これまでにはない新たな価値を提供することができるのかに注目が集まっています。

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