トヨタが全長5m超えの新型「クラウン」発売へ なぜ「正統派セダン」投入される? 揺るがない立ち位置とは
くるまのニュース / 2023年9月28日 7時10分
2023年秋に発売を予定しているトヨタ新型「クラウンセダン」ですが、セダンが不遇の時代と言われる中でなぜあえて登場するのでしょうか。そこにはクラウンならではの理由が考えられます。
■流行り廃りとは関係のない位置にいるクラウンセダン
まもなくトヨタ新型「クラウンセダン」が登場します。
セダンにとっては不遇の時代と言える現代において、新型クラウンセダンはどういった需要があるのでしょうか。
2023年秋にも登場する予定のクラウンセダン。
2022年7月に世界初公開されて以降、徐々にその詳細が明らかになってきました。
現在では内外装のデザインやボディサイズに加えて、パワートレインにはHEVとFCEVが採用されることも判明しています。
クラウンセダンは、クロスオーバーSUVを中心とする新たなモデル群として生まれ変わった新生クラウンシリーズのなかで、歴代の面影を残す唯一の存在です。
トヨタ自身、クラウンセダンを「正統派セダン」と称しているように、そこには多くのユーザーがイメージするとおりの「セダンらしさ」があります。
一方、現在はセダンにとって不遇の時代です。
多くのラインナップを有するトヨタでさえ、国内で販売するセダンは「センチュリー(セダン)」と「カローラ」などごくわずかであり、販売台数に占める割合は極めて低いのが実情です。
ちなみに、トヨタの公式サイトでは「プリウス」もセダンにカテゴライズされていますが、ファストバックスタイルのプリウスは、多くのユーザーがイメージするセダンとはやや異なります。
実際、SUVやミニバンが台頭している現代では、セダンを選ばなければならない理由は薄れつつあるのも事実です。
しかし、クラウンのセダンに限って言えば、そうした流行り廃りを超えたニーズが存在しています。
特に「フォーマルさ」が求められる場面では、やはりクラウンのセダンが最適とされるケースが多くあります。
たとえば、近年では政府の要人や大企業の役員などのVIPの移動にトヨタ「アルファード」のような高級ミニバンが使用されるケースも増えています。
しかし、式典への参列だったり、あるいはお客様をお迎えにあがったりする際には、やはりセダンが重宝されるようです。
また、VIPのなかにはミニバンやSUVを好まない層も一定数存在するといい、そうした意味でもセダンでなければならないケースは少なくないようです。
そうした視点で見たとき、センチュリー(セダン)はあまりに別格であり、カローラなどではあまりに役不足です。
フォーマルさをクルマに求めた際、ボディサイズや機能といったハードウェアはもちろん、そのクルマの持つ歴史やブランドといったソフトウェアの部分も重要となります。
その点、クラウンには歴史に裏打ちされた確固たる地位があり、どんな場面でも役不足となることはありません。
そういった意味では、「クラウンサイズのセダン」が必要なのではなく、あくまで「クラウンのセダン」でなければならなかったのだと言えます。
■クラウンセダンは「中小企業経営者」からも絶大な支持?
また、クラウンセダンには、歴代クラウンの需要を下支えしていた中小企業の経営者の受け皿になることも期待されているようです。
日本には非常に多くの中小企業が存在している一方、その多くは大企業からの業務を下請けすることで利益を得ています。
そうした構造から、十分な利益が出ていたとしても、見るからに高級なクルマで取引先へと乗り付けることははばかられると言います。
ある中小企業の経営者は次のように話します。
「レクサスやドイツ系プレミアムブランドは、比較的安価なモデルであったとしても『いいクルマ』という印象を持たれてしまうので避けています。
もちろん、乗っているクルマが理由で取り引きが停止することはないのですが、相手を不快にさせないようにする気遣いという意味で、一種のビジネスマナーのようなものだと思っています。
とはいえ、社長があまりに安いクルマに乗っているのも見栄えが悪く、また社員の士気にも関わります。
その点、クラウンは『中小企業の社長の乗るクルマ』というイメージが強いので、悪目立ちすることがありません」
2022年12月、2023年4月に開催された中国のモータショーでお披露目された「クラウンセダン」 中国でも高い関心が寄せられている
こうした「一種のビジネスマナー」も「クラウンのセダン」が必要であった理由のひとつと考えられます。
「一種のビジネスマナー」と上述した「フォーマルさ」に共通しているのは、どちらも社会的・文化的なものであるという点です。
それは長い歴史のなかで培われてきたものであり、人々の感情の奥底に根付いているものであるため、良くも悪くも簡単に変えられるものではありません。
もちろん、こうした傾向も将来的には変化していくと考えられますが、クラウンセダンについては、今後しばらくは堅実な需要があると言えそうです。
※ ※ ※
クラウンセダンは、中国でも展開されることが確実視されています。
中国では現在でもセダンが一定の需要があるとされていますが、中国のユーザーが「面子(メンツ)」を重んじることが大きな理由と言われています。
それは日本でクラウンセダンがいまなお重宝されていることと良く似ています。
そうした背景にくわえ、特に中国南部では日本車のブランド力が高いことを考えると、クラウンセダンは中国でも十分な勝機があると言えるかもしれません。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
トヨタの老舗ブランド「カローラ」なぜ複数モデルを展開する? セダン・ワゴン・SUVにかつてはミニバンも存在!? “シリーズ化”のメリットとは?
くるまのニュース / 2024年7月9日 14時50分
-
トヨタ新型「“GR”クラウン」!? 期待高まる「フェラーリ!?なSUV」! 迫力エアロが超カッコイイ「クラウンスポーツ」CGの仕上がりとは
くるまのニュース / 2024年7月3日 11時50分
-
トヨタ高級車「新型クラウン」なぜ“4車種”も存在? しかも「SUVタイプ」が3車種!? 過去のイメージ覆す「革新と挑戦」の理由とは
くるまのニュース / 2024年6月27日 12時30分
-
ジャパニーズショーファーカーの決定版? レクサス「LM」の後席を試す
マイナビニュース / 2024年6月26日 11時0分
-
トヨタ新型「カローラ」いつ登場!? 新パワートレイン搭載で「めちゃ燃費アップ」も? デビュー6年目の「超人気セダン&ワゴン」次期型どうなるのか
くるまのニュース / 2024年6月21日 19時10分
ランキング
-
1マクドナルドが「ストローなしで飲めるフタ」試行 紙ストローの行方は...?広報「未定でございます」
J-CASTニュース / 2024年7月17日 12時55分
-
2申請を忘れると年金200万円の損…荻原博子「もらえるものはとことんもらう」ための賢者の知恵
プレジデントオンライン / 2024年7月17日 8時15分
-
3「再配達は有料に」 ドライバーの本音は
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年7月17日 6時40分
-
4永谷園、MBO成立=今秋にも上場廃止
時事通信 / 2024年7月17日 20時36分
-
5大谷翔平の新居「晒すメディア」なぜ叩かれるのか スターや芸能人の個人情報への向き合い方の変遷
東洋経済オンライン / 2024年7月16日 20時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)