自衛隊の「パジェロ」は個人で買える? 中古車市場で見かけるも…! 6人乗り「1/2tトラック」とは
くるまのニュース / 2023年10月9日 17時10分
自衛隊が所有する1/2tトラックは、一般人でも購入することは可能なのでしょうか。
■自衛隊の1/2tトラックとはどんなクルマ?
自衛隊が所有する車両の中でも見かける機会が多いのが通称「パジェロ」と呼ばれる「1/2tトラック」です。
この1/2tトラックは、一般人でも購入することは可能なのでしょうか。
三菱が製造する1/2tトラックは、2代目「パジェロ(ショート)」をベースに造られ、基本的に汎用トラックとしてほとんどの部隊に装備されている車両です。
なお以前は、三菱「ジープ」をベースに「73式小型トラック」として存在しましたが、現在では後継として前述のパジェロをベースに開発され、車名も1/2tトラックとなっています。
1/2tトラックのボディサイズは全長4140mm×全幅1765mm×全高1970mmの6名乗りです。
見た目は自衛隊仕様にデザインされた「オリーブドラブカラーのボディとなり、ボディ四隅には無線機ラック、さらにリアにはスコップと燃料タンクが備わっているを取り付けるカーゴがついているのも特徴的。
内装もオリーブドラブカラーとなり、ダッシュボードには大きなアシストグリップが備わるなど全体的に無骨なデザインです。
また基本は4人乗りですが、後方スペースに横向きの簡易椅子も備わり、最大6名乗車が可能。
またエアコンやラジオといった基本装備や、トランスミッションがオートマックなど使い勝手も73式小型トラックから向上しているといいます。
なお前席ドアには灰皿が備わっていますが、現在では禁煙となっており使われることは無いと言います。
走行性能は、73式小型トラックからは飛躍的に向上し、安定した高速走行、悪路走行が可能です。
主に指揮官車として運用される他、人員、資材の輸送としても幅広く運用されています。
1/2tトラックについて自衛隊広報担当者は次のように話しています。
「乗り心地に関しては、乗用車並とは行きませんが73式小型トラックよりは向上しています。
また1/2tトラックは主に指揮官の移動用として使われ、年に1回ほど実務に関するテストなどが行われます。
その他、1/2tトラックについている装備で例えばヒューズなどを交換した場合は、その都度申請をあげるなど使用に関しても細かなルールが存在します」
■そんな自衛隊の73式小型トラック&1/2tトラックは個人で買うことは出来るのか?
では、73式小型トラック&1/2tトラックは個人で買うことは出来るのでしょうか。
まず、このような車両の入手手段として思いつくのは「払い下げ」という方法です。
実際に救急車や消防車などは、入札によって民間に払い下げられることがあります。
しかし、自衛隊の車両については、自衛隊内の通達で「防衛専用品」とされ、使われなくなった場合には以下のように解体することが決まっています。
「そのまま使用できないか又は復元できないよう破壊、切断等の措置を行う。
この際、保全上必要な部位又は悪用されるおそれのある部位は完全に破壊する」
このため、自衛隊で役目を終えた73式小型トラック&1/2tトラックが市場に出回ることは基本的にはなく、いわゆる「スクラップ」として民間の契約業者へ引き渡されます。
また同通達では「売払いに当たっての事前措置」として「陸上自衛隊の使用する標識、その他の製品の標示、銘板、部隊標示及びこれらに類似したものはすべて抹消又は除去する」とも定められています。
これは、駐屯地内の自衛隊員の手によって銘板や特殊なライト、桜のマーク、そのほか備品や予備機材となる箇所を取り外したうえで、業者に引き渡されるようです。
また、一般競争入札における陸上自衛隊仕様書内の一般事項では、引き渡し時と引き渡し後の措置として「車両を解体することなくそのまま引き取る」、「引渡後は、復元して車両としての再利用は絶対にしない」「引渡後は速やかに鉄屑、リサイクルの処分を実施する」と記されています。
つまり、標識や銘板などを除去された車両は解体されることなく業者に引き渡されるものの、引き渡し後に車両として再利用することが認められていないだけでなく、速やかにリサイクルの処分を実施することが求められています。
イベントなどでも展示されていることがある「1/2tトラック」
このようなルールが存在するため、73式小型トラック&1/2tトラックをはじめとする自衛隊車両をそのまま入手することはできません。
しかし、中古車市場を見ると「自衛隊車両」として73式小型トラック&1/2tトラックが流通していることがあります。
これは見た目を自衛隊仕様にしているだけのレプリカの場合が多いようですが、中には本物も存在するようです。
とくに海外に流出したケースは過去にも存在し、ルール徹底ならびに業者に引き渡したあとの管理が不十分故に車両として機能する状態で残っていると考えられます。
なお防衛省側でも海外流出した事態を把握しており、調査に乗り出しているようです。
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