日産が新型「高級SUV」を発表か 全長5m超え斬新デザインの「ターボモデル」登場! 実車展示で反響も凄かったモデルとは
くるまのニュース / 2023年10月3日 18時10分
中国の政府機関ウェブサイトに日産が年内に発表を予定している新型SUVが登場しました。いったいどのようなクルマなのでしょうか。
■中国向け新型日産 パスファインダー、2リッターVCターボ搭載で年内登場へ
日産が年内に発表を予定している新型SUVが、中国の政府機関ウェブサイトに登場しました。いったいどのようなクルマなのでしょうか。
日産は2023年4月に開催された上海モーターショー2023にて、中国向けとなる新型「パスファインダー」のコンセプトモデルをお披露目。その後同年6月には日本の「日産グローバル本社ギャラリー(横浜市西区)」でも展示されてます。
その際にはユーザーから「このデザインのSUVが欲しい」、「日産の最新デザインがカッコいい」というような声が見受けられました。
そんなパスファインダーは、日産が海外の各市場向けに展開しているミドルサイズSUVとなり、2代目までは「テラノ」として日本でも販売されていました。
1985年に登場したパスファインダーは3代目より製造も販売も完全に海外で行われる海外専売車種となり、現在は5代目モデルが販売されています。
3.5リッターV型6気筒から繰り出されるパワー、そして全長5021mm×全幅1979mm×全高1801mmの大型ボディは主に北米や中東市場で大いに支持されており、日産の売れ筋SUVのひとつです。
一方で、SUVが同様に人気である中国市場ではパスファインダーは投入されておらず、中国では「テラ」がラインナップの中で最も大きいSUVになっていました。
中国で発表された新型パスファインダーは北米などで販売されているモデルとはまったく異なる中国専用モデルです。
日産「アリア」から採用されている新世代のデザインランゲージを採用したことにより、さらに洗練された「都市型SUV」の印象を与えます。
中国向けのパスファインダーは中国人のデザイナーが中国の購買層を想定してデザインしたとしており、日産の持つ美学と中国独自のエッセンスが融合した、美しい1台に仕上がっています。
気になるスペックですが、上海モーターショー2023では明かされず、2023年第4四半期に量産型を公開するとしか予告されていませんでした。
そんな中、中国向けパスファインダーの量産型に関する情報が、中国の政府機関ウェブサイトより判明しました。
この情報が判明したのは中華人民共和国工業情報化部(通称:工信部)の公式サイトです。
工信部は日本でいうところの経済産業省や総務省の業務を扱う機関となり、中国では自動車メーカーが中国国内で製造する新型モデルを正式発表する前に、その情報を工信部に届け出る必要があります。
2023年9月に公開された最新の届出情報では新型パスファインダーの画像、そしていくつかのスペックが確認できます。
エクステリアデザインは上海モーターショー2023で公開されたコンセプトモデルより変わっておらず、基本的に同一のデザインとなります。
違う点は前後のセンサー類や牽引フックカバーの追加、そしてリアのリフレクター形状の変更などです。
また、製造・販売を担当する中国における日産の合弁会社「東風日産」、パワートレインを表す「380 VC-TURBO」、そして駆動方式「4×4-i」のエンブレムも量産型の写真では確認できます。
コンセプトモデルのフロントグリル上部やリアに存在した光る日産エンブレムや車名エンブレムが量産型にも装着されるかは不明です。
ホイールのデザインはコンセプトモデルと同一ですが、コンセプトモデルのタイヤサイズが275/50R21だったのに対し、量産型は255/60R20と記載されており、より現実的なサイズへ変更されたのがわかります。
ボディサイズは全長5130mm×全幅1981mm×全高1767mm、ホイールベース2900mmとなっており、これも初めて明らかとなる情報です。
北米などで販売されているパスファインダーよりも全長と全幅は大きいですが、全高は低くされており、よりスポーティーな印象が感じられます。
オプション装備を写した画像からは、ショルダーラインより上がピアノブラックに塗装されるツートン仕様も選択可能であることがわかります。
パノラマルーフは標準装備となっているほか、ルーフレールの設定も「なし」「ブラック」「シルバー」から選べるようです。
■日産の全長5m超え新型「パスファインダー」は中身も凄そう?
また、秘匿されていたパワートレインも明らかとなりました。
情報にはエンジンが「KR20」と記載されていることから、KR20DDET型2.0リッター直列4気筒ターボエンジンであることがわかります。
KR20DDETは日産の海外向けプレミアムブランド「インフィニティ」が展開する「QX50」、「QX55」、「QX60」といったSUVのほか、海外専売セダン「アルティマ」にも搭載されているエンジンです。
「VCターボ」と呼ばれる圧縮比を可変させる機構を搭載しており、状況によって燃費重視の高効率エンジンか、出力重視のハイパワーエンジンかを切り替えられるエンジンになります。
圧縮比は8から14の間で変化し、排気量も圧縮比14の場合は1970cc、圧縮比8の場合は1997ccです。
日本では2022年に登場した4代目エクストレイルが、VCターボを採用するKR15DDT型1.5リッター直列3気筒ターボエンジンをe-POWERの発電用として搭載していることでお馴染みです。
日本でも設定してほしい新型「パスファインダー」
リアの「4×4-i」エンブレムから、新型パスファインダーの四輪駆動モデルは日産の電子制御式四輪駆動システムを搭載することがわかります。
また、「4×4-i」エンブレムが装着されていないモデルの画像も確認できるため、四輪駆動モデルに加えて前輪駆動モデルも用意されると推測できます。
搭載エンジンとホイールベースは中国向け「QX60」と同一ですが、QX60自体が北米向けパスファインダーをベースにしているため、中国向けパスファインダーも北米向けモデルと車台を共用していることが推測できます。
※ ※ ※
発表時期は2023年第4四半期とされていますが、具体的な時期は不明です。筆者の個人的な推測では2023年11月に開催される広州モーターショー2023で何らかの発表があるのではと見ています。
中国市場では中国ブランドの人気が急進的に伸びており、日産のシェアは減少傾向にあります。
このような状況下で日産はシェア回復を図るために新車種ラインナップを前倒しで投入するとしています。中国の消費者を意識した新型パスファインダーがどのように受け入れられるか、注目です。
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