車内音響をスマホで簡単測定! アルパインのトヨタ「ハイエース」に最適なサウンドシステム「OPTM8-HI」をいち早く体験してみた
くるまのニュース / 2023年10月10日 20時40分
アルパインからトヨタ ハイエース用に、室内に最適なサウンド空間を創りだす専用OPTMサウンドシステム「OPTM8-HI」が発表されました。価格は21万7800円(税込み/取り付け費別)で、11月下旬に販売開始されます。
■ハイエースオーナーの声から生まれた新製品
アルパインマーケティング(以下、アルパイン)は2023年10月1日、トヨタ ハイエース用に、8チャンネルDSPパワーアンプなどを採用して室内に最適なサウンド空間を創りだすハイエース専用OPTMサウンドシステム「OPTM8-HI」を発表しました。価格は21万7800円(税込み/取り付け費別)で、2023年11月下旬に販売開始されます。
アルパインによると、ハイエースオーナーから室内のサウンド環境をよりよくしたいという要望が多く寄せられているといいます。中でも「セカンドシートが荷室を生かすためのポジションにあるためリアスピーカーの音が聞こえづらい」「エンジンノイズやロードノイズで走行中に音が聞こえにくい」「低音域を増強したくてもサブウーファーの設置場所がない」さらには、「車中泊やキャンプ仕様として荷室をカスタマイズしたり、アウトドア、スポーツなどの道具を満載したりしていると、音響空間としての環境が悪くなる」といった不満があるとしています。
アルパインではこうしたサウンドの不満解消に向けて、純正交換用スピーカーや専用のツィーター取り付けキットなどがラインナップされていますが、今回新たにハイエースの室内空間全体のサウンドを最適化し、前席でも後席でも心地よいサウンドが楽しめるハイエース専用OPTMサウンドシステム「OPTM8-HI」が発表されました。
「OPTM8-HI」は、8チャンネルDSPパワーアンプ「PXE-C80-88」に音響チューニング用スマートフォンアプリ(iPhone専用:Appストアよりダウンロード)、「ルーフスピーカー」(前席ルーフ×2/後席ルーフ×2)、「ドアウーファー」(フロント×2)、ハイエース専用取り付けキット(フロント用バッフルボード、アンプ取り付けステー、配線用ケーブル)がセットになっている製品です。OPTMとは「Operate Time domain and Magnitude」の略称であり、これまで行われていた特定一点での音圧測定によるサウンドチューニングに対して、車室内を空間としてとらえた音響測定を行うことが特徴となっています。
「PXE-C80-88」は、音場を整えるDSP(Digital Signal Processor)と8チャンネルパワーアンプを一体化、独自の音響調整機能により奥行きと広がりのあるサウンド空間が生み出されるといいます。音響調整は、従来のような車室内の特定の一点ではなく全体の「音響パワー体積密度(APVD)」を空間的に測定。音響チューニングスマートフォンアプリ(iPhone専用)により約5分間で自動チューニングが行えるとしています。システムであるルーフスピーカー、ドアウーファーに後部純正スピーカーを加えた8スピーカーで、ユーザーのハイエースに最適なサウンド空間が創りだされるそうです。
さらに、前後のルーフに装着できる50mmのルーフスピーカーで立体的な音創りが可能となり、ドライバーだけでなく、後席でも快適なサウンドを楽しむことができるとしています。
また、フロントドアに装着できるドアウーファーにより、リアスペースに荷物を満載しても低音部の増強が可能で、8チャンネルDSPパワーアンプ/ルーフスピーカーとの組み合わせで、ハイエースの室内空間を有効に活用することができるほか、ハイエース専用システムとしてフロント・ドアウーファー用バッフルボード、DSPアンプ取り付け用ステー、配線用ケーブルが付属されています。
■自動測定で音はどう変化する?実際に試してみた!
今回、実際にハイエース専用OPTMサウンドシステムを搭載したデモカーで、その効果を試してみることにしました。デモは運転席、次に後席に座り、それぞれチューニング前/チューニング後でその効果の違いを聴き比べることができました。
ハイエース専用サウンドシステム「OPTM8-HI」発表会の様子
まずは実際に測定の模様を見学します。iPhoneにダウンロードされた専用アプリから独自のビープ音が鳴り測定モードに入ると、車室内をひと通りぐるぐるっとiPhoneを動かして音の反響をさせます。
これにより音の乱反射/音の詰まりなどから車室内全体の「音響パワー体積密度(APVD)」を判定し、音圧・位相・タイムアライメントまで調整できるとのことですが、本当にこんな多岐にわたる測定ができたの?と驚くほど短い時間で測定が終了しました。
このシステムが特に画期的だと感じたのは、車それぞれ単体ごとの車室環境に合わせて調整ができることです。ハイエースは業務用だけでなく、リアシートを生かして乗用のファミリーカーとして使われる場合や、リアセクションを改造してバンコン(キャンピングカーに架装したバン)として使われる場合、またカスタマイズ性も非常に高いことから、室内に使用される素材、シートの素材、車室内空間の広さ、反響の仕方…等、1台1台それぞれ異なった室内環境となっています。
このOPTMサウンドシステムの測定方法を使えば、自車のカスタマイズ環境に合わせた最適な測定を行えるので、その自由度の高さはハイエースという車種にまさにふさわしい新たなサウンドシステムと言えるでしょう。
アルパイン ハイエース専用 OPTM サウンドシステム構成
測定が終了し、実際にその音の違いを聴いてみます。まずは効果がOFFの状況から開始です。この状態でも、ルーフスピーカーやウーファー、アンプなどが交換されているので、ノーマル状態でのハイエースよりもはるかに音質が向上していることが確認できます。
次に、先ほどの測定結果を踏まえた状態でONにすると、まるで目の前にあるフロントガラスがぐっと奥に遠のいたような音域空間の広がりを感じることができました。定位がしっかりと出ていながら、より広い場所で周囲から音に包み込まれるような、同じ音源ソースから発せられているものとは思えないほど明確な差を実感。リアシートからでもその効果はしっかり感じ取ることができましたが、個人的には運転席に座った状態でより強く体感できた印象でした。
自らの好みに合わせて細かく調整を重ねていくのもオーディオの楽しみのひとつではありますが、自分の車の環境に合わせた最適なセッティングを確実に、しかも簡単にできるこのシステムの効果は、実際に試聴してみると素直に驚くレベルの体験でした。今回のデモは停車状態での実施となりましたが、走行中であればその効果はさらに大きく感じられそうです。
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