400万円超え! マツダの「激レア軽自動車」出現! 30年落ち・13万キロ超えのマツダ「AZ-1」が米で落札
くるまのニュース / 2023年10月4日 19時10分
アメリカのオークションサイト「Bring a Trailer」で400万円を超える価格で取引された「AZ-1」とはどのような個体なのでしょうか。
■マツダの「激レア軽」が驚きの高価格に!
2023年9月27日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、マツダの軽自動車「AZ-1(オートザム AZ-1)」が2万7250ドル(当日レートで約407万円)で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
Bring a Trailerはアメリカのオークショニアで、2007年に開設。日本をはじめ、ヨーロッパや米国などのクルマを取り扱っており、戦前から現行のクルマまで幅広くオークションが開催されています。
今回、2万7000ドル以上で落札されたAZ-1は、1992年10月に登場した2ドア軽ミッドシップスポーツカーです。
発売から3年前の第28回「東京モーターショー」で公開された“着せ替え”型コンセプトカー「AZ550」のうち、「タイプA」のデザインをベースに開発。
ガルウイングドアやスケルトンボディに樹脂製外板を装着する軽量ボディを採用したほか、重量配分を考慮しミッドシップにスズキ製の660cc直列3気筒DOHCターボエンジンを搭載するなど、走行性能にもこだわったモデルです。
当時のマツダにおける5つの販売網のうち「オートザム」店で取り扱われ、後に登場したライバル車のホンダ「ビート」やスズキ「カプチーノ」とともに、頭文字をとって「ABCトリオ」と呼ばれ、一世を風靡しました。
現在もなお、根強いファンを持つクルマといわれています。
今回落札された個体は1993年式で走行距離は13万8000キロ。2020年4月に北米に正式に輸入されています。ブルーのボディカラーをまとっており、さらに専用エアロや足回りなどが装備される「マツダスピード」モデルです。
AZ-1の特徴でもあるプラスチック製外板はいくつかの部分が補修を加えながら維持されており、ボンネットとフロントバンパーカバー、リアパネルのAZ-1デカール付近に傷が見られるものの、30年落ちにも関わらず程度はかなり良好といってもよく、純正の「サイベリアブルー」の塗装はツヤも十分にあります。
インテリアはMOMO製のステアリングやインパネのアルカンターラ貼り、シフトノブなどが変更されているものの、比較的純正状態が残っており、エクステリア同様キレイな状態を維持されています。
シートはエクステリアと共通のブルーを基調としたもので、運転席側のクッション(アンコ)にヘタリはあるようですが、目立つスレや汚れ、ほつれといったものは確認できません。
エンジンルーム内も年式の割りにはキレイで、プラスチックやゴムパーツ類が黒々とした状態であるほか、ストラットタワーなどにサビが浮いていることもなく、手が入っていることがわかります。
前オーナーによりプラグとイグニッションコイルは交換されているようで、床下も塗装はされているようですが、サビや腐食は少なく大切に乗られてきたようです。
日本語のステッカー類はそのままの状態で輸出され、「ヒートインジケーターランプ点灯時の処置方法」といった注意書きや平成25年(2013年)の車検ステッカーは現地のマニアにはたまらない一品ともいえます。
キーは3本あり、そのうちメインキーは日本人オーナーと思わしき名前の入ったキーホルダーに加え、柴又帝釈天(東京都葛飾区)のお守りがついたままになっており、この周辺の地域で乗られていた可能性もあります。
入札は9月20日に999ドルでスタートし、41件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、2万7250ドルで落札。
貴重なモデルであることや状態などが評価されたのか、新車価格(149万8000円)を超える価格で取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
※ ※ ※
映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、そのうち特に人気なのは1980年代から90年代のスポーツカーで、高値で取り引きされています。
特に北米では「25年ルール」という、クラシックカーとして登録できる決まりがあり、通常走行ができない右ハンドル車であっても、製造から25年が経過すれば走行可能になります。これにより、多くの国産スポーツカーが輸出され、現地のオーナーによって大切に乗られているのです。
なかにはAZ-1のような軽自動車が取り引きされることもあり、個体の程度や仕様によっては今回の個体のように新車価格を超える金額で落札されることも少なくはありません。
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