なぜ「高速道路の路面」は常にキレイに保たれている? いつ誰が掃除してる? 意外と知らない「清掃作業」の実態とは
くるまのニュース / 2023年10月5日 20時10分
普段何気なく走っている高速道路ですが、実は安全に走行できるように、ゴミや落下物の撤去といった清掃が定期的に行われています。しかしどのような手順で清掃されているか、意外に知られていません。誰がどのように清掃作業をしているのでしょうか。
■首都高では4台体制で清掃作業を行っている
普段、高速道路を走るときは、常に整然とした道を当たり前のように利用していますが、実は安全に走行できるように、ゴミや落下物の撤去といった清掃が定期的に行われています。
誰かが掃除してくれているであろうことは想像していても、具体的にどのような手順で清掃されているかは意外に知られていません。
どのようなタイミングで高速道路の清掃作業をしているのでしょうか。首都圏の大動脈である首都高速道路(以下、首都高)に聞いてみました。
まずは首都高のウェブサイトによると、安全な走行のために日々行われているのが、細やかな「点検」、損傷の「補修・補強」、路面や道路施設の「清掃」、路面の損傷や落下物への「緊急応急対応」、これに冬季は「積雪凍結対策」が加わります。
なかでも清掃は、普段の走行で支障が出ないように欠かせないものですが、首都高だけでも集められるゴミや土砂の量は年間で数千トンにものぼるといいます。
危険を伴う作業なだけに、どのような体制で行われていて、その頻度はどのように決まっているのか、首都高の担当者は次のようにいいます。
「機械による路面清掃は、4台体制を標準としています。先行車(2tダンプ)を先頭に、散水車、路面清掃車、標識車という体制で、連続移動しながら(首都高速道路上の)清掃作業を行っています」
4台体制で移動しながら路面のゴミ清掃はもちろん、トンネルの壁面なども清掃しているそうです。
ただし決まった時間に作業するのではなく、交通量や路面の状態に応じて適切なタイミングと判断された場合に出動しているとのこと。確かに日々の交通状況は変化しているわけで、それが交通量の多い首都高であればなおさら臨機応変に対応する必要があるということでしょう。
安全で円滑な道路交通環境を確保するために、日夜チリやゴミ・土砂・汚れなどを清掃しているわけですが、最も緊張感が走るのが「落下物の回収」です。これは清掃チームではなく、「緊急応急対応」専門の別チームが担当しているといいます。
ちなみに高速道路の清掃作業は、運営会社(首都高)の部署ではなく、実際は一般競争入札によって決定した受注者(清掃会社)が首都高と連携して行っているのです。
また、清掃作業に特化した車両としては、路面を清掃するための路面清掃車「スィーパー」、排水管や排水枡を清掃するための汚泥吸排車「バキューム車」、排水管を清掃する「高圧洗浄車」、トンネル壁面の清掃を担当する「多目的作業車」などが活躍しており、このような清掃作業は高速道路の運営に不可欠な作業といえます。
いつでも首都高をスムーズに走れるように清掃を続けてくれているわけですが、ドライバーとして心配になるのが「落下物」です。
トラックの荷台やバンの車外にくくり付けられた備品が落ちることがしばしばありますし、実際に走行中に落下物を見かけたことがある人もいるでしょう。
もし落下物やゴミなどを発見した場合は、どう対処したら良いのでしょうか。
「近くの非常電話から直接、またはスマホなど携帯電話から『#9910』(道路緊急ダイヤル)にかけ、自動音声ガイダンスに従って首都高の番号『1』をプッシュすると『交通管制室』へ通報できます。
通報を受けた『交通管制室』から最寄りの『交通パトロール車』に連絡し、落下物を回収します」(首都高担当者)
ちなみに落下物が交通パトロール車で回収できない大きさの場合は、別の回収車両が出動するそうです。
首都高では、「ほんの小さな気配りが落下物の減少につながります。荷物を積載されている車両のドライバーはSA/PAで定期的に点検していただき、積み荷がしっかり固定できているかを確認いただければ幸いです。また空荷のときも、荷台の小物が落下しないようにご注意をお願いいたします」と呼びかけています。
※ ※ ※
今回は首都高に話を聞きましたが、ほかの高速道路会社もおおむね同じような体制で清掃活動をしているでしょう。
我々ドライバーとしては、とにかくゴミや落下物を出さないように、走り出す前にチェックするような習慣を身につけましょう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
救急車の走行を妨害すると、「反則行為」になる?緊急車両を妨害しないための運転ポイントとは?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月21日 22時30分
-
【初公開】新東名・建設中区間(新御殿場IC~新秦野IC)での「自動運転」実証実験…描かれる将来像は
Daiichi-TV(静岡第一テレビ) / 2024年6月20日 17時43分
-
高速道路で「人が旗振ってる!」意味わかりますか? 見かけたらそこは「危険」
乗りものニュース / 2024年6月15日 16時12分
-
高速道路トンネル前の「謎の信号」 なぜ設置? いつも「ほぼ青」だけど…「赤」や「黄色」にもなる? 信号が変わったときの正しい行動とは
くるまのニュース / 2024年6月7日 20時10分
-
令和6年度 豪雨・台風時の高速道路における安全・安心の確保について
PR TIMES / 2024年6月7日 12時15分
ランキング
-
118÷0=?物議を醸した小3の宿題に東大生が反応。「教員の力不足」「思考力を磨く良問」などの声
日刊SPA! / 2024年6月30日 15時52分
-
2暑すぎる日は食べて冷やす アイスを食べるより健康的な体の熱冷まし食材10選
CREA WEB / 2024年7月2日 6時0分
-
3ロシア軍のミサイルを「機関銃」で撃墜!? “あわや着弾”ギリギリで回避 ウクライナ国防省が写真公開
乗りものニュース / 2024年7月2日 11時42分
-
4訪日観光客がSNSには決して出さない「日本」への本音 「日本で暮らすことは不可能」「便利に見えて役立たない」と感じた理由
NEWSポストセブン / 2024年7月1日 16時15分
-
5事件や事故の報道でよく目にする「命に別条はない」と「意識はある」、「重傷」と「重体」…それぞれの違いとは?【元新聞記者が解説】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年7月1日 15時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)