なぜ日産は「車中泊」に力を入れる? 新型「キャラバン マイルーム」初公開! 商用から車中泊用に変化させる理由とは
くるまのニュース / 2023年10月11日 14時0分
2023年10月11日、日産は、商用バン「キャラバン」の本格車中泊モデルである新型「キャラバン MYROOM」を発表するとともに、期間限定の特別仕様車「キャラバン MYROOM Launch edition」の注文受付を開始しました。どのようなモデルなのでしょうか。
■日産“新型本格車中泊仕様車”「キャラバン MYROOM」発表
2023年10月11日、日産は、商用バン「キャラバン」の新たな車中泊のカタチを提案するモデルである新型「キャラバン MYROOM(マイルーム)」を発表するとともに、期間限定の特別仕様車 「キャラバン MYROOM Launch edition(ローンチエディション)」の注文受付を開始しました。
キャラバンは、1973年に誕生した歴史ある“商用バン”。現在販売されるのは、2012年に登場した5代目モデルです。
登場当時は、「NV350キャラバン」と名称を改めていましたが、2021年のマイナーチェンジで“キャラバン”名に回帰しました。
今回、そんな現行キャラバンのラインナップに、“新たな車中泊のカタチを提案する”新型キャラバン MYROOMを追加すると発表されました。
新型キャラバン MYROOMについて、日産は以下のように説明しています。
「今年で誕生50周年を迎えたキャラバンをベースに、日常生活に追われる中で非日常を感じ、自然に触れて安らげる空間が欲しいお客さまに向け、自分のお気に入りの部屋ごと自然の中に持ち込んで、リラックス (憩うこと)ができるクルマとして開発したモデルで、これまでにない新たなカテゴリーのクルマを目指しました」
エクステリアでは、ブラックグリルやブラックドアハンドル ブラックドアミラー、ブラックスチールホイールなど、専用パーツを揃えることで外観の印象を引き締め、 MYROOM の独自の雰囲気を演出。また、リヤクォーターウインドウとバックドアにはMYROOM専用ステッカーを用意しています。
ボディカラーは専用色のサンドベージュ/ホワイトの2トーンを始め、4色をラインアップしています。
“車中泊仕様”といえば注目のインテリアでは、木目をふんだんに使うことでクルマの内装感を徹底的に消去。ミニマルなデザイナーズホテルのような洗練された“趣”を実現ししました。
2列目に搭載される「2in1シート」は、用途に合わせて簡単にシートをアレンジすることが可能で、業界で初めてシート表裏で硬さが異なるクッションパッド構造を採用し、乗車移動時には程よい硬さで乗り心地を追求し、駐車時に後部座席側に反転させて使用する際には、柔らかなソファーのような座り心地を体感できます。
荷台スペースに搭載される車中泊用のベッドは「折りたたみベッド」仕様に加え、オプションとして「MYROOM跳ね上げベッド」仕様から選択可能です。どちらもヘリンボーン生地を使用し、シンプルながらもリッチなクオリティを表現しています。
MYROOM 跳ね上げベッド仕様は、 ワンアクションでベッド展開をすることができ、手を放してもしなやかに倒れてきて、手を挟むことなくベッドにすることができます。
一方、折りたたみベッドは2分割になっているため、自由なアレンジが可能です。
荷室スペース後端に収納されるスライドテーブルは、好きな位置で固定したり、取り外したりすることができ用途に合わせた活用が可能。 2 in 1シートやスライドテーブル、ベッドを組み合わせることで、リビングルームモードやベッドルームモード、ダイニングルームモードと、 車内を自在にアレンジできます。
新型キャラバン MYROOMは、2024年夏に発売予定ですが、これに先行して特別仕様車となる“Launch edition”の受注を発表同日に開始しています。
新型キャラバン MYROOM Launch editionでは、通常の新型キャラバン MYROOMに加え、車内カーテンや、ウッドブラインド、AC 100V 電源、スポット照明付きの木目調ルーフパネル、ロールスクリーン、ルーフサイド間接照明が標準装備されます。
また、カーテンと同じ生地で制作した「キャラバン MYROOM」オリジナルクッションも付属します。
販売価格(消費税込み)は、595万8700円から714万100円。
新型キャラバン MYROOM Launch edition の納車は2024年上旬を予定しているとのことです。
※ ※ ※
新たな車中泊のカタチを提案するという新型キャラバン MYROOMですが、日産はなぜ今“本格車中泊仕様車”を登場させるのでしょうか。
■日産が“本格車中泊仕様車”を作る理由
新型キャラバン MYROOMの開発背景については、直近の車中泊市場の動向が大きく関係していると言います。
キャンピングカーの保有台数は、過去10年間で右肩上がりを続けており、2022年では14万台を突破したといいます。さらに、今回の新型キャラバン MYROOMのように8ナンバー車に区分されないベッド装備のみの車中泊仕様車の生産台数が2021年から2022年で155%増加しており、人気を集めています。(ともにキャンピングカー白書2023より)
車中泊仕様を投入する目的とは?
そんな中、投入される新型キャラバン MYROOMのユーザー像について、日産の日本マーケティング本部 チーフマーケティングマネージャーオフィス チーフマーケティングマネージャーの岡部 龍太氏は以下のようにコメントしています。
「本格的なキャンピングカーではなく、バンの広い荷室を活用して車中泊旅をするユーザーは、お子様がいらっしゃらないか、もしくは子育てを終えた仲の良いカップルが主体で、旅だけに関わらず二人で色々なものを楽しむ傾向にあります。また、このようなユーザーの中でも、キャンプ好きタイプ、DIY好きタイプ、旅好きタイプなどに分類できますが、新型キャラバン MYROOMはこの中で旅好きタイプと相性がいいと思っています。この層の特徴として、旅の一つとして車中泊を好み、道の駅や駐車場の車中泊が多いほか、必要な装備は最小限であるという特徴があります」
また、ビジネスパートナーシップ開発本部商用車ソリューション&特装部 主幹 谷内 陽子氏は以下のようにコメントしています。
「我々の調査ではありますが、車中泊という文化が根づいてきたと思っています。また、震災やコロナなどで、クルマに求めるニーズが変わってきたことを感じています。キャラバンの中で「マルチベット(ベッドキットを装備した簡易的な車中泊仕様車)」の販売も伸びています」
現在発表されたのは、4ナンバーサイズのキャラバンでのみ利用可能な“MYROOM”ですが、今後の動向によってはさらに広いワイドボディやハイルーフ仕様車など、より広い室内を持つ車両での展開も期待できるかもしれません。
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