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なぜクルマのタイヤは「黒色」ばかり? 白線入りはあるけど… 色が決まる理由とは

くるまのニュース / 2023年10月16日 9時10分

タイヤといえば黒が基本であり、もはやそれは常識となっています。しかし、なぜタイヤは黒ばかりなのでしょうか。他の色を選択することはできないのでしょうか。

■昔は白かった!? タイヤが黒色になった理由とは?

 道路を走っているクルマたちに目をやると、どのクルマも黒いタイヤを履いていて、それ以外の色はまったく見当たりません。

 タイヤの色といえば「黒」という認識が当たり前となっていますが、そもそもなぜタイヤの色は黒いのでしょうか。

 現在、公道を走っているクルマのほとんどには黒い色のタイヤを装着しています。

 まれにタイヤの側面が白いホワイトウォールタイヤや側面に白いラインが入っているホワイトリボンタイヤなどを装着している光景を見ますが、ベースの色は黒い色のことがほとんどです。

 しかし、昔はタイヤの色は白色や飴色でした。これは、タイヤに使用されている天然ゴムの色が白色だからです。

 しかし、その当時のゴム製のタイヤでは耐久性に難があったことから、1912年に天然ゴムとカーボンブラックを混ぜて強度を向上させた黒タイヤが誕生しました。

 タイヤに使われる素材について、ブリヂストンの担当者は次のように話します。

「タイヤが黒いのは、使われるゴムにカーボンブラックと呼ばれる黒い炭素の粒が含まれているからです。

 カーボンブラックを加えることで、ゴムの強度が飛躍的に向上し、タイヤとしての性能を発揮できるようになります」

 こおnカーボンブラックは、炭素でできた微粒子のことで、油やガスを不完全燃焼したり、熱分解法などによって製造されています。

 黒色顔料やマスカラ、トナーなど、タイヤ以外にもさまざまな用途に使用されています。

 ゴム製品の多くは、加硫と呼ばれる、生ゴムに硫黄を混ぜて加熱する方法によって強度を高めていますが、クルマのタイヤには多大な負担がかかるため、それだけでは強度が足りません。

 そこでカーボンブラックを使用することにより、強度や耐摩耗性の上昇、グリップ向上に飛躍的な効果がもたらされました。

 タイヤの強度を上げるためにカーボンブラックが使用されるようになった結果、現在の黒いタイヤが誕生したのです。

■タイヤに色を塗ってもいい?黒以外のタイヤはあるの?

 カーボンブラックを使用しているためほとんどのタイヤが黒色ですが、タイヤに色を塗ってもいいのでしょうか。前出のブリヂストンの担当者は次のように話します。

「タイヤに劣化等有害な影響を及ぼすものを使用しなければ問題はないでしょう。

 また、シリコンやワックス分が含まれているタイヤ美化剤等を塗布する場合は、トレッド表面に付着しないように注意してください」

 実際にクラシックカーでは、前述のホワイトウォールタイヤやホワイトリボンタイヤなどがあります。これらは業者がペイントを施し、カスタムによりカラーが入っています。

 さらに、ブリヂストンでもカラーが入ったタイヤがあるようです。前出の担当者は次のように話します。

「黒以外の色のタイヤは、フォークリフト向けのノーパンクタイヤ『パンクノン』で白・緑のタイヤがあります。

 この製品はクッション性、耐摩耗性能に優れた特殊カラーゴムを採用しています。

 他にも、オフロードSUV車用DUELERの1部にアウトラインホワイトレターと呼ばれるタイヤサイドの文字のアウトラインにホワイトゴムを採用したものがあります」

フォークリフトのタイヤは白いことがあるフォークリフトのタイヤは白いことがある

 カラータイヤは世間一般ではあまり知られていないものの、一部では存在しているようです。

 一方で、市場にあるほとんどのタイヤは黒色で、カラータイヤはなかなか普及していません。

 タイヤはクルマの中で唯一地面と接しており、最も汚れやすいパーツになるため、汚れの目立ちにくさを考慮すると黒が一番無難なタイヤの色になります。

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