新しいのに「超レトロ」! 斬新すぎるトヨタ「クラシック」なぜ作った? 激レアモデルの意外すぎる「ベース車」の正体とは! 今からでも手に入る!?
くるまのニュース / 2023年10月17日 22時10分
かつてトヨタは「クラシック」という、本格的なレトロデザインのクルマを受注生産にて販売していました。一体どのようなモデルだったのでしょうか。
■トヨタの市販車生産60周年記念モデル
自動車メーカーは時々、通常モデルとしてはラインナップすることが難しい性能やデザインのクルマを台数限定や受注生産で販売することがあります。
そして、そのようなモデルの多くは希少性の高さからコレクターズアイテムとなり、後に高額で取引されることも珍しくありません。
今回取り上げるトヨタ「クラシック」も同様に、中古車市場で出回ることが珍しい、レアなクルマの一台でしょう。
トヨタが過去に販売したクラシック(以下、トヨタ・クラシック)は、同社の市販車生産60周年を祝う「記念車」として、1996年から1997年の約2年間限定で受注生産されたクルマです。
このトヨタ・クラシックの最大の特徴である極めてレトロな外観デザインは、トヨタが1936年に初めて量産した乗用車「トヨダ AA型乗用車」をモチーフにした由緒正しいもの。
新車価格は800万円に設定され、これは当時の最高級セダン「セルシオ(2代目)」が約500万円から650万円だったことを考えると、なかなかに高額なモデルだったことが分かります。
このように非常に特殊な存在であったトヨタ・クラシックですが、じつはイチからオリジナルで製造されたクルマではなく、「パイクカー」と呼ばれる既存の車種をベースに大きくカスタマイズし、レトロや個性的な外観に仕上げたモデルの一台です。
トヨタ・クラシックのベース車に選ばれたのは、なんとピックアップトラックのトヨタ「ハイラックス」(5代目のダブルキャブ仕様)。製作はトヨタテクノクラフトという、トヨタの特装車部門が担当しました。
カスタマイズの多くは手作業で行われており、車体の大部分をカーボンファイバー製に架装した結果、AA型乗用車のレトロな雰囲気を忠実に再現。とても元がハイラックスとは思えない見事な仕上がりとなっています。
唯一異なるのがドアの構造で、AA型乗用車は観音開き式のドアを採用していましたが、トヨタ・クラシックはハイラックスをベースとするため一般的なスイング式の4ドアとなっています。
■5台しか存在しない「超レア」なカラーリングも!
トヨタ・クラシックは外装のみならず、内装もメーカー純正ならでは高い完成度に仕上げられており、シートは本革張りでステアリングはウッド製、内装トリムには木目調パネルが奢られるなど、こだわり抜かれたインテリアもレトロな雰囲気を楽しめるものでした。
トヨタの市販車生産60周年記念車、トヨタ「クラシック」
またパワーユニットには、ベースのハイラックスに準拠した2リッターの「3Y-E」型ガソリンエンジンを搭載しています。
前述のように、トヨタ・クラシックは約2年間で100台が受注生産され、生産数の少なさから現在では非常にレアなクルマとなっています。
中でも100台中5台しか生産されなかったというブラック塗装のモデルはさらに貴重であり、中古車市場にもほとんど出回ることがありません。
ちなみに、兵庫県神戸市にある「レストラン北野クラブ」では、この貴重なブラック塗装のクラシックを今も送迎用として利用しています。
機会に恵まれた際は、極めてレアな限定車の乗り心地と美味しい料理を楽しみに、一度足を運んでみるのも楽しいかもしれません。
※ ※ ※
このように、大手メーカーであるトヨタのクルマでありながら非常に珍しい存在といえるトヨタ・クラシック。
実際に中古車販売サイトを調べてもごく少数しか出回っておらず、程度次第ですが500万円以上するものも見られるなど、今でも新車当時と同様に高額を保っています。
しかし、本格的なクラシックカーは高価で維持に手間が掛かるものですが、トヨタ・クラシックのようなパイクカーであれば比較的新しい安全規格で作られており、日常生活でも乗りやすいのが特徴です。
もしトヨタ・クラシックを「欲しい!」と思うのであれば、探す手間と相応の金額を覚悟しつつ、納得のいく一台を根気よく探し出してみてはいかがでしょうか。
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