「車載工具」なぜ減った? かつては“標準”も今ではほぼ非搭載… そもそも何が入ってる?
くるまのニュース / 2023年10月23日 11時10分
クルマには車載工具が装備されていますが、どのようなものが入っているのでしょうか。
■かつて一般的だった「車載工具」は装備されなくなっている
クルマのラゲッジルームの中などには車載工具というものが収納されています。
しかし、具体的にどのような工具が装備されているかを見たことがないという人もいるかもしれません。どのような工具があり、どのような時に使うのでしょうか。
ラゲッジルームの中などに、スペアタイヤなどと一緒に車載工具として、ドライバー、ペンチ、スパナやレンチなど複数の工具が袋にまとめられ、標準装備されていました。
これにより、ユーザー自身でもライト類の球切れやパンク時のタイヤ交換といった、軽整備や応急的な作業ができるようになっています。
具体的な内容としては、上記のような工具に加え、輪止めや牽引フック、ホイールにセンターキャップが装着されるモデルでは、専用のレンチが入っています。
欧州車の一部は、プラグレンチや六角レンチなどが備わっている場合もあり、消耗品や定期交換部品などが脱着できるようになっています。
しかし、現在はドライバーやスパナなどの工具が装備されていないクルマも多くなってきています。
その理由として、クルマ自体がメンテナンスフリー化したことで、ユーザーによる整備が必要なくなったことが挙げられます。
また、そもそもクルマの性能が上がったり構造が複雑になったりしたことで、専門的な知識を持たない一般ユーザーが簡単に触れるものではなくなったという点も、工具が不要になった理由のひとつです。
特に、ハイブリッドシステムを搭載するモデルは、エンジンや補機(エンジンに付随する機構)などに高電圧のケーブルが配されるなど、一般ユーザーが作業すると危険が伴う場合があります。
さらに、以前は標準装備されていたスペアタイヤも軽量化や省資源化の観点から、代わりに応急修理キットが装備されるようになったことも理由として挙げられ、タイヤ交換の際にクルマを持ち上げるジャッキやナットを緩締するレンチが不要になりました。
例えばトヨタ「シエンタ」は、タイヤを固定する輪留め、ホイールナットレンチ、ジャッキ、ジャッキハンドルなどタイヤ交換に必要な工具が搭載されていないといいます。
このように、新車販売時点でそもそも搭載されていない車種も増えていますが、車載工具は装備義務がないため、クルマに載っていなくても違反になることはありません。
特に整備や点検などメンテナンスをディーラーや修理工場などに依頼する人であれば、車載工具を使う機会もほとんどないと考えられます。
もし車載工具をクルマに載せておきたいという人は、必要に応じてディーラーなどに依頼すれば車載工具セットを購入できるほか、ホームセンターなどで必要な工具をそろえるのも良いかもしれません。
ただし、自宅に置いている工具をそのまま載せるのはやめましょう。
ハサミやカッターナイフなどの刃物やマイナスドライバーを車内にそのまま無造作に放置したりすると、警察の取り締まりを受ける可能性があるためです。
例えば、刃が一定の長さを超えるハサミやカッターナイフなどを理由もなく携行することは、銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法違反)によって禁止されています。
ほかにも、マイナスドライバーやバール、ドリルなどは特定侵入工具とされ、大きさによっては特殊開錠用具所持禁止法、いわゆる「ピッキング防止法」に抵触することになります。
車載工具は必要なものだけを選び、袋やケースにまとめてラゲッジスペースなど適切な場所に保管することが大切です。
※ ※ ※
近年はクルマの性能が上がって構造が複雑化したことでユーザーが簡単に整備できなくなったことから、車載工具が装備されないクルマも増えています。
自分のクルマに車載工具が装備されているかどうかを見たことがないという人は、一度確認してみるのも良いでしょう。
しかし、実際に使う機会はあまり多くないと考えられるため、自分で積極的にクルマの整備や点検を行う人以外は、車載工具がなくてもあえて買いそろえる必要はないと言えます。
万が一のためにそろえておきたいという人は、法に抵触しないようにまとめておきましょう。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
工具のハナシ 「スパナ」と「メガネ」どう使い分ける?
バイクのニュース / 2024年6月25日 11時10分
-
940万円のホンダ「プレリュード」出現!? 5速MT搭載の「スペシャリティモデル」がスゴい! 23年落ちなのになぜ「新車価格」超えた? “極上車”が米で高額落札
くるまのニュース / 2024年6月23日 21時10分
-
エンジン車が電動車に生まれ変わる!? シェフラーが“人テク”で展示した「Eビーム・アクスル」に注目
くるまのニュース / 2024年6月13日 15時40分
-
知らないと危険なボルトの締め方? DIY初心者必見! トルクレンチの重要性と使い方徹底ガイド~カスタムHOW TO~
レスポンス / 2024年6月8日 6時30分
-
ボルトの規格が全然違う!ハーレーなどに見られる「ヤード・ポンド法」って何?
バイクのニュース / 2024年6月6日 10時10分
ランキング
-
1すき家、7月から“大人気商品”の復活が話題に 「この時期が来たか」「年中食いたい」
Sirabee / 2024年6月29日 4時0分
-
2湿気が多いこれからの季節に役立ちそう…警視庁が紹介する「跡が残らないヘアゴムの結び方」
まいどなニュース / 2024年6月30日 20時30分
-
3忙しい現代人が“おにぎり”で野菜不足を解消する方法。野菜たっぷりおにぎりレシピ3選
日刊SPA! / 2024年6月30日 15時53分
-
4トヨタ次期「セリカ」に期待! 「まもなく登場?」 8代目「次期型」20年弱ぶりに復活!? みんなの声は
くるまのニュース / 2024年7月1日 7時10分
-
51年切った「大阪・関西万博」現地で感じた温度差 街中では賛否両論の声、産業界の受け止め方
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 14時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください